「植物生まれの合成界面活性剤」とは具体的にどういうものなのか?

ヤシ油やパーム油から得られた高級アルコールで化学合成された合成界面活性剤を使用している洗剤は旧来の合成界面活性剤に比べると低刺激であることから「植物生まれ」「肌に優しい」が強調されていることも多いです。

 

「植物生まれ」と聞くと植物に含まれているエキスと同じ構造の物質がそのまま配合されているように受け止めがちですが、洗濯洗剤の合成界面活性剤に関してはそうした実際はだいぶ違っているのが実情かもしれません。

 

ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE、POER)もその一例で、

  1. 植物から取れるパーム油やヤシ油の成分が使われる
    *石油から作ることもでき、石油化学プラントで作られるポリオキシエチレンアルキルエーテルも併存。それらは「植物生まれ」といったラベリングをせず大手洗剤メーカーが使用。
  2. パーム油やヤシ油を化学変化させて合成した高級アルコールを界面活性剤の原料として使う
  3. さらなる化学変化により違う物質に変化、合成界面活性剤と呼ばれる化合物(化学物質)ができる
  4. 洗濯洗剤などに配合される

といった具合に、パーム油やヤシ油のパウダーが入っていてそれらが洗浄成分や保湿成分として働き手に潤いも与えるといったこととは違っている点に注意が必要だと思われます。

 

旧来の洗浄力が強い代わりに有害性も強い合成界面活性剤従来よりも刺激が少ないとはいえ肌への刺激自体はゼロではないので、敏感肌やアレルギー持ちの人にはかゆみや肌荒れなどが起き得る点については注意が必要かもしれません。

洗剤の製品説明「肌に優しい」「自然生まれ」に関して過敏症持ち注意すべき点

「肌に優しい」「自然生まれ」「オーガニック」「無添加」として売られている洗剤等のうち、特に粉末洗濯洗剤などは肌荒れの原因になるアルカリ剤(炭酸塩、ケイ酸塩)や酵素などもあわせて配合されていることが一般的です。

 

そうした製品にはよく「炭酸塩配合なので肌に優しい」「アトピーの方に安心」「スキンケアに」「素肌をいたわる」などと書いてあったりするのですが、アルカリ剤自体は直接触れることを避けるべき物質とされており、酵素と並んで人の皮膚の脂肪分を取り去ったり肌荒れを起こしたりすることが知られています。

 

化学的な性質を考えるとアルカリ剤は投入する際に素手で触ったり、高濃度で溶かしたところに手を入れたり、十分にすすぎをせず残留させたりすることは良くない、特に衣類に残留しやすい酵素には要注意でアトピー・敏感肌界隈でも要注意成分として挙げられています。

 

そこでアルカリ剤主体で酵素を配合している洗濯洗剤、ヤシ油由来アルコールで合成した界面活性剤+アルカリ剤+酵素を配合している洗濯洗剤の紹介文を見てみたのですが、「肌に優しい」というのは主に「炭酸塩などは残留しないので着用時に肌を刺激しにくい」という点を根拠にしており、実際にはユーザー側は残留成分による脱脂・肌荒れの可能性を考慮した上で扱ったりすすぎ回数を十分に確保したりする必要があるように見受けられました。

 

ナチュラルクリーニング界で除菌消臭パウダーとして好まれるホタテカルシウム(貝殻焼成カルシウム)も実際には強アルカリ性の水酸化カルシウムですが、「自然生まれ」ということで飲んだりうがいをしたりといった使用法が広まり、メーカーや販売サイトによっては健康被害回避のためにやめるよう呼びかけていることもあります。

 

ナチュラルクリーニングやオーガニックと書いてあっても、入っているものは何らかの化学物質であることには変わりがないので、各成分の特徴を把握し、体調をより良好に維持できるような洗剤選びや洗濯方法を模索するのが望ましいのではないでしょうか。

 

洗剤というのは容器に書いていなくても公式サイトや安全データシートなどの詳細な注意書きで手袋での防護について書かれていることが一般的ですが、化学物質として刺激性や有害性が認められているものに関しては、原料が天然素材であるかどうかにかかわらず、敏感肌や少量でも強く反応する化学物質過敏症患者という立場の人については、素手では扱わないようにするのが良いものと思われます。

 

脂肪酸ナトリウム

概要

脂肪酸カリウムと並んで石鹸(石けん、せっけん)と呼ばれている物質。脂肪酸ナトリウムは固形石鹸・粉石鹸、脂肪酸カリウムは液体石鹸の製造に向いており、脂肪酸ナトリウムは粉石鹸や石鹸(石けん、せっけん)入りの粉末合成洗剤の原材料として多用されている。

 

石鹸についてはケン化法(鹸化法)や中和法によって製造。固形石鹸の作り方については枠に流し込んで成形する枠練り法、機械で練って押し出したものをカットする機械練り法などが知られる。

 

脂肪酸ナトリウムは脂肪酸とナトリウムが結びついたナトリウム塩で、脂肪酸の炭素数・脂肪酸の種類によって

  • 炭素数12【飽和脂肪酸】ラウリン酸 → ラウリン酸ナトリウム(ラウリン酸Na)
  • 炭素数14【飽和脂肪酸】ミリスチン酸 → ミリスチン酸ナトリウム(ミリスチン酸Na)
  • 炭素数16【飽和脂肪酸】パルミチン酸 → パルミチン酸ナトリウム(パルミチン酸Na)
  • 炭素数18【飽和脂肪酸】ステアリン酸 → ステアリン酸ナトリウム(ステアリン酸Na)
  • 炭素数18【不飽和脂肪酸】オレイン酸 → オレイン酸ナトリウム(オレイン酸Na)

のように分かれ、それらがまとめて脂肪酸ナトリウムと扱われているほか、製品ラベルには◯◯酸Na、石ケン素地といった名称でも記載。元になる物質に分けて記載する「ラウリン酸、水酸化Na」というパターンもあり、一見すると石鹸(石けん)が入っていないと誤解するようなパターンも。

 

脂肪酸ナトリウムといっても、何酸ナトリウムであるかにより冷水での洗浄力、泡立ち、泡の持続性、肌への刺激度合いなどがそれぞれで異なる。原材料もヤシ油・パーム油(パーム核油)原料のものと牛脂原料のものがあり、前者は植物性石鹸、後者は動物性石鹸と呼ばれている。

 

硬水で洗濯すると大きく洗浄力が低下する、石鹸洗濯した衣類が黄ばむといった欠点があるため合成洗剤への置き換えが進んだが、合成洗剤に少量加えると合成界面活性剤の泡が消えやすくなるため泡切れ目的で添加剤として合成洗濯洗剤に入れられていることも多い。

安全性・有害性

極めて長い年月にわたって使われている洗浄剤である一方、重い皮膚刺激性・眼刺激性・皮膚感作性を持たないことから安全性が高いとされている。

 

厚生労働省サイトの安全データシート『飽和脂肪酸(C=8~18)及び不飽和脂肪酸(C=16~18)のナトリウム塩』では危険性を示すGHS分類の項目に各種マークの記載は無く、「該当しない」「情報なし」の扱い。

 

また『ステアリン酸ナトリウム』に関しては以下の警告を掲載。

  • 強い眼刺激
  • 水生生物に毒性
  • 長期的影響により水生生物に毒性

一方ChemicalBookでは

各データシートでは必要に応じた防護措置が推奨されており、通常濃い原液を扱う時に起きる想定になっている肌・健康への影響が起き得る化学物質過敏症患者に関しては、家事・洗濯に使う際も炊事手袋やマスクをしたり、体や髪を洗った後に十二分なすすぎを行ったりするのが良いのでは、との印象。

参考サイト

石鹸(石けん、せっけん)にまつわるあれこれ

石鹸かす(石鹸カス、石けんカス、せっけんカス)の発生と対処方法

金属石鹸

石鹸(石けん)を使う時に衣類や洗濯槽に白い粉・汚れとしてついたりする物質で、金属石鹸とも呼ばれる。表記ついてはひらがなのかすではなくカタカナのカスと書くことが一般的。

 

石鹸は洗濯や入浴・洗顔・洗髪の際、水の硬度にも関係しているカルシウムやマグネシウムもしくはその他ミネラル・金属と結びついて石鹸かす(石鹸カス、石けんカス)ができ皮膚に残留することで皮膚刺激や肌荒れなどが起きる場合もあり、特に硬度が高い水での使用においては注意が必要。洗濯においては衣類の黄ばみ、油臭さ・加齢臭のような悪臭の発生、肌荒れなどとして影響を及ぼす。

 

硬水だと石鹸(石けん)が汚れを包み込む前に石鹸かす(石鹸カス、石けんカス)ができてしまい、投入した量の割には洗浄力が出ないという問題が発生しやすい。

 

石鹸かすは洗濯のすすぎ残しや仕上がりにも影響し、一般的にはクエン酸や酢によるリンスが行われている。これは脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムとして存在する石鹸かす(石鹸カス)を酸の力で中和するというもので、弱酸である脂肪酸が遊離する。

 

風呂掃除・洗濯・洗髪などの場合、石鹸かす(石鹸カス)にクエン酸をかけると脂肪酸でベタベタになってしまうため、十分すすいでからクエン酸をかけたり、風呂掃除の仕上げとしてセスキ炭酸ソーダ(セスキ炭酸ナトリウム)をかけて脂肪酸ナトリウム(石鹸、石けん、せっけん)に戻してから流すといった手法が紹介されている。

酸性石鹸

石鹸に含まれる脂肪酸と皮脂汚れが結びついてできる黒~灰色のべたべたした汚れ。

 

皿洗いの時に石鹸洗剤を使った後にできるべたっとした汚れやシンクの排水口付近にこびりつく灰色の物体、洗髪の時に石鹸シャンプーを使って頭皮や髪の毛がべたっとした時の汚れがその代表例。

 

水中のミネラル・金属成分と結びついてできるタイプの石鹸かす(石鹸カス)である金属石鹸がクエン酸などで掃除するのに対し、こちらの汚れは酸性なのでアルカリ性の洗浄剤であるセスキ炭酸ソーダや重曹が有効。

 

石鹸(石けん、せっけん)を使った洗濯では量が足りていない時に発生しやすく、石鹸(石けん、せっけん)の量を増やしたり、助剤としてアルカリ性の炭酸塩を加えたりすると解決が見込める。

 

