☆登場人物☆
・工場長
・係長
・女性
・恵(自分)
・先輩 etc.
※タイトルを【初恋】にした理由は、初めて就いた職場で出会った男性に恋した相手&初めて大人の男性に恋したからです(≧ω≦)
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6月を過ぎた頃。
あたしは色々と追い込まれ、悩んだ末…以前ある男性に紹介してもらっていた所に面接へ行く決心をした。
そしてその面接日は16日。
(やば…。月曜日か……不安…)
人生初の面接ということもあり、緊張と不安が入り交じっていた。
(とりあえず今はゆっくりしよう)
そう思い、家事をしてみたり音楽を聴いたりと面接のことを忘れるように一つのことに集中した。
そして迎えた面接日。ー
あたし『きた…。面接日』
面接の時間はお昼からでその前に紹介してもらった男性と会うことになっていた。その時点で緊張しきっていたけれど…その人との話し合いで気持ちも少し落ち着き、気合いも入った。
男性『聞かれたことに答えるだけでいいからね』
あたし『はい!がんばります…』
男性『わたしもついては行くから』
あたし『ありがとうございます』
男性『じゃあ行こう』
あたし『はい』
車の中で話し終えると、男性は車を出して会社へ向かった。ー
その会社までは車で5分ほどの場所にあり、すぐ着いてしまったため…緊張している暇もなかった。
(え、もう着いたの…?)
男性『よし、行こうか』
そう言って先に車を降りた男性。
あたしはちょっとソワソワしながら履歴書と紹介状をぎゅっと手に持って車から降りた。
あたし『緊張します…』
男性『大丈夫大丈夫!ちゃんと考えてるから伝えればいいだけだよ』
あたし『はいっ…』
(…がんばろ!)
心の中でそう決めて一度深呼吸をすると男性が会社の中へ入ったあとにあたしもゆっくりと足を踏み入れた。
すると女性が流し台を掃除していた。
男性『こんにちは。あの工場長さんはいらっしゃいますかね?』
女性『今くると思いますよ』
男性『そうですか。あのすみません、トイレはどこにありますか?』
女性『トイレは奥に入って行った所にあります』
女性に教えてもらい男性はトイレにいってしまった。
(まさかのあたし1人?…どうしよ…)
とおどおどして戸惑っていると。
女性『こっちに来たら?』
と優しく微笑んでくれた。
あたし『…あ、はい!』
ゆっくり歩き、軽く周りを見回したりして待っていると…男性が戻ってきた。
男性『あれ、まだ来てない?』
あたし『はい』
そう言い合ってから数分後、工場長らしき人がこちらへやって来た。
あたし『こんにちは』
工場長『どうぞ』
あたし『はい。…履歴書です』
あたしは椅子に座る前に履歴書と紹介状を工場長の前に出した。
すると工場長は履歴書をみて頷くと質問をいくつかしてきた。その質問の内容に困りつつもあたしは懸命に正直に答えた。
すると…ーー
工場長『すぐ来れる?』
と履歴書を端の方に置きながらあたしをみた。
(えっ………)
一瞬なにがどうなのか分からなくて戸惑いを隠せなかったけれど即決だとわかって嬉しくなり、頷きながら返事をした。
工場長『工場見てみる?』
あたし『はい!見てみたいです』
工場長『じゃー、係長を呼ぶから。若いけど』
と電話を取って電話をし出した。
(……係長って…?)
そのとき返事はしたけれど係長というのが分からなくて頭の中が真っ白になった。
(係長ってなに?)
そう考えていると、工場長がなにやらカレンダーの方に行ったためあたしも立ち上がって少し歩く。
工場長『これがここのカレンダーね』
あたし『はいっ』
工場長『持ってくるのは上履きと弁当な』
あたし『わかりました』
工場長『そしたらー。えーっと…。明日から来れる?』
あたし『はい!』
そうあたしが返事をしたとき、工場長が少しこちらに来た。
工場長『まだ来ない?あぁ来た来た』
(え…?)
あたしはふっと左の方をみた。するとマスクをした若い男性が来ていた。
(あれが係長?)
一度目が合ったとき工場長が何かを言い出したためスッと反らして工場長を見た。
工場長『今が忙しい時期だからね』
あたし『そうなんですね』
工場長『できれば早めがいいもんなぁ…。本当に明日から大丈夫?』
あたし『はい…!!』
この瞬間あたしは少し床をみた。すると係長が斜め右にいることに気がついた。
(いたんだ)
工場長『けどこの仕事はキツいからな…』
係長『うん』
あたし『……』
工場長『じゃあ木曜日から来てもらおうかな』
あたし『はい!わかりました』
工場長『じゃあ…工場案内してやって!俺は次の面接もするから』
と係長を見て指示した。
あたし『よろしくお願いします』
あたしは軽く頭を下げてそう言った。けれど係長は何も言わずに歩き出し、あたしはその後ろを歩き出す。
(え…なんか冷たい…)
後ろ姿を見ながらこの時そう思った。
そして作業場に入ったとき色んな人と目が合って一気に緊張して背筋が伸びた。
(女性ばかりって聞いてはいたけどほんとに女性ばかり…)
そんなことを思いながら早歩きで先に行く係長を追うのに必死になる。
…しばらく歩いたとき少し前を歩いていた係長が立ち止まってはあたしの左側へ来て歩幅を合わせてくれた。
係長『どこから来たの?近く?』
あたし『はい!〇〇〇(地域の名前)です』
係長『……〇〇?(町の名前)』
あたし『あ、はい!』
(やってしまった…)
地域を言ってしまった失態に恥ずかしくなり顔が赤くなる。
(はず…)
そのあと係長が各作業場の説明をシンプルに教えてくれて、一通り案内してもらうと入り口付近に戻った。
係長『ここに入る時は上履きを履いて、服装はラフな格好で。その格好でも十分いいと思います』
そう言われたとき、自分の服装に目がいき、なんだか恥ずかしくなった。
あたし『はいっ…』
そして係長は作業場へ戻り、あたしはあたしで帰ろうと歩き出した。
これがあたしと係長の“出会い”だった。
そのときは仕事しか頭になく、恋愛にも手がつかないくらい真剣になっていたこともあってか…なにも思わなかった。
その後、即決で決まったことが嬉しくて泣きそうになりつつ一緒に来てくれた男性と車内で話してはまた嬉しさが増していた。
男性『よかったよかった。あとはがんばるだけ』
あたし『はい。がんばります!』
あたしは頑張る決心をし、男性に家まで送ってもらった。
(決まったよ…)
まだ多少残っているドキドキを感じながら家に入る前に心の中でそう自分に言い聞かせた。
そしてその夜。ー
(なんか不安だな…。あたしやれるんかな…)
初の面接でおまけに即決だったのは嬉しかったけれど…よくよく考えるとちゃんと仕事をやれるのかが心配で不安も溢れてきた。
(不安…)
今まで頼まれたごとをうまくやれなくて悔しい思いをしてきたからそれを思い出してまた不安に…。
あたし『あぁ…』
しまいにはため息混じりの声までもが口から出た。
この気持ちは初出勤日の前日の夜まで続いた…ーー
~続く~