勝ち負けの後の時代 | コミュニケーションの学校 回覧板(錦糸町&両国&浦和)

勝ち負けの後の時代

和をもって尊しとする。

日本人の心の根底に流れている考え方です。

最近は、不況だからか、勝ち組とか負け組とか、
そんなつまらないことを言う人もほとんどいなくなりました。

むしろ大手企業からNPOや農業などに転職する人も増えているとかで、
「平和ボケ」なんて前近代的なイライラ型の人間は言うかもしれないけど、
個人的には、すっげぇいい時代になりそうだ、と予感しています。

勝ち負けの嫌いな日本人は、案外、不況が好きなのかもしれません(笑)。

さて、先日、塩田剛三さんという合気道の達人を知りました。
ウィキペディアに詳しく出ています

「不世出の達人」と呼ばれていたぐらいだから、
まぁ、シャレにならないぐらい本当に強かったんだと思います。

そんな達人に、ある日、弟子が
「合気道で一番強い技は何かを教えてください」と聞いたそうです。

塩田氏の答えはこうでした。

「それは自分を殺しに来た相手と友達になることだよ」

この言葉は、自分にとっても衝撃でした。

合気道の真骨頂とは何なのでしょう。

武道を極めたこともない自分が言うのもおこがましいのですが、
「人間というものに対する深い理解」だと思います。
その力を極めた者が、一番強い。

相手を倒したいとか思っている間はまだまだ。
相手を敵だと感じている時点で、それはあなたの弱さだ、と。
そう教えてくれているような気がしました。

強い自分になるための第一歩は、どんな相手も受け止められる心。
その心とは、相手の立場を理解し、通じ合える=仲良くできるチカラ、
つまり、それはすなわち「コミュニケーション能力」なのです。

塩田氏は、ずっと弟子に対して「人が人を倒すための武術が必要な時代は
終わった。そういう人間は自分が最後でいい。これからは和合の道として、
世の中の役に立てばよい」と語っていたそうです。

“勝ち負け”や“優劣”から生まれるものは、膨大な「恐怖」です。
恐怖が世の中を覆っては、もう暗くって暗くって、やってられません。

てか、「強くなりたい」「負けたくない」「相手をやっつけたい」という
発想自体が、すでに負けなんです、その人の弱さなんです。

イライラしたり、理不尽なことを言ったり、虚勢や虚栄を張るような、
そんな恐怖に怯える時代は、もう終わりにしましょう、
いや、ぶっちゃけ、もうかなり終わりに近づいているんだと思いますよ。

今後は、貨幣経済が新しい段階に移行していくので、
グローバル企業と、NPOなど非営利団体が世の中の主役となり、
余計な公務員と国内大手・中小企業が衰退していく時代となると思いますが、
まぁその話はまたいつか。

合気道が日本から生まれたことを誇りに思います。