先日、テレビ朝日で再放送された
松本清張生誕100周年スペシャルドラマ「疑惑」を見た
最初は期待していなかったが、
見ていたら、これが素晴らしい作品で
ついつい最後まで見てしまった次第
主演の田村正和も
悪女役の沢口靖子も
記者役の室井滋も みんなよかった
何が素晴らしいかというと、
きちんと「人間」が描かれていたところ
弁護士とか
稀代の悪女とか
辣腕記者といった記号ではなく
それぞれの心の内がきちんと描かれていた
物語は…
ある夫婦の乗った車が海に転落。
妻だけが助かるが、
夫に数億の保険がかけられていたことが判明し、
「保険金殺人」が疑われる。
しかも、この妻が前科4犯の元ホステスということで、
裁判前から「有罪!死刑へまっしぐら」という雰囲気。
マスコミから鬼クマとあだ名された妻、
鬼塚球磨子は無罪を主張するが、
果たして弁護士は無罪を立証できるのか…
ドラマでは
鬼クマの人生が丁寧に描かれていて、
「この人はどうしてこんなにつらい
人生を歩まなければならなかったんだろう」と思ったが、
そんな彼女に弁護士が一言
「空には虹が何度でもかかる。
あなたの人生の虹も一度きりじゃない」
な、なんと素晴らしい!
そうだ、負けるなクマ子!
実はこのセリフを言った弁護士も
つらい過去を抱えていて、
だからこそ胸にしみるセリフ
さらに、ラストで弁護士が独白
「でも俺はあの日から一度も虹を見ていない」
この弁護士にも、ぜひもう一度
虹を見てもらいたいものだと思ったら、
このドラマが連ドラになるとのこと
人間的な魅力があったから、
やっぱりみんな「また見たい!」と
思ったんだろうね
普段は物静かで知的な雰囲気なのに
たまに「バカヤロ」とつぶやく、という設定もイイ!
キャラが立ってるって、こういうことだろうなぁ
久々に感動したので
『疑惑』三昧を決め込もうと、
かつて映画化された作品と原作をチェック
いや~、驚いた!
ドラマと全然違う!!
原作は純粋にミステリーで
人間性というよりも謎解きに終始
むしろ心の内を丹念に追われていたのは
スクープを狙ったばかりに破滅していく記者のほうだった
そして映画は…
クマ子が本当にものすごい悪党だった!
鬼クマ=桃井かおり、弁護士=岩下志麻 という
キャスティングは絶妙だったのに、
2人の心の交流とか葛藤とか
あんまり描かれていなくて残念だった
もうちょっと、がっぷり四つに組んで
激しく闘ってほしかったなぁ
とはいえ、それなりに対決シーンはあるし、
若い頃の岩下志麻がものすごいキレイなので
一度見てみるのもいいと思う
あと、鹿賀丈史も若くてスッキリしててびっくりした!
おバカなチンピラ…でも憎めない!
という役柄を好演していたので
個人的に助演男優賞を差し上げたい
というわけで
「疑惑」という作品が素晴らしいのだと
思い込んでいたのだが、
素晴らしいのはドラマの脚本化・竹山洋さんだった
原作があるドラマや映画でも
やっぱり脚本家の力は大きいのだ、と
あらためて思わされたなぁ
脚本家のみなさま、
これからも胸を打つ作品を
どんどん作ってください!
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