我が家にテレビが来たのが昭和36年であったと記憶している。保育園(幼稚園の年中さんの歳)から帰ったら、テレビが来ていた。その時のうれしさは、幼いながらよく覚えている。それまでは、近くの幼馴染の家で観させてもらっていた。あの映画「三丁目の夕日」のシーンそのものである。あの映画は東京が舞台で、時代は昭和33年だったと思う。僕が育ったのは兵庫県の山の中の田舎であるから、当時なら東京より3年ぐらい時代が遅れていたということであろう。

 あのころのテレビ番組でよく覚えているのは、やはりプロレスと大相撲。一方のヒーローが力道山なら、もう一方のヒーローは若乃花であった。小さい体でとにかく強かった。動きが早かった。若乃花の取り組みになると夢中になった。テレビで若乃花を観れたのはあまり長くはなったようであるが、あの頃の大相撲がいちばんおもしろかった。

 若乃花が引退したとき、ものすごく寂しい感じがして、一時あまり大相撲は観なくなったように思う。したがって、僕の世代の大相撲のヒーローは、おおよそ大鵬ということになるのであるが、僕のヒーローは若乃花である。

 その若乃花が亡くなった。81歳という年齢からすれば関取としては長生きということあるが、寂しいばかりである。偉大な横綱、若乃花。ご冥福をお祈りいたします。