”自分の居場所が分からなくなる”~モラルハラスメント | モラハラ/毒親相談対策ブログ 相談実績5000件超の公認心理師/行政書士 佐藤千恵

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家族問題/DVモラハラ/毒親問題専門 公認心理師/行政書士
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光文社女性自身 「モラハラ夫に気をつけろ」
NTTドコモ公式サイトママテナ 複数連載
NHK あさイチ「意外と身近?”モラハラ” 夫が怖い」取材協力
講談社 現代ビジネス 執筆中

 

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みなさまこんにちは、

 

本日もブログにお越し下さり

どうもありがとうございます。

 

 

 

さて、本日の記事ですが、

 

久しぶりの朝ドラネタで

行きたいと思います。

 

 

NHK朝の連続テレビ小説

「ブギウギ」、

 

みなさんご覧になっていますか?

 

 

 

**以下は本日の放送回のネタバレが

ありますのでご注意下さい**

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日は今日の放送回の中から、

 

秋山さんと中山さんとの

やり取りについて

取り上げたいと思います。

 

 

 

ドラマを観ていない方には

少々分かりにくいかと思いますが、

 

なるべく分かりやすく伝えられる様に

頑張りますね。

 

(以下、敬称略)

 

 

主人公スズ子と共に

大阪の劇団から東京に移籍した秋山。

 

(ちなみに大阪では秋山は男役で、

スズ子は娘役でした)

 

 

秋山は完璧主義(?)で

良い舞台を作る為に妥協を許さない

真面目な女性です。

 

 

秋山は東京に移籍後、

 

日本のトップダンサーとして

君臨している中山と出会い、

 

あこがれや尊敬が恋愛感情に

変わっていきます。

 

 

秋山と中山はペアで踊る事が多く

中山も秋山に好意を寄せ、

 

中山は秋山にプロポーズしました。

 

 

しかし秋山は、

心血を注いで取り組んできた男役から

女役をやる様中山に言われた事、

 

そして突然のプロポーズに

日々悩み答を出せずにいます。

 

 

 

そんな経緯がある中で今日の放送回。

 

 

いつもの様に秋山と中山は

二人でダンスの練習をしています。

(秋山は女役として)

 

 

休憩している時、

 

慣れないヒールを履いてのダンスに

痛む足をさする秋山に、

 

中山は

 

「そろそろ例の返事(プロポーズ)も

聞かせて欲しいな」

 

「公私ともに僕のパートナーに

なるべきだ、君の為にも」

 

と告げます。

 

 

それに対し秋山は、

 

「本当にウチの為ですか?」

 

と返します。

 

そう言った秋山を

 

”何を言っている?”的な、

 

少なくともOK以外の返事を

想定していなかったかの様な

驚いた様な表情で振り返る中山が

印象的でした。

 

 

 

ここまで放送にすると

ほんの1分程度のやり取りでは

あったのですが。。

 

ここに、モラハラ事案を

たくさん見て来た私が

「あ」

と思う部分が凝縮されている様に

感じられました。

 

 

そもそも秋山と中山は、

 

出会いの段階から

”全く対等”な関係では無かったの

ですよね。

 

 

秋山は東京ではまだ無名の

新人ダンサーという立ち位置で、

 

一方の中山はすでに日本を代表する

ダンサーで、

フロント側からも

気を遣ってもらえる存在。

 

 

練習を共にする中で

秋山は中山への尊敬やあこがれが

好意に変わっていったのでしょうが、

 

しかしその中山から

女役への転向を指示された時も、

 

その後プロポーズの時にも、

 

明らかに戸惑っていましたよね。

 

 

結婚して人生のパートナーに

なる相手ならば、

 

こういう秋山の戸惑いにこそ

気づいてくれる人、

 

そもそも

「私は男役がやりたい」

という思いや、

迷いや不安な気持ちを軽視しない人で

あることが大事ですよね。

 

 

今日の放送回で中山が秋山に言った、

 

「公私ともにパートナーに

なる”べき”だ」

 

「”君の為”にも」

 

と言う発言。。

(””は私が付けました)

 

 

人生の大切な決断のとき、

 

自分はどうするべきで、

何が自分にとって為になるのか。

 

 

これは他人に決められたくないし、

 

少なくともパートナー関係を目指すなら

せめて二人で話し合って決めたいですよね。

 

 

正直、今日の放送回の中で

一番「怖い」と感じたのがこの発言

でした。

 

 

大切ないち人格の持ち主、

成人したいち大人である他者に対して、

 

「君の人生にとって何が最善か

理解しているのは(君ではなく)僕」

 

ととれる発言や、

 

何が「君の為」になるのかを

決め付けることができてしまう言動って、

 

