■外観



  MSX1用ROMカートリッジ東芝《日本語ワードプロセッサ漢字君》。製造後20年以上経過していたが無事起動しました。



■PCへ装填

 今回使ったパソコンはナショナル(パナソニック)ワープロ・パソコンFS4700。昭和61年製造でMSX2マシン。カートリッジ接点が経年劣化でうまく動作しないことも。撮影時はカートリッジを無事認識してくれました。




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■初期画面



 初期画面はこの通り。このソフトを使うのには当然漢字ROMが必要になる。標準装備された機種はワープロパソコンと呼ばれる機種とソニーの一部機種に限られていたと推測されるので、2つのカートリッジがそろって初めて使えるソフトです。





■文章作成画面



 至ってシンプルな作成画面。テキストエディタから、文字列の移動複写(コピー&ペースト)機能を抜いた内容だ。表示は16ドット×16ドットフォントが15文字×6行とシステム用1行、8ドット×8ドットフォントのモードとカーソル位置表示が1行。






■にちを単漢字変換したところ(左)、きを単漢字変換したところ(右)

 MSX1ではかな入力にはローマ字入力が標準装備されていなかったため、このソフトではそれができるようになっています。MSX2からはシフトを押しながらかなを押せばローマ字入力ができるようになっているため、特にかな入力指定のファンクションキーを押す必要はありません。



 漢字変換、倍角指定などはファンクションキーで行う。このソフトがでた頃に編集長が買ったシャープの8ビットパソコンMZでも、ファンクションキーを使って、漢字変換、編集をするソフトだったので、当時はこれが主流であったと思われます。

 漢字入力は単漢字変換/JIS第1水準漢字の代表的な読み(音読みが基本)と、熟語変換である。熟語は最初からカートリッジに内蔵しておらず、あとからユーザが登録しカセットテープに保存。次回使うときはそれから読み込みます。




■文章を入力したところ



 このソフトは40行×200行の固定となっており、初期の東芝ワープロ専用機の文章作成機能をMSXに移植したものと考えられます。東芝のワープロ専用機ポータブルモデルは、書式設定については1ページ何行にするかの項目はなく、ユーザが改ページマークか、行書式で改ページ指定をするという手動設定でした。印刷設定画面を見ればわかります。



■印刷設定画面



 作成した文章はカセットテープで保存のみです、FDに吸い上げてWinsdows上で編集することができません。今では実用には耐えられませんが時々通電して過去の作品を眺めることにしましょう。