上述の金属石鹸とあわせて、別個の対応が必要。

石鹸洗濯をするとタオルがふわふわになる理由

石鹸(石けん、せっけん)洗濯のメリットの一つとしてよく挙げられるのが「タオルがふわふわになる」「柔軟剤要らず」。この柔軟効果の理由の一つが実は石鹸カスだそうで、古代ローマ時代の頃にもソープワート(シャボンソウ)で織物を洗うとふんわりすることが認識されていたとか。

 

石鹸カスは黄ばみや脂肪酸の臭気を発生させることから、柔軟効果と石鹸カスの十分なすすぎ・除去をうまく両立させることが重要だと言える模様。

 

なおuki☆uki☆せっけんライフさんが『ふっくらふわふわに仕上がるのは』企画としてタオルのふんわり度合いについて合成洗剤や純石鹸を使って比較実験を行ったところ、水道の硬度や石鹸カスの残存量によっては硬さが出てしまい合成洗剤の方がふんわりすることもある、炭酸塩やアルカリ洗浄剤では繊維が硬くなったり水道中のミネラルと反応してできた炭酸カルシウム(石灰などの成分)が硬さを増幅していると思われる、といった結果が示されたとのこと。

 

石鹸洗濯におけるふんわり具合・柔軟効果に関しては、石鹸かす(カス)との関係を十分に理解し自宅の水道の水質や水温などを加味して適切な洗濯環境を整えることが重要になってくるらしい、との印象。

「石鹸」「石けん」「せっけん」「セッケン」の違い

全部漢字で書くと石鹸になるものの、鹸の字が当用漢字ではないことから、原材料となる界面活性剤としても出来上がった製品の名称としても後半をひらがなにした「石けん」がJISにおける基準的表記として広く用いられている。

 

化学・工業界では界面活性剤という物質・原料としては「セッケン」、それらを使って作った製品を「せっけん」と表記するのがルールとなっている。

 

一方出版業界などでは「漢字+ひらがな」という組み合わせが好まれない傾向があり、一般の書籍・記事では「石けん」よりも「石鹸」が多めだという。

 

なお「「せっけん」は天然由来の素材だけを配合したもの、「石けん」は化学物質が添加されたもの、「石鹸」は合成界面活性剤が配合されたもの」というネット情報があるとのことで、これについては日本石鹸洗剤工業会が誤りだとして否定。メーカーの判断によりばらつきがあり統一された定義ではないとしている。

ブログ主コメント

石鹸(石けん)は洗浄力重視で目刺激・皮膚刺激・めまいといった警告マークが並んでいる他の合成界面活性剤に比べると安全性が高いとして化学物質過敏症患者さんたちの間では定番の洗浄剤ともなっています。

 

しかし脱脂力・洗浄力が強いため肌がカサカサ・パツパツになったり、石鹸かす(石鹸カス)で湿疹ができてしまったり、石鹸(石けん)を使えば全てが解決するというわけでもないので、体調不良を感じた場合は使用を中止し他の洗剤・洗浄剤に切り替える判断も時には必要になってくるものと思います。

 

石鹸(石けん)についてはその安全性が過大評価され誤解もだいぶ広まっているとの指摘もなされており、合成界面活性剤に比べると衣類への残留濃度が高い、環境への負担はそれなりある、れっきとした化学物質なので過敏症患者だと反応を起こしてしまう場合もある、といった点をふまえた上で活用するのが良いのかもしれません。

 

自分は石鹸(石けん)に切り替えた直後、長い間苦しんでいた咳・鼻炎から解放され頭がすっとクリアになるという大きな変化を実感しました。ところがその後しばらくして過敏症反応が出始め、粉石鹸でめまいや目・鼻の痛みを起こし、リンスに使うクエン酸でも具合が悪くなる体質に変化し、湿疹も出て汗をかく胸元が赤くなってしまったり、成分が残留・酸化したシーツの上で寝ようとして息苦しさと目の痛みから断念したりと、石鹸(石けん)のメリットとデメリットと身をもって体験しました。

 

化学物質過敏症界隈でも「石鹸(石けん)のにおいで具合が悪くなるなんて」「石鹸(石けん)さえ使っていれば大丈夫」という声が多いようなのですが、重症度や体質によっては影響が出る可能性もあるため、「化学物質過敏症には石鹸(石けん)で体調を崩す人もいる」という認識もまた持つ必要があると言えそうです。

購入のきっかけ

重症化以降、使い始めて短期間で石鹸やアルカリ洗浄剤による洗濯で体調を崩すように

2013年に発症したと思われる化学物質過敏症は抗菌消臭洗剤の普及に合わせるかのように年々進行。2024年頃からエタノールが安定化剤として入っている液体洗濯洗剤、濃縮タイプで高濃度化のための有機溶剤が入っている液体洗濯洗剤で気持ち悪さを感じるようになっていき、2025年の重症化と重度嗅覚過敏の併発により嗅覚過敏や軽症の化学物質過敏症にも人気の無香料合成洗剤で発作を起こすようになってしまいました。

 

化学物質過敏症が悪化した時は石鹸洗剤への全面切り替えが定番の対策方法だということで、自分も元々使っていたハンドソープやボディーソープに加え、台所洗剤、洗濯洗剤なども石鹸に変更しました。

 

ところが重症化した当初は化学物質過敏症の症状が短期間で遷移している状況(これを化学物質過敏症のスイッチ現象と呼ぶようです)で、使えなくなったものの代替品にしようとして試した洗剤や日用品などで「最初は使えていたのに、1~2ヶ月で発作が出るようになってしまう」ということが頻発。

 

詳細は別ページ『【闘病記4】日野厚生クリニック化学物質過敏症専門外来の受診と正式な診断、治療の内容・経過』に記した通りなのですが、石鹸とリンスに使っていたクエン酸で化学物質過敏症と嗅覚過敏の発作を起こすようになり、石鹸洗濯生活は数ヶ月で切り上げざるを得ませんでした。

 

そして次に試したのがアルカリ洗浄剤タイプの製品で、とみおかクリーニング、浄(JOE)、洗のツバキ、セスキ炭酸ソーダなどを1箱/1袋ずつ使用。

 

それらについては当初から原料臭や湯・水に溶かした時の薬っぽいにおいが気になっていたり、脱水後の残り香などが気になっており、使用するうちにお湯洗濯中の洗濯機に近寄るとめまいを起こしたり血圧が急上昇してふらふらになるといった体調不良が起き始め、石鹸よりも短期間で使用を中止することとなりました。

合成洗剤に戻り低刺激な製品を使用、しかし皮脂汚れ落としなどが課題に…

とはいえ移香取りや皮脂汚れ取りなどをする都合上洗浄力が高い何らかの洗濯洗剤が自分には必要で、石鹸もアルカリ洗浄剤も使えなくなった段階で合成洗剤に再び頼ることに。生体への刺激や環境への影響を考えれば本当は脱合成洗剤するのがベストだとは思うのですが、石鹸もアルカリ洗浄剤で体調不良を起こし、年々どころかもっと短いスパンでどんどん強力化していく移香に対処するため、合成洗剤への回帰はいわば苦渋の選択でもありました。

 

なるべく余分な成分は排除し酵素も入っていない洗濯洗剤という条件で検索した結果、化学物質過敏症患者さんたちの間でも名前に挙がることのあるアトピー患者向け洗剤・シャンプー類メーカーのスピカココをリピートすることに。

 

スピカココは長年避けていたアルキル硫酸エステルナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム)配合なので初購入時は迷いましたが、試してみると粉末タイプについては目・鼻の痛みやめまいが出にくくどの液体合成洗濯洗剤よりも体が楽なことが判明。洗えばタオルなどは柔らかくふんわりし、洗濯中も洗濯機の近くで息苦しくなったり手がボロボロになるといったトラブルも少なく重宝していました。

 

酵素も無配合なので合成洗剤としては肌に優しいぶん皮脂汚れや悪臭の除去には弱かったようで、使用を始めてから半年ほどした時点でシャツの背中部分に皮脂臭が蓄積したり、フェイスタオルの一番汚れて濡れる部分からカビというよりは薬・消毒のようなにおいがして過炭酸ナトリウムの追加投入やレンチン消毒が必須になったりするのが気になりだしました。(雑菌・カビ臭というよりは成分の蓄積と思われるようなにおいでしたが、タオルの一番汚れる部分や洗濯槽そのものに集中していたので、汚れとの相乗効果だったのかもしれません。)

今回同時期に試した洗剤

自宅療養期間も長くなり最近セスキ炭酸ソーダのにおいに耐えられるようになってきたので、「もう少し強い合成界面活性剤でも目・鼻のヒリヒリが出なくなっているかも?」「ずっと避けてきたものの無香料の粉末洗剤・アルカリ洗浄剤を色々と使えるようになったのでは?」ということで、自分が重症化直後に反応してしまっていた合成界面活性剤・粉石鹸・アルカリ洗浄剤がそれ単体ではなくミックスで少しずつ混ぜてあるタイプを改めて試そうと考えました。

 

ORBIS(オルビス)スーパークリーンと同じ時期、業務用粉末タイプ ヤシノミ洗剤洗たく用、ジョリーブココ、アルカリウォッシュLなどを購入。テスト洗濯を数回ずつ行いました。

 

合成洗剤+炭酸塩+酵素、合成洗剤+炭酸塩+過炭酸ナトリウム+酵素といった構成の製品はネットで複数売られていますが、1袋2000円~4000円台といった高価なものは家計的に続かないのと、成分と価格のバランスが取れていないものもあるように見受けられたので、ある程度リピートができそうな価格帯から選び試用しました。

スーパークリーンの購入

公式ネットショップで入手する必要あり

スーパークリーンはORBIS(オルビス)が通販限定商品として公式ストアで販売しており、Amazonや楽天といった通販ショップでは売っていないようです。そのため自分もオンラインショップに登録して送ってもらいました。

 

ORBIS(オルビス)
スーパークリーン 商品公式ページ

 

公式ページには「植物性洗浄成分」「無油分」「無香料」「無着色」「タンパク質分解酵素と脂質分解酵素を配合」「蛍光剤、香料、漂白剤も不使用」「無リン」「柔軟剤不使用」「弱アルカリ性」といったキーワードは書かれていたのですが成分一覧が見当たらず、ネット検索で見つけたメルカリ出品物のラベル写真で確認してから注文しました。

 

また販売ページには購入者によるレビューも多数掲載されており、「溶けない」「箱の作りが不便」といった否定的な評価も削除せずにそのまま残されているので、かなり参考になりました。

本体とスプーンは別売りなので「カートに入れる」は合計2回押して2点を購入

スーパークリーン通販
画像引用元:ORBIS(オルビス)