物凄い不遜だし、怖いと感じたんです。

 

 

このやり取りの時に秋山が、

 

(中山に言われた)女役の為に

ヒールで踊って痛む足をさすっていたのも

とても象徴的に感じました。

 

 

合わない靴では自由に動けないんです。

 

けれど中山が秋山に求めたのは、

ヒールが必要となる女役。

 

 

私が日々面談している方は

「夫からのDVモラハラ」に悩む

女性が圧倒的に多いのですが、

 

彼女たちも心理的に合わない靴を

無理やり履かされているイメージが

あると言いますか、

 

妻を一人の人間として見ていると

言うよりも、

モラ夫にとって都合の良い妻役割として、

 

「妻とはこうあるべき」

「モラ夫が望む妻像」

 

に無理やり押し込められていて

苦しい、

 

そんな印象の方がとても多いです。

 

 

 

 

秋山はその後、スズ子と話す中で

 

「自分の気持ちに正直に生きたい」

 

「(中山のことは)好きだし

尊敬もしているけれど、

何でかあの人と一緒にいると

自分らしくいられない、

 

自分がどこにいるか分からなくなる」

 

と話して、

 

プロポーズは断り

大阪に戻って男役をやりたいと

決断します。

 

 

 

「輝いていたい」

 

と言った秋山に対して中山が

 

「僕といれば輝ける」

 

と言った所にきっぱりと

 

「輝けません!」

 

と返した秋山の態度は、

 

毅然としていて、

かつ

さっぱりした表情に見えました。

 

 

 

今回秋山が語った、

 

「(中山といると)自分らしく

いられないし、

自分がどこにいるのか分からなくなる」

 

っていう部分、

 

すごく「分かるなぁ~」と

共感しながら見ていました。

 

 

 

これは私の個人的な感想ですが、

 

会社や部活動なんかも含めて、

 

それが明確か暗黙のものかに関わらず、

 

上下関係がある中での

尊敬やあこがれの気持ちって、

 

恋愛感情としての好意との境界線が

あいまいになりやすいんですよね。

 

 

 

今回の秋山のケースも

土台としてそういう上下関係、

師弟関係の様なものがある中で、

 

どうして秋山が

「自分らしくいられない」

「自分がどこにいるか分からなくなる」

感覚に陥ったかと思うと、

 

それは中山が

これまでの彼女の生き方を肯定的に

見てくれていないから、

 

認めてくれていないからだと

個人的に感じています。

 

 

「君はまだまだダメだ、

僕と一緒にいる事で完璧になる」

 

そんなメッセージを暗に言われ続けている、

 

そんな風に私には見えたんですよね。

 

 

 

男役をやり、

それで輝きたいという強い思い、

 

その為に大阪時代からずっと

積み重ねて来た努力、

 

そういった部分へのリスペクトが無く

サラリと女役への転向を告げたり、

 

秋山の苦悩に気付かなかったか

気づいていても軽視したり、

 

秋山にも秋山の想いや考えがあるのに

それを「聞きましょう」という態度を

見せてくれなかったり。。

 

 

「言わない秋山も悪い」

と考える方もいるかも知れませんが、

 

そこが、

土台に上下関係や師弟関係があると

言い難さはどうしてもあります。

 

 

そしてそういう言い難さに対処する時に

必要なのは、

 

下の人間が努力するより

上にいる人が安全な空気感を作り

耳を傾けてくれること、

 

こっちの方が効果はてきめんです。

 

 

 

私は仕事柄、

 

職場のパワハラやセクハラ、

 

職場内での不倫などに関するご相談も

これまで複数お受けして来ています。

 

 

職場の不倫の問題では、

 

私が受けて来たケースでは

圧倒的に職場の部下の女性と上司男性の

不倫のケースです。

 

 

もちろん本当に恋愛感情を

抱いているケースもあるのでしょうが、

 

実際にカウンセリングをしてみると、

 

「上司へのあこがれや尊敬を

恋愛感情と勘違いしていないか?」

 

と言うケースがあるのも事実です。

 

(先述の通り、

あこがれや尊敬の感情と

恋愛感情としての好意って、

境界線があいまいに感じる事が多いので)

 

 

ちょっと、最後は違う話になって

しまいましたが、

 

恋愛をはじめとして

密接な関係を作るパートナーとの

関係性において大切なことを、

 

今回の秋山を通じて改めて

見せてもらった感じがしています。

 

 

もっと、

ただのドラマなんだしリラックスして

見れば良いと思うのですが、

 

職業病なのか

やっぱり色々受け取ったり

考えたりしちゃうんですよね~。笑

 

 

 

もし今日のブギウギをご覧になった方が

いらしたら、

 

どんな感想をお持ちになりましたか?