一般的に上腕骨外側上顆炎のことを“テニス肘”と呼ぶことが多いです。その名の通り上腕骨外側上顆(図1)に炎症が起こる事で疼痛が発生します。テニスを行っている人で肘の外側に痛みを感じた事がある方は多いのではないでしょうか?
外側上顆炎の主な病態は手関節伸筋群付着部症(図2)と考えられており、その他には輪状靭帯損傷・滑膜炎・神経損傷などの合併症も含まれています。
その中でも“短橈側手根伸筋”(図1)という手関節を背屈・回外(図3)させる筋肉が疼痛の原因となることが多く、この筋肉はラケットを握る際に常時活動を強いられてしまう筋肉です。
そのために筋肉のoveruse(使いすぎ)が起こりやすくなってしまいます。テニスをする人が多く発症するためにテニス肘と呼ばれていますが、テニスをしていなくても肘の痛みで整形外科を受診した際にテニス肘と診断される人がいます。それは近年の運動不足とパソコンやスマートフォン使用による不良姿勢(猫背など)やタイピング時の手関節伸筋群への過使用なども重なり、肘の外側に疼痛が発生し、上腕骨外側上顆に炎症が起こっていることが疼痛の原因だからです。
症状の特徴としては、①物を持った際に肘外側に疼痛がある②手の甲が上を向いた状態で荷物を持ち上げると肘外側に疼痛が出る③雑巾やタオルなどを絞った際に肘外側に疼痛が出る④はっきりとした外傷がないにも関わらず、肘外側に疼痛が続くなどが挙げられます。
あくまでも目安ですが、テニス肘の重症例(テニス動作ではラケットを握っただけでも疼痛がある・日常では字を書く・箸を持つ際にも疼痛が有る場合)は復帰までに2カ月以上要してしまうこともあります。そのため普段からケアを行い、予防していくことが大切だと考えられます。
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