吹奏楽は音楽のジャンルか? | Kouのブログ

吹奏楽は音楽のジャンルか?

日本の吹奏楽に限っていえば、良くも悪くも吹奏楽コンクールを中心に回るようになっていて、他の音楽ジャンルで活躍されている方からは"部活"の延長くらいにしか思われていない現状があります。これは吹奏楽サイドにも原因があって、コンクールに合わせるため原曲をズタボロにカットする例や、「効果的だから」という理由だけで作曲者に対する敬意も深い考察もなしに原曲を改変してしまう例や、批判的にしか音楽を聴けない子どもを量産しているという例など、多々問題はあると思います。

もちろん、コンクールを通じて吹奏楽の世界は大きく発展してきましたし、数々の名演や、楽曲開発もされてきました。子ども達にとっては切磋琢磨することで精神的にも大きく成長できるイベントともいえます。経済的にも毎年音大を卒業する膨大な数の管楽器プレーヤーに飯の種を提供しているもの事実ですし、関連業種はかなりの数に及びます。

ちょっと脱線してしまいました・・・(苦笑)一方学校吹奏楽での活動には、定期演奏会や依頼演奏など音楽をお客様に聴いてもらうという活動もあります。コンクールがアート(芸術)面を競うイベントなら、演奏会はエンターテイメントを追求するイベントだと言ってよいでしょう。芸術的な演奏会を目指しても何の問題もないですが、アマチュアがヘタに芸術面ばかり追求すると、一般のお客さま(学校吹奏楽の場合は往々にして保護者の方)にとっては退屈な演奏会になってしまいます。音楽通の方からすると技術的に未熟なのに気位ばかり高い鼻持ちならない演奏に感じられます。プロのオーケストラの演奏会でも芸術性バリバリの先進的取り組みの演奏会には客が入りません。チャイコでもベートベンでもブラームスでも日本のオケで演奏されるのは極限られたレパートリーです。プロの場合は多くのお客様に喜んでいただいて興行的に「成功させなければならない」のでやりたい曲ばかりやっているわけではありません。

また、生徒たちはエンタメ色を出すのは簡単だと思っている節がありますが、独りよがりにならず、演奏会をちゃんとしたエンターテイメントに仕上げるのは相当難しいです。漫才でもコントでも笑うのは簡単ですが、人を笑わすのはかなり難しいことです。そこをふまえないと学生の演奏会でよくある内輪受けの演奏会になりがちなのです。

音楽的にある程度の節度を持って、しかも観客の方に楽しんでもらえるような内容。吹奏楽独特の長所である、演歌からアニメ音楽からクラシックから何でも演奏してしまう一見無節操だがエネルギーの詰まった演奏。日本の吹奏楽が音楽ジャンルであると見なされるには、いくつも山をこれから越えて行かなくてはなりません。

今日のおまけ↓
常磐津節 in 題名のない音楽会 We Will Rock You
一時期ネットで話題になった動画です。「題名のない音楽会」で昔放映されたもので、西洋音楽であるロックと日本音楽の融合が下品にならず聞く人をニッコリさせる内容となっています。吹奏楽の目指す方向は、このようなよい意味でのカオスではないかと私は思っています。