2011年7月27日

 本日、御霊神社において慰霊祭を行ないました。これは、当院に培養リンパ球を遺してお亡くなりになった患者さまのお心を慰め、お体の一部であったリンパ球を、責任をもって処理させていただくために、行なっているものです。遠方から参列してくださったご遺族もおられ、胸が熱くなりました。標準治療として抗がん剤治療を尽くされた挙句、「もう、打つ手はないから、緩和治療を」といわれ、当院を受診される患者さまが数多くいらっしゃいます。その方々の中には、私がお勧めしている免疫活性化血管内治療すら受けることができず、活性リンパ球治療に望みをたくし、それすら、入院先の担当医が同意してくれないということで投与できずに、その機会を待ちつつ亡くなられてしまう方もあるのです。様々な事情で折角のリンパ球を残されて逝かれた方々、お一人お一人を偲び、リンパ球治療とは関係なくとも、私が治療させていただきながら、お亡くなりになられた患者さまの在りし日を偲び、困難なガンとの闘いに、決意を新たにして慰霊祭を終えました。国のがん対策基本法が平成19年に施行されて、以前に比べれば、がん治療の現場は改善されつつあります。しかし、抗がん剤は、白血病、悪性リンパ腫などの血液のがん以外には殆ど効かない。強い毒性で、一時的にガンが縮小しても、同時に健全な細胞を傷つけ、いずれは再燃したがんの勢いに抗がん剤で痛めつけられた体が負けてしまう、こういう例がいかに多いか。或る人いわく、術後再発したその方のお母様に、主治医は「抗がん剤が効くのは10人に一人」といいつつ投与し、結果、無効だったということです。10人に一人にしか効かない毒性の強い薬剤を、治療として投与することが、国が認めている標準治療なのです。手前味噌ながら、わたしが行なう免疫活性化血管内治療は、少なくとも2人に1人は有効で、正常細胞を障害することはありません。しかし、保険適応にならない。臨床試験をクリアーするには、大きい壁があります。製薬会社は、すでに特許のきれた薬剤への今更ながらの投資には及び腰です。また、血管内治療が、医師個人の技量に左右される職人技で、結果が異なることも影響しているかとは思います。この治療がコンセンサスを得る為に、標準治療から見放された患者さんの「ガンがあっても元気」を実現させるために、治療を続けエビデンスを重ねていくことが肝要と考えています。一般の先生方のご理解を得るために、次回の癌治療学会総会、そしてJDDW(日本消化器病学会週間)の大会にて当院の治療成績の学会発表を予定しています。これからも、ガンと戦う方々に最後まで寄り添うことができるよう、努力したいと思います。




CSクリニックのブログ

東日本の大震災からはや二ヶ月が過ぎました。ブログの更新も、大震災でストップしておりました。あまりの大惨事に、テレビの画面を見るごとに、驚きと衝撃でブログを書く元気もなくなってしまいました。

被災された方々及びご家族、知人の皆様は、特別に強いショックを受けられたと思います.。ほとんど影響のなかった関西の人間でさえ、胸つぶれるような強い衝撃がありました。亡くなられた方々には衷心より哀悼の意を表したいと思います。また、避難生活を送られている方々は、一日も早く安心な生活を送って頂けるようにお祈り申し上げます。


当院の患者様も、これまで癌病巣がうまくコントロールされて全く元気に過ごしておられた方で、再発してしまうという方がいらっしゃいました。もちろん、免疫活性化血管内治療で、すぐ元気を取り戻されましたが、遠方にいても同じ日本で衝撃的な画像を目にすると、精神的ショックを受けられ、免疫力を落とすストレスがかかったようです。やはり、精神的ストレスが免疫力を落とすということに深く関連しているということを痛感しました。「少々、いい加減」で、「頑張りすぎない」ことが、現代社会では、大切だと思います。





大寒(だいかん) は一年で一番寒さの厳しい季節です。逆の見方をすれば、これからは暖かくなると言うことで春はもう目前であるのですが、日本海側は大雪に見舞われ、日常生活に支障をきたして大変なことになっています。大阪は雪の降らない地域ですが、空っ風と寒さには参っています。乾燥注意報が出され、インフルエンザウィルスが空中に舞いやすい状態が続いています。これからインフルエンザの患者様が増えていくと推測されます。湿度が高いとウィルスは水分に吸着され、地面に落ちてしまいますが、乾燥しているとウィルスは空中に浮いた状態でいつまでも浮遊しています。風に乗って飛散して、鼻粘膜に直接付着したり、ウィルスが付着したものが手に触れて、そのまま口から体内に侵入したりします。外出から変えられたときには、よく手を洗い、うがいをしてウィルスを排除しましょう。このウィルスの細胞内に簡単に侵入する性質を利用したのが、遺伝子治療です。


治療法シリーズの続きです。



治療法シリーズ 9: がん治療の『遺伝子血管内治療』

アデノウィルスをつかった遺伝子治療です。NIHホームページより引用しました。ウィルスが簡単に細胞膜と癒合し、細胞内に侵入し、細胞核へと運ばれていく模式図です。

CSクリニックのブログ

癌抑制遺伝子の一つといわれるp53遺伝子がアデノウィルスの中に封入されています。細胞内に入り、細胞核に侵入すると、遺伝子の働きにより癌の増殖が抑制され、がんが縮小し、症状が改善されます。感染力が強いので腫瘍にできるだけ近づいて、カテーテルを腫瘍血管に挿入して、そこだけに遺伝子を注入すれば、正常組織や臓器にできるだけベクター(運び屋さんのアデノウィルスのこと)を接触させず、高価な遺伝子を効率的に使うことができます。p53遺伝子からp53蛋白が発現し、細胞が分裂できなければ腫瘍は増大することができなくなり、死滅します。p53遺伝子は『血管内治療』で導入するか、または針を刺して導入するか局所療法でしか効果は期待できません。点滴で入れると病巣部に到達する前に血管壁や、正常細胞に取り込まれ、消失してしまいます。いかに上手に遺伝しを注入するかが、治療効果の分かれ目となります。点滴で静脈から投与しても、最初に到達する臓器は肺で、肺の上皮細胞にすべて付着してしまうと思われます。