
②すると、この写真の木の背景から人声や蝉の声が聞こえてくる場合があります。

クレショフ 効果
私の好きな視覚表現の手段のひとつに、
クレショフ効果と呼ばれるものがあります。
意外に知られていないかもしれませんが、
おそらく誰もが体験している感覚です。
クレショフ効果というのは、
映像において例えば二つのシーンがあったとします。
それを前後の組み合わせとしてつなぎ合わせたとき、
前の映像によって、後の映像を無意識に
なんらかの意味を自分なりに解釈してしまう効果です。
例えば、冒頭で2枚の写真を並べました。
①は、都内で人が集まっている写真。
②は、道端に添えられている木。
①の写真の風景や音をイメージしながら
10秒間ほど眺めてみてください。
その後、②をゆっくり眺めてみます。
そうするとどうでしょうか。
どこからか、その人のざわざわした声や
蝉の声などが木の背景から聞こえてきます。
では、次に下の③、④の写真についてです。
③は海辺をゆったりと散歩する親子。
④は②と同じ道端の木です。
③下の写真の風景や音をイメージしながら10秒眺めてみてください。

④すると、②の木よりも涼しさや静けさを感じる場合があります。

まずは③の波音や親子の会話をイメージしながら
10秒間ほど眺めてみてください。
その後、④の木を眺めてみるとどうでしょうか。
②の木のときよりも
涼しさや静けさを感じることができます。
個人差もありますが、見る人によっては
イメージの仕方次第で温度や匂いまで
感じてしまう場合もあります。
クレショフ効果は映像の効果として
用いられた方が実感しやすいのですが
意識的に取り組めば映像だけに限らず、
今回の写真のように、写真の効果としても
十分に手段を用いることができそうです。
クレショフ効果