Appleの10月~12月の決算が明らかになった。


純利益が0.1%増の130億7800万ドル、売上が18%増の545億1200万ドル。


新聞の論評は、横ばいとなっていた。


確かに、売上の伸びが18%に対して、純利益の伸びが0.1%(つまり伸びていない)だから、この論評に間違いはない。


しかし、売上に対する利益率は、なんと24%もあるのだ。


日本のグローバル企業ソニーの決算と比べてみると、その差は明らかだ。


直近の7月~9月の決算は、純利益290億円、対して売上3兆1198億円、利益率0.9%という具合だ。


この中には、売上の構成比の高い薄型テレビ事業の赤字が入っているので、Appleの好業績と比較にならないのは、当然のことだが、一般的に、日本企業の利益率は、総じて低い。


パナソニックの中期目標が、利益率5%だったか、8%だったか、そのぐらい低い。


一方、アメリカの名だたる企業の利益率は高い。


IBM、インテル、GE、Googleなど、軒並み二桁の利益率を確保している。


その差は何だろうか。


それは、そのメーカーの製品が、世界にとって必要不可欠な存在になっているということではないか。


IBMのネットワークシステム、インテルのCPU、GEのプラント技術など。


Googleに至っては、ソーシャル検索サイトで世界中の広告シェア48%を超えるという数字さえ目にした。


いわゆる世界の基幹産業なのだ。


では、日本メーカーはどうだろうか。


残念ながら、他の国に代用メーカーがあると言った方が正解だろう。


決して、それがないと困るという基幹商品ではなく優位性が高い商品だから、生き残ってきたと言えるのではないか。


だから、新興国の技術が追いついてくれば、コスト力で負ける可能性がある(現実、テレビでは負けた)から、利益を乗せられないのである。


要するに、価格決定権がないと言える。


唯一、それがあった日本メーカーが、任天堂だったように思う。


残念ながら、スマホ、タブレットのソーシャルゲームによって、今期、赤字に陥ったが、かつての任天堂は、二桁、20%前後の利益率を稼いでいた。


そこには、現在のAppleに通じるものがあったように思う。


携帯ゲーム機を開発し、ファブレスで生産、それで楽しめるソフトを自社、もしくは委託開発していた。


要するに、世の中の人が求めるゲームとは、を徹底的に追求し、まず、それが実現できるゲーム機というハードを開発し、そのゲーム機だから実現できる最高のゲームソフトを揃える、というものである。


私は、ゲームそのものをしないので、的外れだったらご容赦頂きたいが、確か、任天堂のゲーム機では任天堂専用のゲームソフトでなければ楽しめないのではなかったか。


ソニーのプレステ、MicrosoftのMボックスでは、任天堂のゲームソフトが動かないのではなかったのではないか。


また、携帯ゲーム機には、各社なりのハードにあったゲームソフトがあるのだろう。


こうやって、ブログで述べながら、ジョブズに聞いてみたくなった。


もしかして、iPod、iPhoneは、ソニーのウォークマン、任天堂のゲーム機を参考にして、思いついたのではないか、と。


製造業復活に向けて、これからの日本メーカーも、こういった発想が必要ではないだろうか。


そのためには、日本企業の社内体制に大きな課題があるが、その問題は、また別の機会に述べたい。






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