私は結婚相談所に3度も通っている。
1度目のお見合いは、相手の方の容姿と財力と人柄に惚れてお見合いした。
結果は、散々だった。
女が男を選ぶシステムが強い結婚相談所なのに
男性側からの要望に私の全てが当てはまらなかったのが原因らしい。
2度目のお見合いは、相手の容姿と財力に惚れてお見合いをした。
1度目のお見合いとは違い、どちらもお互いを気に入った感じで
1回、2回とデートを重ね、結婚にまでいたった。
しかし、結婚して間もなくケンカばかりの日々が続いて
1ヶ月のしないうちに姑に
「ウチの息子の嫁に相応しくないわ!!」
という、昼ドラテイストの言葉でさよならの引導を引き渡された。
途方に暮れた私のミゾを埋めるのは、本当の誰かと再婚しかないと思い
3度目の結婚相談所に向かった。
3度目のお見合いは、ステキな容姿をもった私より10個くらい上の相手だった。
心に隙が出来ていた私は、なすがまま、されるがまま、その人に全てをささげた。
すぐさま子供が出来てしまい、その人と再婚した。
再婚してすぐに、ステキな容姿の彼は、ギャンブル三昧で
全く生活費を運んでこないばかりか、私に暴力を振るった。
殴られていると、もう痛いを通り越して、気持ちよかった。
あの人が捕まってから3年が経ち
ようやく私も落ち着いてきた。
得たものと失ったものはなんだろうか。
失ったものは、大きなお腹かな・・・。
得たものは、きっと容姿だけでは人は判断出来ないってことかな。
そー思って、私は4度目の結婚相談所に向かうのであった。
「すみません!今度は、顔が見えないようにお見合いできませんか?」
「えっ!顔が見えないようにお見合いをするんですか?」
「えぇーそうです。私の方は見えても構いませんが、お見合いする男性のお顔は見えなくしてもえませんか?」
「んーむ。あなた無茶苦茶なお願いしますねー。」
「私、気がついたんです。結局、容姿で選ぶから失敗するんだって」
「んー。失礼ですが、それだけが原因とは思えないんですがねぇー・・・あっすいません。」
「あなたハッキリいいますね・・・」
「はぁ・・・」
「いや、とにかくですね!顔の見えないお見合いお願いします!!」
「はぁ・・・わかりました・・・なんとかしてみます・・・」
「お願いします」
それから10日後の朝に電話があった。
「あのー。実は、顔の見えないお見合い3対1になったんですが、よろしいですか?」
「えぇー3人一気にですか・・・」
「はい。」
「はぁー。・・・あの!お顔は見えないようにお願いしますよ」
「はい!それは大丈夫です」
私は、急いで支度してお見合い会場へ向かった。
まず1人目の人です。

「このやろー!ベルトは渡さねぇーぞ!このやろー」
私は、恐る恐る1人目の男性に聞いてみた
「すいみません・・・お顔を見せないでって頼んだんですけど、どうしてもお顔を拝見したくなってしまいました・・・」

「なに撮ってんだよっ!」
ぎゃーー!!
次は、2人目の人です。

「屁のつっぱりはいらんですよ」
私は、恐る恐る2人目の男性に聞いてみた
「すいみません・・・お顔を見せないでって頼んだんですけど、どうしてもお顔を拝見したくなってしまいました・・・」

「やぁ!これが素顔のキン肉マンの顔だよ(ゆでたまご(嶋田先生)は読者ひとりひとりのイメージを壊したくないのでこれは数々の単行本からヒントを踏まえて法廷画家が書いたあくまで参考だそうだよ)」
わーわー!
次は、3人目の人です。

「やぁ!ミルコ・クロコップに蹴られたドス・カラス・ジュニアだよ」
私は、恐る恐る3人目の男性に聞いてみた
「すいみません・・・お顔を見せないでって頼んだんですけど、どうしてもお顔を拝見したくなってしまいました・・・」

「はっはっはっ」
やぁぁっぁあーー!
近づいてこないでぇぇぇーーーー!!!

「はっはっはっはっはっはっ」
いやぁぁぁぁーあーー!!
近づいてこないでぇっぇえーーー!!

「はっはっはっはっはっはっはっはっはっ」
いやぁぁぁぁーあーー!!

「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ」
Massive Attack-Fatalism (Ryuichi Sakamoto & Yukihiro Takahashi Remix)2010