やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て
ほめてやらねば、人は動かず。
有名な山本五十六の言葉ですよね。
リーダーという役割の中で勘違いしているリーダーは、なぜかやって見せて、さらにやって見せて結果も出して「こやるねん」と言う。
そしてなぜか「自分ができる自慢」をちょこっと話すのですよね。
これでは部下は「あなただからできるんだ」となってしまいます。
魔法使いように、やってしまうリーダー。
やり方を見せて、その方法を伝えて、やらせてみるのではなく最後までやってしまう。
そして部下ができれば「できてあたりまえ」という評価をする。
こんな話しがあるんです。
営業の新人が数字が作れず悩んでいた。
それでも頑張りたくて「自分に足りない部分はなにか」を知りたくて先輩社員であるリーダーに「同行していただきたいのです。そして自分に足りない部分を教えていただけませんか」と言いました。
勿論、リーダーは彼のやる気を評価し「よし!行こう!」と快諾しました。
同行した日の夕方、私は新人営業の沈んだ顔が気になって声をかけたんです。
すると彼はこう言いました
「僕は自分の力で契約を取りたかったんです。今日訪問した先は三ヶ月かけて営業してきた先でした。先輩が話しをしてくださって契約になったので感謝をしているんですけれど・・・僕は自分で最後までやりたかったんです。見ていて欲しかったんです。」
私はその話しを聴いてリーダーにも話しを聴くことにしました。
「契約取れたんだね」
「はい!おかげさまで!!うまく契約までできました!」
と、意気揚々と答えてくれました。
そして
「これで彼の数字も達成できたし、本当に同行してよかったです!」と言いました。
私は彼にこう言ったんです。
「それって、誰のため?」
「え?もちろん!彼のためですよ!数字達成できたんですから」
「そうだね。でも、その数字は誰が作った数字なの?」
「僕ですよ~!僕が同行して契約できたんですよ。」
これでは「彼のため」ではなく「技自慢」ですよね。
してあげた、だから彼は数字ができた。だから彼は喜んでいる。
そう思っていたのでしょう。
しかし実際には新人の彼は非常に悔しい顔をしていました。
自分の数字は自分で作るものだからこそ、リーダーに同行を依頼して不足している部分を教えて欲しかったのですから。
やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て
ほめてやらねば、人は動かず。
やらせて見せること、そしてほめることで人は更に成長しようとするものですよね。
そしてこの言葉には先があるんです。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
任せるということの大切さ。
失敗することを見守ること。これも忍耐ですが大切です。
リーダーは魔法使いになっちゃいけない。
リーダーができるのは、あたりまえ。
でも、その自分があたりまえにしていることを部下に説明できるだろうか。
そして任せてやらせ、それを見守ることができるだろうか。
人を育てることができるリーダーは答えは言わない。
ヒントをたくさん与え、考え行動させる。
リーダーとしての在り方。
勘違いしてはいけないですよね。