 

通販ページには

商品番号9910:スーパークリーン(コンパクト洗濯用洗剤)

商品番号9911:軽量スプーン

が並べて置かれていて、まず本体を選んで「カートに入れる」を押し、初回でスプーンが欲しい場合は続いて0円の計量スプーンを選択して「カートに入れる」を押し合計で2点注文する必要があります。

 

自分はスプーンが別売りだという注意書きを読みながらもカートに入れるのを忘れてしまい、初回は本体のみの注文となりました😅

価格と割引制度について

自分は今回が初めてのオルビス登録だったので、送料無料の特典を利用して気軽に試すことができました。

 

洗剤自体は1kg入りの箱が税込み1048円となっていますが、自分が買った時には「90日限定 最大600ポイントプレゼント」というチケットも入っており初回購入から90日以内に2回目の購入を行うともれなく300ポイント(300円相当)がもらえ、アプリ会員登録をすると別途300ポイント(300円相当)がもらえるとか。

 

さらに、オルビスはまとめ買い割引制度があり大量購入すると合計金額に応じて10%、20%と安くなるとのこと。購入するごとにポイントもたまるので、1箱試して気に入ったらそれ以降はまとめ買い割引やポイントを使った割安な入手ができ、リピートしやすいしくみになっている模様です。

 

とはいえ、スーパークリーンの箱に「長期間の保存は避け」とあるように、パッケージ内で周囲の湿気を吸って砂サイズから次第に小石サイズに成長して溶けにくいかたまりができていきやすい配合の粉末洗剤なので、節約のためとはいえ20%割引のために10箱とかを買って年単位をかけて消費するというのは避けたほうが良いのかもしれません。

商品外観

箱の外観

スーパークリーン紙箱(正面)

 

通販ページでも確認できるのはこちらの前面部分のみでした。

 

 

成分と注意書きは比較的詳しく、湿気を吸収して小石のようになりやすい炭酸塩・ケイ酸塩入り粉末洗濯洗剤をより快適に使い切るためのコツ「長期間の保存は避け、高温多湿の所に置かないでください。」も書かれています。

 

 

使用量目安の一覧表です。無香料粉末洗剤としては一般的な分量だと思います。

 

 

親切な「お洗濯のアドバイス」も載っており、洗濯物を入れる前によく溶かす、お湯で洗濯したほうが効果的だといったことが書かれています。

 

 

底面です。使い終わった後にたたんで紙リサイクルに出しやすい形状になっています。

 

ただ底面に穴やすきまが多いため、中に開封したビニール袋をそのまま入れていると計量の際にビニール袋の外にこぼれた洗剤が底にたまり、穴から外への粉がこぼれ落ちてしまうことが予想され、実際にそのようなレビューも散見されます。容器としてそのまま使う場合は、ビニールテープなどですきまをふさぐのが良いかもしれません。

箱を開封

 

「あけ口」と書いてあるところから引っ張っていくとピリピリと切れるはずなのですが、表面だけはがれて残りがそのまま箱に残ってしまいました。結局爪でひっかけながらはがして開封することに。もう少しスムーズに開けられる紙箱に改良されると嬉しいです。

 


開封後はふたがパカパカしたままで、しっかり閉じることはできないようです。内袋も開封するためにハサミで切ったら切りっぱなしでチャックとかは無いので、このまま保管すると湿気を吸ってどんどん小石のようなかたまりが増え溶け残る粒が増えることになってしまうかと思います。この洗剤に関しては、粉物保存用の密閉容器に入れての保管やキッチン用チャック袋への詰替えが必須かもしれません。

 

 

なおふたのこの部分は中がツメになっており引っかかるようにできているので、ここをパカッと開けるとかはできないです。

別売り計量スプーン

 

別売りの計量スプーン(商品番号:9911)です。柄のところに30ccと書かれた大きめのスプーンです。すり切りもできる無難な形状で、柄も長いので使いやすいです。

洗剤粉末の様子と保管方法について

 

箱の中にはビニール袋入りの洗剤が収められています。湿気を吸うと小石のようなかたまりができやすい成分を含んでいるのですが、チャック式ではないためクリップで閉じたり密閉容器やスライダー式保存袋(例:ジップロックのイージージッパー)などに入れ直すのが良さそうです。

 

自分はジップロックイージージッパーに入れ直したのですが、それでも周囲から湿気を吸ってしまっているようで、購入から日数が経つうちに中でしだいに粉同士がまとまり始め粒が増えていくのを感じました。購入後の状態を見ている限り、このスーパークリーンに関しては湿気が大敵で、溶かす際に小石や砂のように溶け残るかどうかは保管状態にも大きくされるように見受けられました。

 

 

黒いお盆に載せた当初は周囲に飛んでいなかったのですが、持ち上げて少し動かしたところふわっと周囲に舞って微細な粉が広がりました。非常に微細な粉じんも含まれているようなので、マスクをして扱うのが良さそうです。

 

その中に砂・小石に似た粒がいくつかあり、湿気を吸った炭酸塩などが固まって中に混ざっているらしいことがわかります。実際に湯・水に溶かしてみたところ小石化してしまった粒はお湯にも溶けにくいようで、湿気を吸わせないように最初から密閉容器に保管することが大事らしいと感じました。

洗剤の概要

箱の記載内容

データシートが公開されていないので確かなことは言えませんが、業務用ヤシノミ粉末よりも洗浄力・汚れ落ち・皮脂臭落ち・色落ちの度合いが強いことから、アルカリ剤の配合量(もしかしたら酵素の配合量も)が比較的多めなのかも?という印象を持ちました。

公式ページの説明文

引用元:https://www.orbis.co.jp/small/4102010/

  • 植物性洗浄成分が手肌にやさしく、がんこな汚れもスッキリ落とす
  • 注目の3大特色は1、タンパク質分解酵素と脂質分解酵素を配合し、垢も脂(油)も強力に分解。サッと溶けて繊維の奥の汚れもスッキリ。2、手肌にやさしい植物性洗浄成分使用。無香料・無着色で蛍光剤、香料、漂白剤も不使用なので手肌をいたわります。ふんわりソフトな仕上がり。3、生分解性100%で川や海を汚しません。
  • ●無油分、無香料、無着色 ●分解酵素配合(衣類に付着した皮膚タンパク、皮脂を分解)●無リン●漂白剤不使用●柔軟剤不使用●弱アルカリ性

使用量

使用量の目安は箱に印刷されているので、他の容器に詰め替える場合はそこだけ切り取って捨てずに保存しておくと良さそうです。

 

*専用計量スプーン1杯=スーパークリーン22.5g

  • 30g(専用スプーン中盛り1杯)
    └ 洗濯機(全自動・二層式):6.0kg/65L
    └ ドラム式:7.0kg
  • 27.5g(専用スプーン小盛り1杯)
    └ 洗濯機(全自動・二層式):4.5kg/55L
    └ ドラム式:6.0kg
  • 22.5g(専用スプーン1杯)
    └ 洗濯機(全自動・二層式):3.0kg/45L
    └ ドラム式:4.5kg
  • 15g(専用スプーン0.8杯)
    └ 洗濯機(全自動・二層式):1.5kg/30L
    └ ドラム式:2.0kg
  • 手洗い:4L(2g=料理用小さじ約半分)
  • つけ置き洗い:5L(2.5g=ティースプーン軽く1杯)

我が家の東芝製10L洗濯機(満水時77L)の場合は35g~38gぐらいを入れる計算になるようです。

におい

荷物と中の商品・チラシ

無香料製品を取り揃えている会社だからなのか、段ボールの中身への移香は特にありませんでした。箱や割引チケットなどからインクのにおいはしますが、梱包作業員さんの手から香料カプセルをもらって触った部分から香料や抗菌剤が出ているといったことは感じなかったです。

 

粉末洗剤を大手通販サイトで買うと紙箱にかなりの移香があるため到着したらすぐに中身だけ残して箱を防臭袋に入れて処分しなければいけないことも多いですが、ORBIS(オルビス)スーパークリーンに関してはそういう心配が少なく、移香取り作業をしなくても済むのが良かったです。

粉末の状態でのにおい

粉末状態の純石けん(純石鹸)が入っている割には癖のある芳香は少ないです。嗅覚過敏の自分でも原料臭が少ないと感じるぐらいなので、大半の方は無臭という認識になるものと思います。

 

浄(JOE)や姉妹品である洗のツバキなどを買った時は、嗅覚過敏が特にひどい状態だったこともあり粉の状態でも植物性油脂入りハンドクリームのような特有の芳香に薬品っぽいにおいも混ざって感じられ、溶かすとハイターに似たにおいも出るため結構辛かったのですが、スーパークリーンに関してはそういうことは特にありませんでした。

 

無香料と書いてあっても液体洗剤は実際には精油が入っているとか、芳香のある原料を使っているとか、エタノールなど有機溶剤を入れているとかで原料臭が強いものが多いですが、無香料粉末洗剤はそういうことが少なく、嗅覚過敏や化学物質過敏症の人にとっては吸い込み防止のマスクさえしっかりしていれば体が苦しくなりにくく扱いやすいように思います。

お湯に溶かした時のにおい

一方、お湯に溶かしてみるとしゃぼん玉原液というか洗剤っぽいにおいがして嗅覚過敏で治療中の自分には少し気になり、マスクを外して真横の洗面台で洗顔や歯磨きをするのは少々厳しかったです。

 

といっても芳香と呼べるようなレベルではなくあくまで洗剤の原料臭といった範囲に留まるようなものなので、通常の嗅覚と健康状態の方であれば気にならないものと思います。

 

自分は重い嗅覚過敏と化学物質過敏症重症化で自宅療養中で、しかも成分が強めの合成界面活性剤や炭酸塩などのアルカリ洗浄剤に反応して蒸気の吸入でめまい・血圧急上昇・目鼻の痛みなどが出て使用をなるべく控えていたほどだったこともあり、スーパークリーンや同時に試した類似洗剤で原料臭・蒸気によるふらつき、目・鼻がツーンとする反応が起きたりしました。ただスーパークリーンに関しては、湯・水に溶かした時の原料臭がやや感じやすい割には手動投入時やお湯洗濯途中での過敏症反応は弱い部類だったとの印象です。

 

当方の使用体験と同じことが起きる方はおそらくまれなのであまり参考にはならないかもしれませんが、化学物質過敏症患者さんで気になる方はマスク・手袋等を装着して使われるとより安心して洗濯に使えるのではないでしょうか。

