霜月の鯉のぼり、福島を泳いでおくれ。霜月ではあるが、鯉のぼりは泳ぐ。泳ぎたいときに、悠々と泳ぐのだ。鯉のぼりも、自由を求めている。父は風にのり、先頭を。母は、父に沿って泳いでいく。子は、そんな父と母の背中を眺めながら淡々と「泳ぐ」ことを楽しんで。泳がされているのではない、泳ぎたいところを泳ぎ回るのだ。そして子はやがて大人になり、霜月だけにとどまらず。あの皐月に向かって風を誘うよう。