先日(3月20日)の日経に「マイナス金利 動かぬ短プラ」の見出しで記事が掲載されていました。

日銀のマイナス金利政策が導入され1か月以上経過しても 主要銀行の貸出金利の基準の一つである短期プライムレートが下がらず、短プラ連動で金利を決める融資が多い中小企業には金利低下の恩恵が届きにくい。そんな内容です。

短プラ・長プラといっても、一般の方には理解出来ないことが多いと思います。新聞の記事を書いている記者も理解されていないように感じました。

短プラとは短期プライムレートの略で、

短期プライムレートは短期(1年以内)の貸出の最優遇基準金利のことです。

長プラとは長期プライムレートの略で、

長期プライムレートは長期(1年超)の貸出の最優遇基準金利のことです。

短プラ・長プラは期間別の貸出の最優遇基準金利なのですが、ここに単純でない要素が一つあります。

それは長プラが二つあることです。

一つの 長プラは 5年物の利付金融債に 0.9%を加えて算出されます。

銀行は預金を集めて貸出しています。その預金は1年以下の期間が大半です。そのため、1988年12月まで長期貸出の基準として、長期信用銀行が発行する5年物の利付金融債のレートを便宜的に活用していました。
(現在は みずほコーポレート銀行の5年物利金債を基準にしています)

もう一つの 長プラは 短プラ連動型の長プラです。

銀行の調達は短期の預金です。

そこで、預金金利(市場金利)を基準に 短期プライムレートを決定しており、市場金利の代表として期間3か月のライボー(Libor ロンドンの銀行間取引金利)を使っていると言われています。
(短期プライムレートは3か月ライボー+1% と言われています)

短プラを決めたうえで 長期の期間に応じて(期限の利益 長く使えるということ)金利を上乗せしたものが「長プラ」です。短プラが導入された1989年1月以降、これが、中小企業向けの貸出や変動型の住宅ローンの基準金利として利用されています。

銀行では 前者の長プラを「旧長プラ」、短プラ連動型の長プラを「新長プラ」と呼称しています。

記事では短プラ連動型の長プラ「新長プラ」が利下げされていないと言っていますが、現在の3か月ライボーは おおよそ 0.5%台で推移しており、算出規準からいえば下がらなくて当然の状況です。

なお、Libor に関連して Tibor(トウキョウ インターバンク オファード レート 
東京の銀行間取引レート)もありますが、短プラ導入当時の取引量の規模が大きいLiborが基準となっています。 
 
説明は以上ですが 混乱に拍車をかけてしまったでしょうか?



Liborという基準はありますが、預金金利はほぼゼロに近い状況です

都銀や地銀は 1%の利ザヤがあれば利益がでる状況にあり

個人的には 短プラを引き下げるべきだと考えています。