洗濯・脱水後のにおい

お湯に溶かした際に感じる原料臭・洗剤臭はすすぎ回数が少ないと多少残るようでした。自分は合成界面活性剤や酵素などの残留成分を極力減らすために流水すすぎ4回をしているのですが、服からほんのりスーパークリーンの残り香を感じることもあり、必要に応じて追加すすぎを行いました。

 

(注:流水すすぎ5回や6回とか節水が当たり前になった時代では「無駄遣いでばかばかしい」「信じられない行為」と感じる方も多いかとは思うのですが、嗅覚過敏や化学物質過敏症が重くなってしまった自分は、実際に新規に手を出した洗剤・ナチュラル洗浄剤について流水すすぎ3回程度で切り上げ原料臭がわずかに残った状態(=残留成分の濃度が高めの状態)で部屋干しし目・鼻がビリビリ痛んだり突然鼻が詰まって鼻水が止まらなくなったりといった体験をしているため、特にテスト洗濯の時はより念入りにすすぐようにしています。)

 

十分にすすげば嗅覚過敏の自分でも嗅ぎ取れないぐらいに原料臭は落とせたので、すすぎ不足でない限り普通の体質の方が「洗っている時も干す時もにおいが気になる」ということは基本的に無いかと思います。

溶けやすさ、泡立ち具合

ORBIS(オルビス)商品レビューに複数投稿されていたのが「溶け残る」「溶け残りが粒・かたまりになって出てくる」「溶け残った粉が服から落ちてくる」といった溶けにくいという感想でした。その一方で特に不満を感じていない方も少なくないようで、この件について少し詳しめに検証してみることにしました。

お湯に溶かした時

スーパークリーンの箱には「酵素を配合しておりますので、ぬるま湯の使用により、より一層高い効果が得られます。」とある通りこの洗剤は元々お湯洗濯推奨になっていますが、酵素以外にも炭酸塩や粉石鹸など水ではなくお湯の方が溶けやすいとか洗浄力が上がると言われている原材料が複数配合されています。

 

そのため最初に推奨であるお湯を洗面台シンクにため、指で溶け残りの粒を触って確認できる薄さの使い捨てゴム手袋を装着した上でスーパークリーンの溶け具合をチェックしてみました。

 

お湯に溶かした時(高濃度)
お湯に投入し十分に撹拌した場合
 

手でしばらく撹拌していると、お湯全体が白濁し泡が立ちました。無香料粉末洗剤としてはかなり白濁度合いが強いようです。

 

お湯は給湯器で45℃に設定したのですが、粉末の大半は次第に溶けていきシンクの底のざらつきが感じにくくなりました。ところが炭酸塩などが吸湿して固まり硬い砂・小石状になったものについては指先で擦ってもなかなか溶けず、排水後も底に粒の形で残りました。

 

お湯洗濯(満水時)

 

洗濯槽で満水まで給水・撹拌すると、白濁がメインでところどころに泡が浮く感じになりました。泡が立ちすぎないので、すすぎ回数は白濁の残り具合を見ながら調節するのが良さそうです。

水に溶かした時


冷水に投入し十分に撹拌した場合

 

冬場の冷水に入れ手で撹拌したりシンクの底にたまっている粉を擦ったりしながら溶解を試みたところ、45℃の時とは大きな違いを感じました。粉末の多くがシンクの底に沈みザラザラとした粒として残り、吸湿して固まってできた砂・小石状の粒は目視できるぐらいの大きさのまま溶かしきることができませんでした。

 

気のせいかもしれませんが、溶け残りが多いせいか泡立ちなどもお湯の時に比べるとやや勢いが控えめのようにも見えました。

 

水に入れた時~排水後

 

水の中で撹拌したりシンクの底にたまった砂状の粒を擦ったりしたのですが、なかなか溶けきらないので排水。すると底にざらざらした微細な粉末や、吸湿・吸水して固化していた粒が、大量に残っているのが見えました。

 

スーパークリーンに関して「溶け残る」「粉が干した衣類から落ちてくる」と書かれている使用体験レビューで言及されているのは、こうして排水されたりすすがれたりしないまま残留したものが原因だったのでは、という気がします。

洗いだけお湯で行いすすぎは冷水に切り替えた場合

水ですすいだ時

 

全工程をお湯で洗濯した時には流水すすぎ4回でも水の透明感がかなり出たのですが、お湯を節約しようとして洗いだけお湯+すすぎは冷水という組み合わせにしたところ流水すすぎ4回終了後に水がかなり濁っているのに気付きました。脱水したところ、溶け残った粒が2~3個くず取りケースに入っているのも確認できました。

 

配合成分の都合なのかは不明ですが、色々なパターンでテスト洗濯した結果、スーパークリーンについては最初から最後までお湯を使うのが良いように見受けられました。

 

多少の溶け残りや水に溶けない助剤(アルミノけい酸塩)があることを前提に工夫しつつ使い、たっぷりのお湯で洗濯物の間に空間の余裕がある程度できる状態で洗い、十分なお湯で衣類にひっかかっている残りの粉・粒を押し流して落とすというのが効果的なのかもしれません。

スーパークリーンのような炭酸塩・ケイ酸塩配合タイプ粉末洗剤と溶け残りについて

同じく炭酸塩を含むハッピーエレファント洗たくパウダーの時にも冷水洗濯で水を吸ったパウダーが石のように固まり洗濯後の服からゴロッと出てくるという現象に悩まされましたが、スーパークリーンについても炭酸塩やケイ酸塩が配合されていることから、商品が届くまでの間にできたかたまりや開封後の保管状態などが原因で増えたかたまりがそのまま洗濯槽に残り、砂や小石のような形で脱水後に服から落ちてくるということが起きやすいのかもしれません。

 

幸い我が家の洗濯機については、全工程を40℃台のお湯で行いしっかりすすぐことで溶け残りや粒の残留という問題は特に経験していません。おそらく炭酸塩・ケイ酸塩等の比率が高めで吸湿により石化しやすい粉末洗剤は、スーパークリーンに限らずお湯での洗濯・十分な水位での洗い・たっぷりな水流でしっかり流すすすぎなどが大事になってくるのでは、という気がしました。

 

そういう意味では、すすぎ回数を多めに設定できる洗濯機や撹拌力が強く水が透明になるまですすげる二層式洗濯機を使ったお湯洗濯で真価を発揮する洗剤なのかもしれません。

 

なおレビューに「ダマになる」という感想がありましたが、水溶性の成分に関しては吸湿して固まっていなければ撹拌によって粉が湯・水の中に拡散し溶けるようになっています。

 

炭酸塩入りの各種粉末洗剤を使ったことがある立場からすると、ダマができるかどうかは

  • 保管中にどのぐらい空気中・粉末中の水分を吸収したか
  • お湯をためた洗濯槽の上で洗剤の容器を持って手動投入し、湯気を吸わせたりしていないか
  • 撹拌力が少ない高水位で数分間回しただけですぐに衣類を投入していないか
  • 空の洗濯槽に洗剤を入れ、すぐに衣類を入れ、最後に湯・水を投入していないか
  • 先に衣類を投入し、その上に洗剤をふりかけ、冷水で洗濯し、衣類の中でなかなか溶けないまま揉まれて砂や小石のように固まってしまっていないか

などに左右されることが予想されるため、「洗濯槽に低水位でお湯をためる→洗剤を投入する→強めの水流で時間をかけ撹拌する」が対策として有効になってくるものと思います。

 

今回改めて洗面台シンクで実験してみましたが、炭酸塩が湿気を吸って小石のようになったものはお湯に入れて指でゴシゴシ押したり擦ったりしても全然溶けず難儀しました。同じ時期に炭酸塩入りのスピカココ粉末に作ってしまった直径2cm大の洗剤小石を溶かそうと必死になってお湯の中でつついたり擦ったりしましたが、やはり全然溶けずにあきらめて廃棄せざるを得なかったです。

 

スーパークリーンを快適に使い切るには、ふたのある密閉容器に入れ横に吸湿剤を置いておくのがベストなのかもしれません。

すすぎ回数

製品パッケージや公式ページには「すすぎ1回でもOK」という記載は無いので、メーカーとしてはすすぎ2回以上を前提にしているものと思われます。

 

多くの方は流水すすぎ2回とかで済ませていらっしゃるかもしれませんが、少なくとも当方が使用している東芝製縦型洗濯機(10kgタイプ)に関しては、すすぎ中に洗濯機の中を確認した限りでは流水すすぎ3回ぐらいはしたほうが良さそうな感じに見えました。

 

特に規定量~やや多めの量をお湯に入れて低水位で撹拌するとかなり発泡するようで、そのような場合は高水位にしても泡が残り、流水すすぎ3回では取り切れなかったりしました。使用量については手持ちの洗濯機でどのぐらいまでなら泡が残らずすすぎ終えられるかを確認しつつ、必要に応じて使用量を控えめにするといった調整が必要かもしれません。

アトピー・アレルギー・過敏症の方が使用する場合

スーパークリーンには炭酸塩、けい酸塩(ケイ酸塩)、酵素などが配合されており、これらは界面活性剤と並んで脱脂やタンパク質分解の能力が高いです。炭酸塩や酵素を配合した洗濯洗剤は通常「肌に優しい」「アトピーの方におすすめ」といった紹介文を添えて売っていますが、アルカリ剤も酵素も肌荒れを起こす成分と知られておりアトピー治療では酵素無しの洗濯洗剤を使うよう指導されることも少なくないようです。

 

当方も今回炭酸塩や酵素を配合した洗剤を使いだしてから脱水が終わるまでは炊事手袋で防護していたにもかかわらず、同様のタイプの各製品を使うごとに手荒れが進んでしまいました。過敏症やアトピーなどで肌が弱っている方については、残留している成分の濃度を下げるよう溶け残りが少ないお湯洗濯と十二分なすすぎで対処されるとより快適にスーパークリーンを使用できるのではないでしょうか。

 

なおスーパークリーンには洗濯の邪魔となるカルシウムイオンやマグネシウムイオンを捕捉しておくための水軟化剤(助剤、ビルダー)としてアルミノけい酸塩(アルミノケイ酸塩、アルミノ珪酸塩、ゼオライトのこと)が配合されていますが、こちらはミクロン単位の極めて微細な粒に砕かれてはいるものの不溶性で、撹拌しても水に溶けずに残るため、配合されているタイプの洗剤は

  • すすぎ最中に排水されず留まると濁りとして表れる
  • すすぎ回数は多めのほうが良い
  • 十分にすすげていないと衣類に残留する

といったデメリットも有しているとか。

 

