『どの一編もごく日常的な観察の中から、
不可解な謎が見いだされる。
本格推理小説が謎と論理の小説であるとするなら、
殺人やことさらな事件が起こらなくとも、立派に作品は書ける。
勿論、これは凡百の手の容易になし得るものではないが。
北村氏の作品は読後に爽やかな印象が残り、はなはだ快い。
それは、主人公の女子大生や円柴師匠の、
人を見る目の温かさによるのだろう。』 鮎川哲也
解説にも書いてあって思わず笑ってしまったのですが
私もつい最近まで北村薫氏を女性だと思ってました。
殺人事件もなく血なまぐさい所が一つもなくても
人の行動を推理して謎を解いてゆくことに
見事にはまってしまいました。
作品が古いのでテレフォンカードとか
待ち合わせに遅れて
「待ったぁ?」
「年とっちゃったよぉ」
と言う台詞で時代を感じて苦笑いしてしまいました。
北村氏の作品は今まで読んでなかったけど
「ターン」はDVDで観ました、
シリーズで「夜の蝉」「秋の花」「六の宮の姫君」を
読んでみたくなりました。