パパがホスピスに入って間もなく、遠方からパパのお母さんが来た。いわゆるお姑さん。

病院にずっと泊まって、パパの事を見ていてくれた。

お陰で、私も仕事に毎日行く事が出来たが、お母さんの身体が心配なのと、逆にパパと2人の時間は全く無くなったのと、色々と2カ月、悪い自分と、善人の自分との戦いだったのは確か。

何度もうちに泊まって下さい!
一度とんぼ返りして、休憩して下さいと言ってみたが、うちはこの子を看取るまで帰らんよ。
と、言い切った。

双子の兄もパパと同じ病気で他界した、

お母さんは、2人の大切な息子を亡くすのは、とっくに覚悟して、来ている。

若くして離婚し、2人の息子を育てあげ、そして亡くす。

こんな耐えられない事が、起きようとしているのに、私に、これから女1人で、生きていく覚悟を教えてくれた。

優しく強く。

同じ事を何度も話す母を、もう分かったって言いたい気持ちを抑えながら聞いていた時もあった。

葬儀のあと、家にはお兄ちゃんが待っとるけんと帰ってしまい、それからずっと連絡すら出来ずにいた私。

やっと、電話をした。
優しく強い声。

私はまだまだだ。
号泣してしまった。

大丈夫?
これは7年たっても8年たっても変わらないよ。
分かる?
自分の気持ちをわかってもらおうとしても、あかんよ。無理やけん。
だからこそ、強くならんといけんよ。
泣いとったら、子ども達が心配するけん、はよ笑わんね。

優しく強く言われた。
パパに言われてるみたいな気がして、しばらく泣いてしまった。

お母さん、本当にお疲れ様でした。
ありがとう。