通常粉末洗濯洗剤ではこの水軟化剤ゼオライト(アルミノケイ酸塩)の比率が一般的配合としては16~21%とだいぶ高いらしく、気になる場合はすすぎ回数を増やしたり洗濯物を詰め込みすぎないようにしたりするのが良いかもしれません。

洗い上がり

汚れ・においの落ち具合(洗浄力)

製品レビューに「汚れやにおいがよく落ちる」「洗浄力が高い」といった感想が多かったですが、スーパークリーンに関しては自分も何回かのテスト洗濯で皮脂臭や雑菌臭が薄まったことを実感しました。

 

合成界面活性剤だけでなく洗浄力の高さで知られる純石けん(純石鹸)、炭酸塩、けい酸塩(ケイ酸塩)や汚れの成分を分解する酵素などが配合されているので、合成界面活性剤だけの製品、アルカリ剤の種類が少ない製品、アルカリ洗浄剤オンリーの製品などに比べると、皮脂を蓄積させずにおいを出さないという性能が高めなのかもしれません。

 

我が家の洗濯物も、スーパークリーンで1回洗ったことで肌着の背中部分、枕カバー、雑菌臭がついていたフェイスタオルなどがリフレッシュされ「あれ、1回の洗濯なのに皮脂臭がすごく薄まったかも」レベルになったものもあるなど、大きな効果が感じられました。(ただ皮脂臭は落ちやすい布地と残りやすい布地があるようで、蓄積具合によってほぼ消えたものと残ったものに分かれるなどしました。)

 

最近はすすぎ1回OKと明記してある合成洗剤が増えすすぎ不足で汚れを残したまま衣類やタオルに雑菌が繁殖し悪臭を放ちやすくなってしまっていたり、香料や抗菌剤を入れたり嗅覚ブロック機能を導入したりして「洗濯物がにおわない」「絶対消臭」などをうたった洗剤の普及や追加用の抗菌防臭リンス剤使用も進んでいるようですが、スーパークリーンはそういった悪臭を感じにくくさせる成分や香料でのマスキング抜きでこれだけ皮脂臭を落とせているので、無香料粉末合成洗剤としてはかなり優秀な部類に入ると言えそうです。

風合い

漂白剤(酸素系漂白剤、過炭酸ナトリウム)が配合されていないこともあってか、たった一度の洗濯で劣化したとか色が抜けて古びた見た目になってしまったということは起きにくかったです。

 

ただ洗浄力を高めることと引き換えに繊維の材質に働きかけ脱脂したり変性させたりするアルカリ洗浄剤や酵素などが含まれているので、洗濯前と違い服の表面が滑らかというかつるっ・てろっとした感じになったのが多少気になりました。時々リフレッシュ洗濯に使うのは良いのですが、毎日となると服の素材が次第にくたびれていくことも予想され、入れすぎや使いすぎには要注意かも、という気はしました。

 

タオルについてはパイルの毛足が長いものに関してはパイルが倒れたり固まったりということもせず特に不満はありませんでした。合成洗剤やアルカリ洗浄剤でガリガリになりやすいパイルが短い使い古したタオルではやはり固くなりましたが、アルカリ洗浄剤で洗った時のような「やすりのようにガリガリして痛い」「敏感肌にはしんどい」というレベルにはならず、まずまずの仕上がりとなりました。

色落ち

浸け置き無しでの通常手順については、アルカリ剤や酵素で色落ちは起きるとはいえ酸素系漂白剤入りのようにどんどん古着のようになっていくということはありませんでした。

 

ただ汚れ落とし・移香落としをしようとして数時間お湯に浸け置きした時には黒系・紺系の衣料からかなり色が落ちまだら状になったりしました。

 

浸け置き洗濯を頻繁にする場合はうっかり忘れたり昼寝してしまったりで長く放置しないほうが良さそうです。色落ちに対する注意喚起と浸け置き時間の目安はスーパークリーンの箱にも印刷されており、「つけ置き洗いをする場合は、ぬるま湯で30分から1時間ぐらいが適当です。」とあります。

 

スーパークリーンについては炭酸塩、ケイ酸塩、酵素、不溶性のアルミノケイ酸塩(ゼオライト)などが入っているため、どこまでが色落ちでどこからが水中で生成した炭酸カルシウムやすすぎ残したゼオライトかはわかりませんが、他の洗剤に比べると黒や紺のトレーナーがまだら色になったり白く汚れたりして見えやすいような気がしました。

感想

箱の形状の不便さ、冷水での溶けにくさ、吸湿による小石化といった部分は気になりましたが、保管状態に注意しつつお湯洗濯で能力を最大限に引き出して使えば、洗浄力に関してはかなり満足度が高い洗剤だと感じました。長年愛用しているORBIS(オルビス)ユーザーの方たちが少なくないだけのことはあると思います。

 

個人的には1年前に重症化化学物質過敏症や嗅覚過敏がまだ寛解しておらず、スーパークリーンや同時期に試した類似タイプの合成洗剤やアルカリウォッシュLを使い始めてから

  • 合成界面活性剤・粉石鹸・アルカリ洗浄剤で反応(めまい、目・鼻がツーンとする)が出る体質がまだ療養開始当初と変わっていないことがわかった
  • 投入時は手袋で防護していたものの、脱水後の洗濯物を素手で触っていたところ炭酸塩や酵素の残留分で手荒れが起きた
  • 通常体質向け合成洗剤を使っていたり外気の侵入がまだかなりあった頃に似た「常時の鼻詰まり」「鼻血回数の顕著な増加」があった

といった影響が感じられたことから、過敏状態にあり皮膚バリアも弱っている自覚のある状態で使うには成分がやや強すぎたらしいということで、メインの洗濯洗剤としてスピカココ粉末と置き換えることは見送りました。

 

スーパークリーンに関しては化学物質過敏症は発症していないもののにおいが気になる無香料派、合成界面活性剤でもOKという方であれば試してみる価値はあるかと思います。

 

色落ちや色物のまだら状の変化は多少気になるところですが、洗濯槽に石鹸かすが残ることも無いなど、純石鹸洗濯に疲れたとかアルカリ洗浄剤オンリーの限界を感じたといったタイミングで試されると洗浄力や楽さを感じやすいのではないでしょうか。

 

成分や原料臭からすると、重症化していなければ化学物質過敏症患者さんでも即時のはっきりした症状は出なさそうではあります。なので軽症化学物質過敏症患者さんでスーパークリーンを気に入って使っている方もおられるのでは、と思います。

 

本品については成分とは別に容器の詰め替えとかお湯洗濯・十分なすすぎの必要性があるので、手間や時間がかからない今どきの時短洗濯に慣れているとちょっと面倒に感じるかもしれません。縦型洗濯機や二層式洗濯機で念入りな洗濯をするのが苦でない方だと、不満も少なくリピートできるものと思います。

 

容器や溶けやすさが改善されればユーザーがかなり増える可能性を持っている製品だと言えるのではないでしょうか。今後のリニューアルに期待したいです。

 

自分は結局スピカココ粉末の代用はイノチの洗たく粉60にしましたが、移香落としや香料・抗菌剤カプセルの除去の都合上予洗い用オンリーとして多少強めの洗剤も置いておこうということになり、スーパークリーンをリピート購入しました。送料無料にするため4箱をまとめ買いしましたが、その後続けていくかは未定です。

 

自宅内の空気質悪化と家族の体調に表れた変化

同居家族までもが毎日原因不明の咳をし、子供は喉の痛みを訴え鼻血を繰り返すように

自分の症状が悪化していったのと同じ頃、家族らにも謎の体調不良が出るようになっていました。おそらく宅内に常時流入する揮発性有機化合物(VOC)や抗菌剤の量が急増したことと連動していたのだと思われます。

 

咳喘息体質の夫は風邪をひいていないにもかからわず毎日咳をするようになり、咳ばかりしているのに発熱なども無く風邪でもウイルス感染でもないということが続きました。

 

換気はどの部屋も活性炭フィルター越しに常時給気、家の清掃はまめに行っておりエアコンの清掃も防カビ剤無しで定期的にしてもらうなど、はっきりと原因として感じられる咳の原因が宅内に見当たらず、特に夫と子供の部屋については嗅覚過敏が悪化していなかった時点では外気の香料・抗菌臭を感知できていなかったこともあって「なぜ毎日咳をするのだろう?」と不思議には思っていました。

 

元々気管支炎になりやすかった子供については

  • 風邪やウイルス感染の後に気管支炎が非常に長く続く
  • 当方が本格的に重症化する前の半年ぐらい、毎日「喉が痛い」「部屋でマスクを外すと喉がヒリヒリする」と言い出すように
  • 「鼻がすごくつまる」と訴えるようになり、頻繁に鼻血を出し、しかも量が多い
  • 電車に乗って人混みが多い街に出かけると、かなりの確率で鼻血を出す
  • 小児科などに通院して薬は処方してもらっていたものの、咳や喉の痛みがおさまらなかった

といった体調に陥るなど、はっきりした原因は不明ながら鼻・喉がらみのトラブルが続いていました。

 

外で移香してくる抗菌消臭系の臭気は毎日髪・服・下着から全身に浸透、浴室乾燥機で香料抜きをしても翌日また移香して帰宅するという曝露量の多さで心配になるレベルでいわゆるシックスクールの影響もあったのかもしれませんが、それとは別に自宅にいる時に何かが悪さをして喉のヒリヒリ感とアレルギー性の咳が出ているようにも見受けられました。

 

自分も自身の体調について「化学物質過敏症が進行しているのでは」という疑念を持ちつつも、家族全員に共通して呼吸器関連の不調が多かったことから「近所の林や畑から何か飛んできているのだろうか」「何かのアレルギーなのではないか」「また喘息になった」「疲れがたまって自律神経失調症になっているのかもしれない」という見方をしてしまっていました。

重症化を受け色々な対策を講じたところ家族の咳や喉の痛みが突然解消

家族全員に出ていた咳・鼻水などのトラブルですが、自分が重症化し家のあちこちを点検しすきま風が思った以上に多かったことを知り

  • 抗菌剤入り無香料合成洗濯洗剤をやめ、液体石鹸、炭酸塩主体洗浄剤、アトピー患者向け無香料合成洗剤などに変更
  • 抗菌剤入り除菌シート・洗剤の使用を停止
  • 窓サッシのすきまをパテで埋め外からの外気を遮断
  • エアコンホースのパテの大量補充
  • キッチン換気扇を使わない時はクッションでおさえてふさぐ
  • 空気清浄機を複数設置する
  • 浴室乾燥機をフル稼働させ外からもらってくる移香を最大限除去

