うつぼ公園のさくらの季節が過ぎ、さつきが咲き始めました。

しばらく、このブログをお休みしていましたが、免疫治療についてお話をしたいと思います。

免疫とは、細菌やウィルスなどの微生物による外からの攻撃や、「がん」による内からの破壊からからだを守る生体のしくみをいいます。1796年に、イギリスでジェンナーが、天然痘のワクチンを実施したのが免疫治療の始まりで、200年後の1979年に、世界保健機構(WHO)がワクチン接種による天然痘の撲滅宣言をするに至りました。当時は死に至る恐ろしい感染症との闘いから免疫という概念が生まれ、200年の歴史を経て多くの感染症に打ち勝つことができるようになりました。

しかしながら「がん」との闘いは近年始まったばかりで、これからの発展を見守る必要があります。自然の治癒力をもって病気を治すのが身体にとって最も好ましい治療法です。副作用が無く安全な治療法といえます。

ではなぜ「がん」との闘いは最近までできなかったのでしょうか?

それは免疫のしくみが自分であるという「自己」と自分のものではないという「非自己」とを区別することから始まっているからなのです。自分のからだと他人のからだを区別する働きを持っているのです。

自分の身体の「自己」と細菌などの外敵の「非自己」とを区別することは容易であるのですが、身内から出たさびである「がん」というものは「自己」の一部であるため、その違いを区別することが容易ではありません。がん細胞は毎日、1000個から多い人で4000個からだの中にできているといわれています。これを免疫細胞は毎日、「本来の自分の細胞ではない」として取り除いています。免疫の大事な仕事のひとつです。

遺伝子学や免疫学の進歩により「がん」を認識するしくみが最近、解明されてきており夢の「免疫治療」というものが現実のものになりつつあります。これから、癌の免疫療法をより理解していただき、皆様方の「がん」治療の一助となるように、免疫のしくみと各種の癌免疫療法をわかりやすくお話したいと思います。すこしでも皆様のお役にたてることができれば幸いです。


12月11日に大阪大学の総長就任記念祝賀会に招かれ参加しました。総長とは大阪大学のトップで医学部のみならず全ての学部を統括する責任者で、理学部、工学部、医学部などからひとりだけ選出されます。どの人物が総長に就任するかで、大阪大学の研究内容が影響を受けるのは自明の理です。
CSクリニックのブログ



今回、総長になられたのは平野俊夫先生で免疫学の大家であり、私の先輩でもあります。大阪大学は免疫学においては世界のトップを走っていて、代々の総長に山村雄三先生や岸本忠三先生の免疫学の進歩に貢献された先生方が医学部から登用されています。


この総長就任記念祝賀会に招かれたことは私にとっても光栄なことです。祝賀会参加者は、文部科学省事務方トップの政務次官や東京大学の先生方、建築家の安藤忠雄氏などの多彩な顔ぶれで、祝辞も興味深く面白く拝聴しました。




私が今、免疫治療を行い好ましい成績を得ているのも、学生時代から世界の最先端の免疫学を勉強できる環境に恵まれていたからだと感謝しています。また、今秋の「日本消化器関連学会週間」で優秀演題賞を頂くことができたのも、大学で受けた薫陶と無縁ではないと思います。しかし、最新の免疫学は日進月歩で進化しており、勉強は欠かせません。敬愛する先輩平野先生の座右の銘、「倦まず、弛まず、只ひたすらに」を、私も心に刻み、このどんどん変化する新しい知見を学んでいく所存です。そして、それが楽しみでもあるのは、学生時代から培ってきた免疫の知識が基礎にあればこそと、思っています。




次回のシリーズは複雑な免疫を理解いただけるように、内容を噛みくだいて「解りやすい免疫学」を始めたいと思います。


CSクリニックのブログ

12


先週の土曜日、大阪大学・中ノ島アウトドア部・同窓会に参加しました。元は山岳部でしたが、いかつい名前では新入部員が集まりにくいとの意見が出て、2年前から名前がカタカナのソフトイメージに変更となりました。そのせいか同窓会には新人部員が4人も参加していました。かつての山仲間も中年真っ盛りながら、現役の山男共に交じり意気軒昂、活気あふれる楽しい集いでした。同級生の福澤先生は、先に、阪大病院病院長に就任していましたが、この度は、3年先輩の平野俊夫先生が、大阪大学総長になられたという、嬉しいニュースがありました。平野先生は、免疫学の大家で、私の研究分野とも関わりがあります。共に縦走し、山で苦楽を共にした仲間の活躍は自分のことのように嬉しいだけでなく、自身への良い刺激です。大阪大学の重鎮であるふたりを交え心ゆくまで語らい、明日への充電をたっぷりした夜でした。