「アート」と「デザイン」の違いについて | コミュニケーションの学校 回覧板(錦糸町&両国&浦和)

「アート」と「デザイン」の違いについて

突然ではありますが「アート」と「デザイン」の違いはご存知でしょうか?

実は経験の浅いデザイナーも勘違いしがちな点で、
もちろん私にも違いが分からない時期があり、
自分の脳みそをアップデートできたと感じるまでには時間がかかりました。
それぞれ時代やジャンルにおいて変化や違いがありますが、
大まかな点をあげて説明をさせてください。

まずアートですが、ポイントとして
①自己表現であるという点
これは、誰かのためではなく自分の感じている考えている美学を
絵画や彫刻などを通して表現しています。
その美しさや世界観や技法までもがその人の個性そのものなので、
「感じられる」かどうかは受け手次第となります。
分かる人にとってはすごく価値が有り、とても幸せを感じられるものですよね。

②商業目的ではない
①のような美しさの他に、
「ゴミを再利用したアート作品」なんてフレーズを聞いた事があるかと思いますが、
「個人の美しさの追求」の他にも「新たな価値観の発見」という役割も持っていると思います。
基本的に身の回りにあるものは商業的なものではないでしょうか。
ただアートは商業的なものではありませんので、
商業的に目を向けられていないものに光を当て、
社会へ問題提起をしたり、新たな価値観を発見させてくれるのもアートの役割のひとつです。

次にデザインですが
①目的の達成のために存在する
何にたいしてもデザインという言葉が使われている世の中ですが、
おおよそ「とある目的を達成するために、設計・効率化すること」だと思います。
グラフィックデザインでは伝えたい事を文字の大小や、イラスト、写真、色などの要素を用いて、
いかに伝わりやすく設計するかが基本とされています。
自己表現とは対照的に、受け手の事を考慮して受け取りやすい形に情報の交通整理をしています。

②商業目的が主である
デザインをするという事は、受け手の事を考慮しないといけません。
古い話ですが「音楽を持ち歩く」ライフスタイルをデザインしたウォークマンだったり、
車でしたらライフスタイルに応じたラインナップが用意されています。
1960年代から「デザインは付加価値を与えるもの」とされ、
デザインは経済活動を拡大するために活用されています。
見た目のデザインと機能のデザインが相まって、付加価値となっているんですね。

大別して2つずつをあげましたが、実は他にも多くの点で違う点があり、
そして線引きがしづらい点、共通する点もあると思います。

私は義務教育過程では、この「アート」と「デザイン」の違いを教えてもらう事はありませんでした。
デザインという言葉がぐっと身近になった現代では、学校でこの違いを教えてくれてもいい気がしています。

実はこのテーマで検索すると多くのエントリーが出てきます、
ぜひ多くの意見を参考に造詣を深めていただければと思います。