といった対策を進めたところすぐにピタリと止まり、現在では家族全員家にいても咳は出ず、鼻血の回数も大幅に減りました。

 

いわゆる香害対策を実施してからすぐに効果が出たとこから、アレルギーだと思っていた症状は屋外から流入する洗剤・柔軟剤の成分や、部屋干しで宅内に長時間拡散していた合成界面活性剤や抗菌剤が原因だったのでは…と推測しています。

 

各種対策の前と後との比較から、周辺住戸が排出する洗剤・柔軟剤・香りつけビース類の成分と家族全員の体調改善との間に何らかの因果関係はあったものと思います。

 

ただ、香害や化学物質過敏症については目に見える形で汚染状況を確認できず、また専用機材が高価なことから信頼性の高い業務用機器のデータとして記録した上で発作原因を明示することが難しいことから、ある程度の解決に至るまでかなりの遠回りとなってしまいました。

家族の理解と協力

当初は信じてもらえず、自身の不勉強や対策不足からただただ病状が進行していく日々

それまでは自己診断で「自分は化学物質過敏症だろう」と考え家族にも伝えていたのですが、各種検査も受けた上で診断書が出たことでようやくその発言に信憑性が出たらしく、それまであまり得られなかった協力をしてくれるように。

 

化学物質過敏症を発症したと思われる十数年前は「毎日ふらふらで苦しい」「視力障害が出る」「この家から逃げ出さないと元気になれない気がする」と伝えてもほぼ無反応で、ようやく聞けたコメントも「どんなに口で辛いと言っても、証拠が無いから誰も信じないよ」というもので、引っ越し希望にも反対されたことから発症と同時にかなり重い症状が出るまでに一気に進行してしまいました。

 

この時ネットでもっと必死になってそよ風クリニックや北里大学の化学物質過敏症外来に助けを求め診断書などを出していただいていたら、家族の理解をもう少し得られたり、自分の不勉強から来るその後の過敏症進行を遅らせることができていたかもしれません。

 

発症の翌年に引っ越し一時的に症状が軽快したこと、自律神経失調症がおさまったことで体が一時的に楽になったことも「ひとまず無香料や天然香料である精油入りの洗剤を使っていれば大丈夫」という誤解・過信などを生む原因になり、転居後喘息が重症化してもトリガーが何だったのか考えることもせず、化学物質過敏症と本格的に向き合うことを怠ってしまった気がします。

重症化を機にとうとう家族が心配してくれるように

発症から約12年経って重症化した際、喘息中発作・大発作、手・脚・頭のふるえ/けいれん、嘔吐、歩行障害など目に見えて激しい症状が出てしまいました。

 

「口で言うだけでは本当に病気だとは信じられない」と言っていた家族も相当びっくりした様子で、「病院に行って検査を受けたほうがいい」「山とかに避難しないと良くならないのか」などと声をかけたりしてくれました。特に日野厚生クリニックで正式な診断が下されてからは、化学物質過敏症を発症したという事実を受け入れる気になってくれたようです。

 

香料入りで発作が出てしまっていた家族用のシャンプーを無香料タイプに変えたり、シェーバー洗浄剤使用とオート洗浄から無香料石けんとベビーオイルを使っての手洗いに変更したりしてくれたことで、宅内で起こる過敏症発作を減らしていくことができました。

 

夫については、元々義母が40~50年前から石鹸洗濯や有機食材に関心があり香害・抗菌剤問題にも理解のある方で、無添加料理とパックスナチュロンで育ったことも大きく影響していたようです。

 

石鹸使用や無香料製品に対する抵抗感が薄く自分の意思で石鹸シャンプーを使い続けていた人だったので「香りのある柔軟剤を使いたい」「石鹸なんか嫌だ」と言われることもなく、発作が出にくい洗剤探しをこちら側の体調に合わせ好きなようにできたのは幸いでした。

実家も義実家も洗濯は元々無香料派という幸運

偶然ですが、自分は実家も義実家も以前から無香料洗剤使用・柔軟剤は不使用というスタンスで、洗濯については実家はハッピーエレファント粉末、義実家は石鹸を使用。

  • 実家:
    ・母親:洗濯洗剤・食器用洗剤は無香料
    ・きょうだい:全て無香料(合成洗剤)
  • 義実家:
    ・義母:長年石鹸洗剤(無香料)・石鹸シャンプー・石鹸歯磨きを使用
    ・義きょうだい:微香合成洗剤(柔軟剤使用かは不明)

以前はマスク無しで会食でき、化学物質過敏症が進行してからも重症化するまでは簡単な不織布タイプの活性炭マスクの装着だけで済んでいました。

 

家に訪問したり実家や義実家から物をもらうことに関して化学物質過敏症発作を心配する必要がほぼ無いなど、重症化してしまったものの家族・親族の理解という点ではかなりの幸運に恵まれていると感謝の気持ちを新たにした次第です。

 

ネット記事・投稿や実際にお話させていただいた先輩患者さんによると、家族の理解を得られず自宅で休まらず悪化していく方、香りつき洗剤・柔軟剤を使いたがる家族との同居や親戚付き合いを通じ曝露を繰り返してしまう方が多いとか。

 

自分もどんなに必死で取り組んでも化学物質過敏症に詳しくない家族・親族が招く曝露に遭遇することは少なからずあり、「化学物質過敏症だからどうしてもそれはできない」と説明しても「どうしてできないの?」「それって言い訳じゃないの?」と言われたこともありました。

 

化学物質過敏症というのは寛解を目指し本人がどんなに頑張ってもどうにもならない部分というのが色々と重なりやすく、周囲の環境に大きく左右される病気なのだと痛感しています。

家庭内で同居家族により起きる曝露と家族関係

宅内で家族の不注意・無関心により起きた曝露にどう対応するか

以前よりも同居家族たちが理解を示してくれるようになったとはいえ、全面的な協力を得られているというわけではなく、家族が持ち帰り移香取りをしないまま部屋に持ち帰る日用品・書籍・プリント類、隠れて購入したり、発作を起こすとは予想せず買ってきた食品・日用品・文具を通じて曝露することも多いです。

後から聞くと「そこまでひどいとはわからなかった」「そんなものまで苦しくなるとは予想してしなかった」という理由だったりするのですが、以前発作が起きるものとして説明したもので同じことが繰り返される場合もあり、子供からは「知っていたけど我慢したくなかった」「欲しかったから自分で買ってきただけ」「苦しくて嫌ならあっちに行って部屋に入らなければいい」「部屋から漏れた臭気で廊下とかで呼吸困難やけいれんの発作を起こすのが嫌ならマスクでもしたら」という返事が返ってくることもあります。

重症化してから1年弱。「化学物質過敏症なんて存在しない」「虚言癖」みたいな扱いは一切されていないのでありがたい限りなのですが、「説明済みでお願いしてあるので起きないだろう」と気を抜いている時に起きる曝露で重めな症状が出ることも少なくありません。

 

ショックを受けたまま怒ったり抗議を繰り返したりしてしまうと家族関係が悪化する原因になることは自覚しつつも、発作を起こして思考能力が落ちたり冷静さを欠いたりした状態でも対応をなるべく間違わないようにと考えながら声をかけるというのはなかなか難しいように感じます。

化学物質過敏症の親と子供

以前お話させていただいた先輩患者さんによると、子供を持つ化学物質過敏症患者さんたちのご家庭ではお子さんが成長するにつれ親の化学物質過敏症に付き合ってくれなくなっていくということがよく起きるとか。

 

ネットサーフィンをしていると化学物質過敏症の親に付き合わされた子供側の悩み相談、親元を離れ念願だった香りつき柔軟剤を使ったと思ったら自分も発症してしまった方の体験談など、子供世代の本をがうかがい知ることのできる投稿も見かけるのですが、親と違って化学物質過敏症を発症していない状態だと「親の都合に振り回された」「親のせいで人並みの暮らしを送れなかった」「色々な洗剤に注意しなければいけないという親からの指示が呪縛のようになってしまっている」という気持ちが強くなりやすいようです。

 

我が家の場合、当初はけいれんを起こしうずくまっている最中に冷笑とともに「そんな姿見たくない」「化学物質過敏症の話は聞きたくない」「もう発症してしまったのだから手遅れ、家族が一緒に対策するとか無駄にしか思えない」と言われたり、わざと発作を引き起こすように移香が非常に強い外出着のままこちらに近付いてきてその場から離れてくれなかったりと、反抗期真っ盛りの我が子との間で軋轢もありました。

 

今はこちらの体調がやや落ち着いてきたこと、療養生活がもはや日常化して家族の皆が受け入れながら暮らしていかざるを得ないことがはっきりしてきてしまったため当初のようないさかいは減りましたが、化学物質過敏症について家族のそれぞれが自主的に学ぶとか一緒になって積極的に原因物質を排除しようといった感じにまではなっていません。

 

これから成長し社交範囲が広がるにつれ

  • 「かつては家族で外食・観光・旅行を楽しめ親が学校行事に顔を出してくれていたのにそうした当たり前がこれからはずっと無理になり、自分は我慢を強いられ続けている」という不満・怒りにどう答えるべきか
  • 長い間重症化した親に付き合わせることでたまっていく不満やストレスをどうすれば軽減してあげられるのか
  • 「流行りの香りつき柔軟剤を使いたい」「みんなみたいに香りつき制汗剤を買ってみたい」といった希望を持ったり、無断て家に持ち込んで使用し大量曝露を起こしたりした時に子供にどう対応するのが最善か
  • 体質が遺伝して将来同じように発症するリスクが高い我が子に、患者予備軍として関心を持ってもらうにはどうするか
  • 化学物質過敏症の親との生活が子供にとって呪縛やトラウマにならないようにできることは何なのか

といった課題が積み重なっていくことが予想されるなど、考えるべきことは多いようです。


こちらもあくまで家族にお願いして合わせてもらっている立場なので何もかもが望んだ通りにいかないことは承知しているのですが、宅内での予期しない曝露により症状がぶり返してしまう時もあったりと、焦りを感じることもあります。自宅療養生活が続いているわりには発作の内容がだんだんと神経系異常に遷移してきている自覚もあり、大きな病気になった時のことや老後の心配など、不安もまだまだ大きいです。

 

ちなみに子供のおやつですが、親としては普段から人工甘味料・合成着色料・発色剤・リン酸塩・マーガリン類は避けているものの、外で買ったりもらってきたりするスナックを「これもだめ、あれもだめ」「体に悪いものばっかり」と全て廃棄するといった処分をしてまで完全無添加にすると子供がストレスと不満で爆発して隠れて買食いするようになってしまうので

