俺は、運良く相撲取りになった。
四股名を桜吹雪という。
「おい、桜吹雪、なんだってー蹲踞(そんきょ)すると尿意をもよおしやがるんだ」
「へぇーそれが自分自身もわからんのです。幼い時より、しゃがんだり、屈んだりすると、尿意を感じて、尿を垂れ流してしまうんです。」
「そんなんじゃー相撲取りになれねぇーおめぇーなんかとっとと、どっかいっちまえー!」
「へ、へい・・・」
俺は、蹲踞出来ないから相撲取りを首になった
飛べない相撲鳥は、相撲取りではないのだ。
俺は、この就職難といわれている中で運良くコンビニのバイトになることが出来た。
付いたあだ名が関取だ。
「おい、関取、なんだって相撲の世界やめちまったんだい!」
「・・・」
「そーかい、あんまり言いたくないのかい。まぁー厳しい世界だからなぁー」
「店長、相撲の世界をご存知なんですか?」
「おーおー!知ってるも何も、あの横綱 大砂嵐は、俺のマブのダチよー!」
「マブのダチですか・・・」
「ノブのダチでもあるよー」
「はぁーノブのダチですか」
「おー!よく小さい頃は、遊んだもんよー」
「そうなんですかー」
「まぁー今となっては、なかなか連絡取ることもないけどなぁー」
「そういうもんですよねー」
「あぁー片や天下の大横綱で、片やしがないコンビニ店長よー」
「そのどちらにもなれない俺は、なんなんですかねー」
「えっ!」
「いやねーそのどちらにも成れなかった俺は、なんなんですかねーって話ですよ」
「バアーロー!おまえさんいくつだい?ひよっこだろ?」
「23です」
「23で、世の中の何を知ってってんだい!右か左か?はたまた、下か上か?能書きたれる前に経験しろってんだい!」
「あのーもしかして、怒られてます?」
「おうおう!事件は、ここで怒ってます!ってかーwわははは」
「・・・」
「おい、あそこでお客さん品物取れなくて困ってるみたいだぞ!関取おまえいってこい!」
「は、はい・・・」
「どうかなさいましたか?」
「えっとー、わたし腰が悪くてねぇー下にあるお菓子取れないのよー!取っていただけませんかねー」
「えっ、あっはい」
俺は、しゃがんだ為に突然の尿意を抑えきれずコンビニのバイトをクビになった。
1日分の給料袋が手渡された。
給料袋には「関取くんへ」と、達筆な字で書かれていた。
俺は、しゃがまなくても、屈まなくてもいい職業を考えた。
そうだ!京都に行こう!
いいや、そんなお金はない。
ソーダ!クリームソーダ!
いいや、別にそんなに飲みたくない。
メロンソーダは、見た目美味しそうだけど、飲んでみるとそーでもない。
まるで見た目を着飾った女を深く知ったとき、その中身の薄さに驚愕するあれに似ている。
今、俺は、ジャガイモを煮ているのを思い出した。
俺の3つ上の姉はジャガイモみたいな顔しているんだけど、父に似ている。
乳も父に似ている。モー。
良く晴れた空の真下、僕らは遥かな未来を目指しました。
俺は、パソコン業務に携わることをした。
パソコンの資格を取るために2年間まじめに学校に通い
その通ってる間に友達に付けられたあだ名は「肉饅頭」となった。
ちなみに、肉饅頭が一人歩きして、いつの間にか「肉魔獣」となっていたのを僕は知っている。
その頃、ちょうど流行っていたのは、「そばにいるよ」という曲で
俺は、良くその曲を聴きながら、家に遊びにきた友達によく
「蕎麦を煮るよー」
と、声をかけたものだ。しかも、蕎麦の側で。
なんとかかんとか、うさんくさいIT企業に就職出来る事ができて、
25歳の僕の人生にもよーやく兆しが見え始めたと思えた。
その頃のあだ名は「満腹おにぎり」だった。
よく、おにぎりをお腹のリミット限界まで食べていたから、そんなあだ名になったんだと思う。
そのうち「満腹」の部分だけが残り、社内では「満腹さん」と呼ばれた。
ここで、人生で初めて恋に落ちる。
学生の頃、帰り道に大きな穴が作られていて、そこに落ちた以来の衝撃だ
これが万有引力か!
女の子の名前は「ウルフさん」それ以上のことは、知らなかった。
なんでも、巨人のウルフ高橋に似ていた為にウルフさんって呼ばれていたらしい
あっ!それ以上のこと知ってる俺・・・えへへ。コレが恋ってやつなんだな。
あんまりにも、愛しくて愛しくて
とりあえず、どう表現していいのか分からなかったので
食べた。
『ウルフを食べてお腹満腹』
これは、我が一族の家訓になる言葉である。
何がどうしたかわからないけど
俺は、会社をクビになった。
ちょっと、むかついたので
駅前の売店でお弁当を3個買ってやった
2つは、お腹に入れたけど、もう1つは、焼肉を食べ終わったばかりの
サラリーマン風の男をとっ捕まえて、無理やり食べさせた。
もうなんていうか、見ていて気持ち悪くなったので
2万円ほど、払ってもらって帰ってもらった。
これはいい商売だ。商売マネー!
今、俺は宇宙にきている
正確にいうと、夜寝ていたら宇宙人たちに身体検査されていて
あれよという間に、宇宙に飛びだしてしまった
しかも、お腹が空いたので、宇宙人を食べた。
うーん。困った。どうやってこの宇宙船を操縦すればいいんだろう。
考え事をしていると、昔のことを思い出す。
俺は、今疑問に思っている。
俺の名前はなんだったんだろうと。
肉魔獣。
が、なんとなく気に入っているので
とりあえず肉魔獣でいいか。
ご飯には、明太子が好きなんだぜ
麻婆豆腐は、飲み物だ
美味しいのは、舌と脳の騙し合いだ!
好きも嫌いも味覚で表せれるなら
あんたそいつ食べちゃいな!
栄養は脳みそで取るんだ!