平成17年 年明けてから、社員を集め「私は、日本の伝統文化の象徴である西陣織を

守りたいので、まずは今のコンピュータ(Windows)のデータで織れるダイレクトジャカード

のコントローラから作ろうと思うが、この事業について皆の考えを聞かせて欲しい」と聞い

た所、社員からの回答は・・・無言でした。


 私は、社員の顔を見て「返事が無いことは承諾したと解釈した、貴方達が今まで繊維

業界 で14年間培った技術力なら素晴らしい物ができると思う、今、出来るかどうかは

当然返答が出来ないと思う。

 

 開発をする為にダイレクトジャカードが設置されてる繊維試験場に連れて行くので、分

からない所は、その場で質問し教えて頂く様にし、写真、メモは忘れずに、又、今後、開

発に必要な物、必要な情報は出来る限りそろえるので、早速、既存2社の内容に対し、

訪問した際、質問が出来るまで勉強するように」と言いました。



  西陣の公共機関である繊維技術センター(略語)で、S社のダイレクトジャカードを見

せて頂き、説明を受けました。

 又、研究員の方は、織機全体の構造の名前を説明しながら織機を動かし親切丁寧に

S社の状況も含めお話して下さいました。

 

 そして、新規に開発するメーカが現れた事をとても喜んで下さいました。


 その後も他産地(丹後、三河、和歌山、桐生)に伺い状況の説明を伺いました。

 

 ・・展示会に見えた機屋(はたや)さんの言われた事は事実だったのだ・・と驚きました。


   繊維業界を不況業種と決めつけ撤退する製造業の多い中で、私の思い(内心)は、

 帯、着物、金襴を製造する会社がなくなったら、日本の誇る技術継承も全て無くなっ

てしまう・・

  

 私は、日本の着物は民族衣装としては世界一映えると思っている。

 西陣織のあの雅やかな技術は、日本人しか価値は分からないだろうな~」と、若かり

し日の母の思いで着た振り袖姿の自分を思い起こし、自分で言うのもおこがましいけど

私!きれいだったな・・と一人つぶやいた。


 又、若かりし頃、海外で着物を着たとき、次から次へと一緒に写真をと・・せがまれた事

を思い起こし、それも男性からが多く嬉しかった事を鮮明に覚えてます。

 

 今、思えば、ブスな私でもあんなにもてたのは私を映えさせてくれたは着物のお陰だっ

たんだ・・と感謝し懐かしく思い出します。


 着物の良さを知る私は、日本の技術を残す仕事は私がやらなくちゃ誰がやる!とソロ

バン時代の私は先々来る難問など知るよしもなくお気楽でした。