  • 外食時のスナックやドリンク
    体に悪そうなものを避けるならある程度好きなものを選んでOK
    人工甘味料などラベルを見て確認できるようであれば避ける
  • 自宅
    果物ジュースは100%(できればストレートタイプ)
    通販で買える時には無添加ゼリーなどを買い置きしておく
    ネットスーパー利用の場合、親が耐えられる程度の香料であれば子供のリクエストに合わせてチョイス
    キャラものスナック等は添加物・保存料の有無・量を確認の上時々購入
    洗剤よりも強いレベルで香る食べる香料状態のお菓子は避ける
としています。

 

集合住宅における住戸位置と化学物質過敏症

自宅がマンション上階にあることが外出を困難に

ネットなどでは化学物質過敏症患者さん同士の情報交換においておすすめ情報として「マンションであれば最上階がいい」「角部屋がいい」といった話もしばしば見かけます。しかしながら自分は、そうした一見体に良さそう・環境が良さそうな立地を選んだがために病状が進行し、ひどい重症化にまで至りました。

 

化学物質過敏症の発症を自覚している状態でそうした物件に住む件については

  • 規模が中程度~大規模、24時間換気がある、浴室乾燥機があるといった条件が揃うほど、365日24時間大量の香料・抗菌剤が共用部に常に供給され、自宅にいても隣接する住戸から常時吸い込むので、曝露の総量が大きくなりやすい。
  • マンションは24時間換気の有無にかかわらず洗面所・浴室からの排気が廊下側に出されるため、エレベーターから遠い角部屋に住むとエレベーターのところに行くまでに通過する各住戸とエレベーター前の住戸のところで曝露が起きる。
  • 香料などの揮発性物質は上に向かって上昇するので、上の階の住戸になるほど上昇してくる香料・抗菌剤の総量が大きくなりやすい。
  • 上の階になるほどエレベーターで住人や配送業者と乗り合わせる時間数が長くなり、同乗による曝露リスクや他の人の残り香による発作発生に怯えることになる。
  • エレベーターに乗ることを回避したくても、上の階だと気軽に往復できず、階段がある共用部にも各階の住戸から排出された香料・抗菌剤が常に滞留しているので、エレベーター同様曝露リスクがある。

といった問題点があり、ネットで言われているほど化学物質過敏症患者の体には良くなかったです。

 

集合住宅に住んで散歩のための外出も続けるのなら

  • 築年数が古かったりで24時間換気が無い
  • 戸数が少ない
  • 洗面所・浴室からの排気口がそばに無い階段経由で屋外に出られる
  • エレベーターを一切使わずに階段だけでも済ませられる1~3階あたりの、階段そばの端寄りの住戸
のほうがおそらくずっと良いのでは、という気がします。
 
実際に自分はそうした条件の小規模マンションから先述のような築浅中規模マンションの上階に引っ越してしまい大失敗しました。
 
重症化して香料やエタノールなど様々な物質で発作を起こす体質は寛解しても完全には消えないため、一生付き合っていかなければいけない病気を背負うことになってしまった形です。病気になっても入院生活に不安がつきまとい、歯科治療も中断したまま受けられず、老後に介護施設に入ることも在宅介護を受けることもおそらく難しく…
 
悔やんでも悔やみきれない、人生最大級の失敗だったと言っても過言ではありません。

治療と体力向上・免疫力アップのため散歩に行くよう指示されても曝露リスクが高く足が遠のく

通院している日野厚生クリニックからは散歩・運動・日光浴などを行うよう指示されているのですが、住戸数も多い24時間換気のマンションでは屋外に出るまでの距離が長いため外出に当たってはもれなく曝露が起こり、自宅玄関ドアを開けると宅内にぶわっと香料や抗菌剤といった揮発成分が流れ込み、バルコニーには常に香料・抗菌剤が漂っていることからベランダに出ることも難しく、ただただ自宅の室内にいるしかありませんでした。

 

我が家はマンションエントランスからの距離が全物件の中でおそらく最も遠く、抗菌消臭洗剤・柔軟剤の臭気が24時間排出され滞留している共用部廊下やエレベーター内を経由してエントランスにたどり着くまでに数分かかります。

 

嗅覚過敏が進んでから気付いたのですが、移香能力が強く抗菌剤の配合量も増加した洗剤・柔軟剤が普及したことから、共用廊下を行き来して散歩から返ってくると少量とはいえ服や髪に抗菌洗剤特有のツーンとした薬剤臭が移香しているのが感じられるようになりました。

 

短時間でもマンション玄関外に出かけるとゴーグル無しでは目がビリビリ痛んでおさまらなくなる、帰宅後にうっすら移香した服を脱いで洗濯し髪の移香を落とすためにシャワーも浴びなければいけないという面倒臭さと、マスクを外して脱衣・入浴する際の曝露により軽度でもめまい・ふらつきなどの発作を起こすのが辛いという気持ちなどから外出の意欲がどんどん低下。

 

防護マスクをしても衣類や髪への移香経由で曝露が起きると筋脱力で握力が落ち食器をすぐに割ってしまうなど、日常生活に影響が出て曝露後しばらくふらふらになりやすいため、家の外に出たくてもリスクが高く尻込みしてしまうというのが正直なところです。

 

抗菌消臭洗剤・抗菌ビーズ・抗菌柔軟剤・香りビーズがここまで強力になると想像していなかったためマンションからマンションへと転居してしまいましたが、完全な誤算でした。この運動不足をどう解消するかが課題の一つとなっており、長期の自宅療養でどれだけ体力が落ちているのかも気になるところです。

戸建ての持ち家と違い、マンションは分譲でも勝手な改造ができない

集合住宅で重症化し色々な対策・DIYを行おうとしてネックになったのが、「マンションは窓サッシなどが共有部扱いで、すきま風対策として気密ゴム部品を無届けで交換したり、引き違い窓を開き窓に変更したりができない」という点でした。

 

化学物質過敏症や香害について調べていくうちに「引き違い窓はすきま風が出やすく、リフォームで外開き窓などに置き換えると改善する」ということがわかったのですが、マンションではそれが許されないため、すきまパテで窓サッシの各辺を埋めて外気を遮断する方法を取らざるを得ませんでした。

 

引違い窓でのすきま風トラブルはかなりの悩みの種で、将来持ち家に引っ越すことができたらその時は全部外開き窓にしたいと思った次第です。

24時間換気が停止できないタイプだと外気の流入を止められない

今のマンションに入居して知ったのですが、24時間換気の操作パネルは容易に長時間停止できないようになっていたり、完全停止ができないしくみになったりしているようです。特に不便だと思ったのが、完全停止できず弱風でも常に換気が行われ、外気を引き込んで臭いからといって一時的に風量をゼロにして対処することができない場合がある点でした。

 

自分は活性炭フィルターを給気口に取り付ける前、停止ができない24時間換気のために宅内に臭気を引き込む状況がノンストップで続くシステムに難儀し、一時的にめまいやふらつきが悪化したことがありました。

 

換気や宅内の空気をきれいに保ち二酸化炭素濃度を上げないという意味では全ての給気口を全開にしておくことが望ましいとはいえ、空気浄化対策が十分でない状況では病状を進行させてしまうため、色々と対策グッズを買い込んだり日曜大工(DIY)経験があって自力で色々と設置・改造できなかったりする方にとってはデメリットとなるように感じました。

 

次に転居する時はこの点についてもしっかり確認しなければ、と思っています。

マンション側への相談と管理会社の対応

管理会社は香害や化学物質過敏症の存在を否定

相談は2024年春と2025年春の2回で、初回は主に臭気が誘発した咳と喘息の問題、2回目は重症化の報告や戸別注意喚起の可否と売却時に関連した懸念事項の相談を行いました。

  • 1回目の問い合わせ内容
    ・隣接住戸の洗濯物の香りが食事のにおいがわからないぐらいに強すぎ困っている
    ・喘息発作やアレルギー性の咳を数ヶ月にわたって日夜繰り返し、疲労骨折が起きてしまった
    ・窓を閉めたりしているにもかかわらず臭気がどんどん入ってきてしまうので、何か対策は無いか?自分で色々と工夫したが、十分な解決に至らなかった。
  • 2回目の問い合わせ内容
    ・重篤なアレルギー症状が出て、化学物質過敏症と言われるような病気の重症化が起こってしまった
    ・隣接住戸から排出される臭気が数年前に比べるとかなり強くなっており、戸別に管理会社からの注意喚起を行っていただいたり、当方がお願いを伝えさせていただいたりということは可能か?
    ・転出する場合、売却後に類似した問題が発生するのを懸念している

1回目、2回目の回答は化学物質過敏症、香害、香りで誘発される喘息などの発作などについてその実在や因果関係を完全否定する方針でした。

  • 思い込みに過ぎず、強い香りで病気にまでなるということ自体管理会社として認めない。
  • 夫や子供までもが咳をしたり臭くて気持ちが悪いと言ったりしているというのは作り話なのではないか。
  • マンションなので色々な香料が流れ込んできて当たり前なので、極めて強いにおいで窓が開けられないと感じても、フラフラになったり喘息発作を繰り返したりしても、自分の勝手でそうなっただけ。香りとは無関係。
  • 充満する臭気で食事・健康・睡眠に影響が出たと言っているが、マンションでは色々な家の洗剤・柔軟剤が香って当たり前。自分だって毎日他の家のにおいを吸ってマンションで暮らしているが、当然だと思って受け入れている。弱い臭気も強い臭気も全て我慢して暮らしていくのが集合住宅のルール。
  • 共用部での喫煙と違い規約で禁止されていないので、香りつき洗剤・柔軟剤を使っている家はどんなにたくさん使っても許されるべきだし、そもそも誰にも迷惑をかけていない。苦情や病気になったと言い出す側が間違っている。使う側の権利を全面的に認めるように。
  • 「売却時の内覧でマイナスになるのではないか」「資産価値減少になってしまうのではないか」という心配はするほうがおかしい。
  • 香りで病気になるというのは思い込みに過ぎないので、売却後同じように強いにおいに困る人だとか体調不良になるといった買い手とかが現れることはあり得ない。そういう想定をすること自体が間違っているので、売却時も含め香害に関する具体的対応は管理会社として一切行わない。中古マンションとして売り出せばすぐに買い手は現れる。対策も何もしなくてもいい値段で簡単に売れる。お宅はあれこれ心配しないでさっさとマンションを売って出ていけばいい。

