先日、法政大学でゲスト講師として講義をさせていただいたのですが、
数年前に 知人の大学教授が、
「一時に比べ女子大生のファッションが質素になったような気がする」
そんなことを言っていたのを思い出しました。

「一時が比べ」の「一時」がいつを指しているのか分かりませんが、
確かに、教室に集まった 200名ほどの学生のうち、
20~30%は女性でしたが、特に華やかさは感じられませんでした。

学びの場にファッションの話でなんですが
それも昔の記憶で うつろなものですが・・・
私が学生であった 昭和40年代に比べても 地味かも
そんな気がしないでもありませんでした

どうしてだろうと考えてみました

思い当たったことは二つ

<以下は東京の私大(東京私大教連中央執行委員会)が2014年4月に入学した新入生の家計負担の調査結果です。>

一つは 景気低迷の中で「奨学金」を利用する学生が増えていること

奨学金を利用している大学生は 
大学学部で    52.5%
大学院修士課程で 60.5%
大学院博士課程で 66.2%

大学生の半分以上が 奨学金を利用、
博士課程では 3人に2人 が利用しているのです。

そして、もう一つの理由は

同じ調査の結果ですが、親からの「仕送り」の減少です。

仕送り額の平均月額は
1994年は 12万4900円
ここをピークに年々減少し
2014年は  8万8500円にまで低下、過去最低額を更新したとのこと
月12万4900円は 年間149万8800円
月8万8500円では 年間106万2000円
この差は なんと大きなことか

8万8500円の仕送りから
家賃を除いた 1日当たりの生活費はわずか 897円なのだという

生活費を穴埋めするために
アルバイトは不可欠

そしてアルバイトが不可欠という足元を見透かした
ブラック企業が サービス残業を強いる

書いているうちに 悲しくなってきました

リクルートの季節になると
女子大生が 黒の上下のスーツに身を包んで
就活にいそしんでいます

制服のようで、もう少し服装の自由であっても・・・
そんな風にかんじていましたが
考えを改めます

黒の制服は 厳しい経済環境ののなかで
コストを考えた 最良の選択・・・・

・国は 私学を含めた大学への補助金を増加させる必要がある
・奨学金は 返済のない 給付型を増やす必要がある
・金融機関は 教育ローンの金利を見直す必要がある

女子大生のファッションからそんなことを感じた次第です

学生の皆さん ファイト