「処刑列車」 大石 圭 河出書房新社
『朝のラッシュアワーを過ぎた列車の運転席を何者かに襲われ、
訳の分からない内に乗務員や乗客が次々の殺されてゆく、
「彼ら」と言う犯人の人数も要求も分からずパニックになる乗客の運命は!』
無造作に人がどんどん殺されていく作品は珍しいですね、
所々に「・・・った」「・・・した」と言う文章が続くのは
私は苦手なので少し気になったし、
終わり方がスッキリしなくって好きではないですね。
「晴れた空から突然に・・・」 田中芳樹 朝日ソノラマノベル
『東京・バンクーバー間に就航した、
超豪華飛行船「飛鳥」。
その記念すべき初飛行の日、
キャビンは明るく華やかな空気で満たされていた。
だが、その中にひとり、苦悶に表情を歪ませた男が、
不吉な風が吹く時を今や遅しと待っていた。
晴れた空に静かに浮かぶ、
全長500mの巨大なエア・シップ。
それを支配する者は誰か?そしてその目的は?
息をもつかせぬ展開でおくる冒険活動登場!!』
そう言えば飛行船の小説や映画ってあまり見かけませんね、
作中にもありましたが「ヒンデンブルク号の爆発炎上」の記憶が大きいのと、
今はスピードの時代ですからあまり進歩しないのでしょうか、
この作品は肩の力を抜いて楽しく読めました。
『情報源として接近した女を、
自殺に追い込んでしまった警視庁公安部員。
官僚同士の綱引きに巻き込まれ、無理な調査の挙句、
退職を余儀なくされた公安・外事部門の捜査委員。
全てを組織に捧げ、裏切られた5人の男達が、
強大な国家権力と官僚組織に対し、
首相官邸占拠という最後の賭けに出た。
“桜の罪”を問う問題作!』
50円・・・古本屋で買った値段です、
内容もやはり50円でした。
発想と動機はよかったが、私がこの仲間で計画を聞いたら
絶対に参加しないような計画です。
ここからはネタばれになります、
怨みを持って復讐をするのは分かりましが、
本文にも書いてありましたが犯人が侵入しやすいということは
警察も入りやすいという事で、
出入り口をもっと破壊しなくては駄目だし、
電気を止められるのは分かりきった事だし、
素人が居る時点で計画は失敗ですし、
一番の目的も果たせないし、逃げる計画も今一つだし、
あらかじめマスコミにメッセージを送っておくべきでしたね。
終わり方もビシットしなくって
あとは読者が考えてね、的な感じが嫌いです。
この手の本を読む時は犯人を応援するような感じで
読んでいるので何とか上手く逃げて欲しいと思ってしまう。