といったもので、結局何の進展も変化も無いままとなりました。

管理会社の対応について

管理会社側には香害について全面的に認めてもらいたいといった期待はせず、せめて窓サッシに関連したアフターサービスなの案内ぐらいはしてもらえればと思っていたのですが、香害問題の否定や当方の体質の身勝手さ・思い込み・ノイローゼという方向へ持っていこうとするばかりで、マンションの構造や排気経路・排気口の位置に関してはマンション販売時に配布していたプランブックの各住戸設計図に反するような発言もありました。

 

化学物質過敏症に直接関係が無い部分でも整合性が見られない回答があり、香害などこの世には無いという論調に終止していたことから、「ちゃんと対応してくれない」という不満よりも「過去に香害や化学物質過敏症がらみで揉めた経験でもお持ちなのだろうか?」「公害問題は一律で却下するという支社や担当者氏の方針なのだろうか?」と当惑する気持ちの方が大きかったです。

 

化学物質過敏症はまだ十分に解明されていない部分も多く、世間で認知されているシックハウス症候群に似ているにもかかわらずその存在自体が否定され、発症を主張する人は「精神病」「神経質」「ノイローゼ」「陰謀論者」と呼ばれ、専門外来で手に入れた診断書も「怪しい似非科学・似非医学により不適切に出された診断」などと言われることも少なくありません。

 

喘息・アレルギー持ちの過敏体質者が他のお宅に無香料製品の使用を強制するといった無茶はおかしいということは理解していますが、化学物質過敏症が実在しない架空の存在で香害が健康被害につながった事例がこの世に一件も無いという主張には首を傾げざるを得ませんでした。

 

発症者が全てをあきらめ這這の体で売却・転出し、買い取った関連会社が何も無かったように環境に恵まれた優良物件として売り出す、といった流れになってきてしまったことで、集合住宅住まいだった化学物質過敏症患者さんたちがネットで報告されたりしている「全く取り合ってもらえなかった」「神経質で頭がおかしい人扱いされた」「泣き寝入りだった」といった体験談に思いを馳せたりもしました。

香害問題と専門外来主治医の意見書

本件ついては日野厚生クリニックの院長先生が疑問を呈し、香害による健康被害や化学物質過敏症の実在を否定する発言に関しては認識を改めてもらうようにとの意見書を作成することも提案してくださいました。

 

管理会社の回答にショックを受けるとともに交渉を続けることに意義を見出だせず自己努力による対処という方向性にシフトしたこともあり今のところ意見書作成を申請するには至っていませんが、多くの患者さんたちを見てきた立場の先生からそう力添えの申し出をいただけたことは心強かったです。

 

なお、

  • 外部の建築士を入れて窓サッシなどに経年劣化や歪みによるすきまの拡大が認められても、管理会社が補修・対処を拒絶する
  • 専門業者に総揮発性有機化合物(TVOC)濃度を測定してもらい住戸で基準値超えの空気質汚染が起こっていることが確認できても、喘息悪化や化学物質過敏症などとの因果関係を否定し、窓サッシの部品交換なども認めない
  • 売却後同様の喘息・アレルギー疾患事例が発生し責任を問われる可能性について、一切責任を負わず関知しないという方針を取り続ける

といったことになり管理会社とのやり取りを弁護士を立てての調停という形にする場合には、弁護士さんと院長先生との間で司法面談を行い、事実関係の確認や意見書の使用意図についてしっかり聞き取りをしてから意見書を書かれるとのこと。

 

日野厚生クリニックによると、患者側の主張だけで作れるようなものではないので、弁護士が日野厚生クリニックを訪問→司法面談→意見書を作成→管理会社との調停に使用、という流れになるとのことでした。患者の言うがままに書類を発行することで起こるトラブルを防ぐよう、しっかりルールが設けられている模様です。

色々と模索したものの寛解からは程遠い日々が続く…

結局、窓を閉めていてもどんどん外気が入ってきてしまう引き違い窓の劣化したゴムパーツの交換を行うといった補修を受けたりすることもできず、「時間がかかるから解決にならない」「管理組合に相談するなどおかしい」「管理組合に言ってもどうにもならない」「管理会社は本件に関して管理組合には取り次ぎはしない」と管理組合への事例報告・相談も止められたりで、自分自身で何もかも対処しなければならず、共用部に当たる窓サッシなどを損壊しない範囲内での改造を模索しつつ試行錯誤しているうちに病状が進行し、重症化そして社会復帰のめどが立たない療養生活の長期化という取り返しのつかないことになってしまいました。

 

「最近調子が良くなった気がする」と感じて防護マスクをして外出してもいつの間にかパワーアップしさらに粘膜刺激が強くなった抗菌消臭系製品の威力にやられ退散し帰宅、できるのはせいぜい屋外のサイクリングだけ…といった繰り返しで、社会復帰自体もうできないのではという気持ちにも襲われたりもしています。

売却・転居を目指し香害・シックハウス問題に詳しい専門家に相談

日野厚生クリニックへの通院が始まってしばらくは頼れる人も無く、ただただ自宅療養するだけの日々でした。

 

事態の打開を目指し実家が色々と周囲に相談してくれていたようで、そこから先輩患者さんへの相談、シックハウス症候群問題に関心のある建築士さんとのやり取りが開始。香害やシックハウス問題を扱った経験のある弁護士の先生に相談させていただく機会を得ることができました。

 

元々マンションを訴えたいとか猛臭を発していた隣接住戸に健康被害の責任を直接負わせたいとか思っていたわけではなく、化学物質過敏症界隈の色々な事例からもそういったことは逆効果になりかねないと承知していたので

  • 全てを否認して対応を拒否している管理会社とどうやり取りするのが良いか
  • こうした問題住戸の資産価値や売却、売却後の責任問題の実情はどうなっているのか
  • 化学物質過敏症患者が発生した住戸をとシックハウス症候群の事例にならって売却するとしたら、どんな対策ができ得るか

を主な問題点として相談を行いました。

 

弁護士の先生からは

  • 化学物質過敏症は屋外から流入する洗剤・柔軟剤の成分だけでなく様々な原因が重なって発症すること、因果関係を科学的に証明することは難しいことから、裁判で何かを勝ち取るとか責任を負わせるとかが希望だとなると勝ち目が無い。
  • 管理会社というのは住民が思っているほどの権限は無い。できる対応には限りがあり、住民が直接やり取りすることを禁じる規約が無ければ、他住戸や管理組合長と直接やり取りしても構わない。
  • 他住戸とやり取りする時は、「この洗剤を使ってください」「無香料に変えてください」「柔軟剤は使わないでください」と相手の洗濯スタイルを大きく変えさせる実現・継続が難しい強制に近いお願いをしたり、長いプリントやチラシを渡したりすると引かれることが多くこじれてしまうので、普通の洗剤・柔軟剤ユーザーが耳を傾け受け入れやすい伝え方やお願い内容を考えるのが良い。
  • プリント類を渡す時は読む気が無くならないよう簡潔に枚数を抑える。
  • 化学物質過敏症が実在しないという管理会社側については、各種検査の上で診断書を出してもらえる日野厚生クリニックの診断書が効力を示すことが多いので、コピーを提出すると対応が変わるかもしれない。
  • 健康被害が出たという事実がありながら黙って売却し同様の香害・喘息被害・化学物質過敏症被害などが発生した場合、責任問題になることもあり得る。
  • できるならば総揮発性有機化合物(TVOC)濃度を測定する専門業者を入れ、データ・証明書の形で記録を取ってから売却を進めるのが望ましい。シックハウス症候群など屋内の空気質にかかわる基準値を超えていた場合管理会社に通達すれば良いし、基準値を上回っていなければ普通に売却しても大丈夫では。

との回答をいただき、マンションとの抗争や他住戸への要求といった形ではなく、適切な手順を経ての売却と転居として、化学物質過敏症患者側の無理・無茶を押し通そうとして軋轢を生むような言動を避けながら準備をしていこうという話になりました。

 

なお築年数の割には劣化が早い窓サッシの気密パーツについては、カスタマーサポートの◯年保証に含まれている場合は、化学物質過敏症や香害問題とは切り分けて通常の手順で申し込むのが良いだろう、とのことでした。

重症患者には耐えることが難しい集合住宅生活

集合住宅でそれなりに元気に暮らせると漠然と思い込んでいた自分の甘さを痛感

自分自身も24時間換気の築浅マンションにおける香りの問題がここまでひどいとは知らず、認識不足だったと思います。

 

購入当初は入居者が少なく窓も自由に開けられ、入居した頃もまだそれほどでもなかったのですが、完売になった時点で大きく状況が変化。ほんの数年のうちにツーンとした刺激臭のある成分を含んだ抗菌消臭洗剤・ハイター・柔軟剤・香りつけビーズが急速に普及し目・鼻・喉の痛みが出たり咳・鼻水・鼻血が止まらない不眠続きの生活になるとまでは想像しておらず、活性炭フィルターをも貫通して侵入してくる成分にこれほどまでに悩まされるとは予想できていませんでした。

 

化学物質過敏症になったと自覚していて強い香りで発作が誘発される病気である喘息の持病まで持っている人間が集合住宅で元気に過ごせると考えること自体が甘かった、化学物質過敏症患者はマンション・アパート住まいにそもそも向いていなかった、と認識を新たにし、今後の生活について色々と思案しているところです。

寛解を目指して…

今は自宅にこもっている限り大きな発作も少なくある程度の療養ができているとはいえ、未処理の外気の空気質の悪さはかなりのスピードで進行しており、老後まで長く住める場所ではないことを実感。化学物質過敏症も嗅覚過敏も重症化した自分はもはや集合住宅には住めない体質に変わってしまったことから、近い内に転出して集合住宅が少なく戸建てが密集していないエリアを探して住むことになりそうです。

 

近隣に化学物質過敏症患者向けの無添加住宅賃貸などは無いこと、新築・中古・賃貸ともに転居が難しいほどに重症化したことから、実質的には売地を探して化学物質過敏症対応住宅を建てるしか選択肢が無い状況です。

 

とはいえネットで色々な方の体験談を読んだり実際に先輩患者さんから話をうかがったりすると、戸建ては戸建てで住む場所や立地によっては香害被害がひどく隣人関係の悪化なども含め集合住宅とはまた違った問題がある様子。不動産相場の高騰で多くの人によってマイホームが縁遠くなってきている昨今ですが、次に転居する機会に恵まれた時には、何度も下見を重ね慎重に行動したいと思っています。