「暁の密使」北森 鴻
小学館文庫 2008年発行
『<不惜身命>仏道のために一命を賭して
西蔵(チベット)の聖地・拉薩(ラッサ)を
目指した仏教者がいた。
その名は能海寛。
時は明治、近代国家形成に向け必死に背伸びする
日本を取り巻く情勢は、
その苛列さを増していた。
アジアにあって地勢の要衝であるチベットを制するために
欧米列強の触手が伸びる。
世に“グレートゲーム”といわれる覇権競争である。
仏教再興のためチベット潜入という壮挙を図りながらも、
思いなかばで行方を断った
能海の足跡を辿りながら、
“歴史のif”に挑む著者会心の歴史ミステリー巨編、
待望の文庫化!』
旗師・冬狐堂や民族学者・蓮杖那智等とは全く違った
歴史ミステリーで明治の話なので
漢字が馴染みのない字が多くてとても読みにくかったですし
内容も難しかったです
「なんとかならんかなあ」が口癖の能海の用便所の話から始まり
純粋に仏教を学ぶ為にひたすらチベットを目指す能海の思惑とは
違う所で戦争の為に各国がチベットと
同盟を結ぶためのビッグゲームに巻き込まれてゆくラストは切なくなります
山の民や阿片で商いする者や一癖も二癖もある登場人物が沢山出てきて
面白かったです