
臨床美術を学んでいると、
絵を上手い下手で考えるようなことはしません。
絵を描くためにどのような材料や手段を用いるのか。
そして、その題材を視覚だけに頼らず、
嗅覚、聴覚、味覚など、様々な感覚を研ぎ澄ましながら
感じたことをいかに素直に表現するかが肝です。
感性を育みながら点や線で描いていくこと、
強弱によって表現していくことが臨床美術の基本です。
今回は、りんごを例に挙げたいと思います。
臨床美術というのは、感覚がすべてです。
上記のりんごは、オイルパステルを用いて
じっくりと描いたものです。
どちらかといえば記号的なもので、
誰がみてもりんごだとわかる画です。

こちらのイラストはどうでしょうか?
実は、これも私が「りんご」をテーマに描いた
りんごの絵です。
「え、これのどこがりんごなの?」
そう思う方々も多くいらっしゃるかもしれません。
しかしながらこのりんご、
描く直前まで、数十秒間、匂いを嗅ぎ、
そして実際に口にしております。
そして、そのときに感じた匂いや食感を感じながら
オイルパステルを持ち、描いています。
そうすると、自分が思っていた以上に
そのりんごの色味や膨らみ、下地にのせる色味などが
はっきりとみえてきます。
つまり、最初に挙げたりんごの絵よりも
じっくりと「りんご」と向き合い、
そして感性を研ぎ澄ませて描いたのです。
これが、臨床美術の醍醐味です。

最後におまけです。
ちょっと寂しいときを表現してみました。
いかがでしょうか?
なんだか、本当に寂しそうですね(笑)