粗相をする敗残者の大失態 3回目 | 横からはみだしてますZ

粗相をする敗残者の大失態 3回目

~嘘を見破れなかった~

2度目のデートは名古屋港水族館だったね。


シャチが入ったばかりで大賑わいしていたのを覚えている。


そこに新車で開館前に到着して、意気揚々と向かった。


まだ2度目のデートだったけど彼女の手を掴んでみた。


ドキドキした。


押しの強い男を演じたかったのかもね。


拒否される事も考えたが押して参る!の心意気で彼女の手の平を掴んで引っ張った。


自分には彼女の手がとても小さくて可愛らしく感じた。


でも当時の彼女はどんな風に感じたのだろう。


それは彼女にしか分からない。


イルカを見た。


彼女は喜んでくれていると思った。


たぶんこう言うのが一般的なデートだろうという考えだったし、動物が好きだと言った彼女の嗜好に合わせられたと思った。


様々な魚を見ながらたわいもない話をしつつ、あっと言う間に閉館時間が来た。


売店でイルカのキーホルダーとおそろいのペンダントなど買って身に付けたりした。


これって一般的だろ?


そう思う自分。


まだまだこの時はお互いの状況について話したりもしていない。


自分の理想の女性とは少し異なるが、一般的に言って大概の人(男)が「可愛い」という類の女性だったから自分は有頂天になっていたと思う。


一目惚れだと思ったんだ。


でも、実際は少しだけ違う。


女性に免疫の無い男が勘違いして有頂天になっていたと言った方がいい。


数度のデートを重ねて彼女の住むアパートに行く機会も得た。


もちろん手は出していない。


ゲームが好きだと言う彼女にその当時持っていたゲーム機を貸して遊んでもらったりして、本当に子供っぽいお付き合いが多かった。


逆にそう言う今までの暮らしの延長線が私の警戒心を更にほぐしてしまったのかもしれない。


そして、何度目かのデートを経てキスをした。


子供っぽいやつ。


デート帰りの車の中。


ある種の欲望みたいなものはあった。


それが出来る事に興奮している性に興味津々のバカ大人(36歳)の夏。


キスが終わった後、一大決意を込めて彼女に言った。


「改めて言うけど、結婚を前提で付き合って欲しい。」


彼女は少し困った表情をした後、自分の家族について触れた。


借金にまみれて、立ち直れず未だに返済を続けながら自分達に迷惑をかけている親が居る事。


自分には過去に結婚まで考えた元カレがいてそれが親が原因でダメになってしまった事。


私は彼女に言った。


借金の件はいろいろな解決法がある。


それよりも君が私の家族になる意思があるかどうかだ。


君が私の家族になってくれるなら、助け合って生きていってくれるならどうにかできる。


それにどう彼女が返答をしてくれたか思い出せないが、結婚に至ったのだからきっと肯定する返答だったのだろう。


一世一代の葉の浮くセリフだったから自分に酔ってて相手のセリフを聞き逃してしまったのですな。


てへぺろ。


その時に合わせて聞いた過去の彼女の行い。


親の借金を返す為に一生懸命働いたと言う。


食事も食パンの耳だけとか、そんな苦労話。


しかし、今分かっている事実をここに付け足していくと様子が変わってくる。


親の為に自分が借金をした。


確かに数々のローン会社の明細書を持っていたのだが、よく見ればその名前は全て双子の妹の名前。


しかし、妹は何の職業にも就いていない。


彼女の手帳から分かった、彼女曰く「仕事」と呼ぶ物。


スケジュール帳の中に書かれている名前と金額を示すと思われる暗号めいた数字。


そのスケジュール帳は私と出会う1年前のものだった。


見知らぬ男性と夕食を共にすると5万円がもらえる。


そんな夢のようなお仕事を私と出会う1年前までしていた。


手帳には他に名刺が数枚挟まっていた。


素人モデル、撮影会。


何なのかはすぐにわかった。


風俗の名刺がたくさん出てきてもいる。


とにかく家を飛び出していった後に彼女が私の引き出しの中などに仰天するような内容の品物を驚く程当たり前に置いてあったのを見て首を捻るばかりだ。


と言うか、こんなものを後生大事に取っておく彼女の気が知れなかった。


これで良くわかる。


彼女の私に対しての思いが。


その程度だったということだ。


当時の私はそんな事を思う事もなく、言うがままの美しい苦労話を疑いもせず信じた。


逆に、よくぞ打ち明けてくれたと感謝した程だ。


バカだね。
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私。


そして弾みがついた私のバカっぷりもエスカレートしていく。


人間、自分を見失っている時ほど己が充実していると誤解してしまう。


そうではない。


相手を大切にしたいならば、逆に懐疑的になり、その疑問を払拭する決定的なものを得て動かせぬ確信を得なければならない。

その時の彼女の言葉をまるで「疑ったら自分が嫌われる」と錯覚して信じ込んだ。


それは自分の心の弱さが補おうとした自分の似非な正義感かも知れない。


人の弱みに漬け込むとは正にこういう事なのだろう。


単に私の馬鹿が原因だった。


これを聞いて勘違いしないでいただきたい。


若い内にたくさんの異性と付き合うことの理由に経験値でこう言った間違いを防ぐという事を言われている人もいるがそうではない。


恋愛ならば数の問題ではない。


人間の成熟度はSEXした人の数ではないのだ。


見る事。


聴く事。


疑う事。


信じる事。


行動する事。


たったこの5つの事が私の中に成熟して有れば良かったのだと思う。


今、それが私にあるかって?


ふふふ・・・


まだ生育長。