肯定する子~モラルハラスメント | モラハラ/毒親相談対策ブログ 相談実績5000件超の公認心理師/行政書士 佐藤千恵

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家族問題/DVモラハラ/毒親問題専門 公認心理師/行政書士
【メディア掲載】
光文社女性自身 「モラハラ夫に気をつけろ」
NTTドコモ公式サイトママテナ 複数連載
NHK あさイチ「意外と身近?”モラハラ” 夫が怖い」取材協力
講談社 現代ビジネス 執筆中

 

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事務所の特質上、記事は夫からモラルハラスメントを受けている妻と言う設定が多いです。あらかじめご了承下さい(ファミリーバイオレンスは女性が加害者となるケースもあります)

・当ブログは実際のDVやモラハラ事例を含む内容を紹介している記事が多いです。フラッシュバックの心配がおありの方はご注意下さい

・記事及び写真の無断転載コピー流用等は固くお断りいたします

・記事の内容はあくまで執筆当時の情報、考えや経験に基づくものであることをご了承ください

・ご紹介している事例はプライバシーに配慮し過去の複数の相談事例を再構成したものです

 

 

 

 

みなさまこんにちは、

 

本日もブログにお越し下さいまして

どうもありがとうございます。

 

 

 

 

いわゆる「毒親」に育てられた

ACの自覚のある女性達や、

 

もっと明確に

虐待を受けて成長した女性達から、

 

日々のカウンセリングの中で

様々な語りをお聞きします。

 

 

 

「役割逆転」は、

 

いまや家族機能や虐待、

マルトリートメントなどを語る時には

頻繁に出現する言葉ですね。

 

 

一言で説明すると、

 

子どもが子どもとして振舞えず、

親をはじめとした

家族のケアをする側に回っている、

 

そういう状態が

当てはまると思います。

 

 

 

私はかねてから、

 

「家族は共同体」と考えていることを

お伝えしています。

 

 

家族は個人として尊重される事を

必要とされ、

 

しかし同時に

それぞれに役割があるのも事実で、

 

家族が役割を果たさず責任を放棄して

しまえば家庭は

しっちゃかめっちゃかになり、

 

そのしわ寄せは

恐らく最も弱い部分に集中するでしょう。

 

 

 

 

カウンセリングをしていると、

 

「親を肯定する役割をはたしてきた子」

 

に出会うことがあります。

 

 

 

「親が子どもを肯定する」

「親が子を肯定し自信を付けさせる」

 

のではなくて、

 

子どもが親を肯定し

心理的に支えているのです。

 

 

 

 

父親が愚痴っぽい人で、

 

家族への不満、

社会の不満、

会社や同僚への不満、

 

報道される世の中の出来事への不満、

テレビに出て来る有名人への不満。

 

 

そういうのをひたすら聞き役になって

聞き続けて、

 

時に励まし時に慰め、

 

そんな風に成長してきたある女性が

いました。

 

 

彼女は父親の不満や愚痴を

 

「そう思うのは当然だ」

「父さんは大変だ」

 

と、

父親の不満の中身も良く分からない

小学生の頃から、

 

ひたすら肯定しました。

 

 

彼女の父親は男尊女卑の価値観が

強い人で、

 

娘のことも軽んじる人でした。

 

 

彼女は自身も女性でありながら

女性が不満の対象となった時、

 

「男の父さんにしか分からないことが

あるんだろうね」

 

「男は大変だ」

 

と、

父親の不満、

自分の一部を否定される愚痴であっても

引き受け続けました。

 

 

 

 

母親のケアを一切しない父親を持った

ある女性は、

 

母親から頻繁に

「父親の愚痴」

を聞かされて育ちました。

 

 

彼女は本来母親の子どもで、

 

年齢的にも子どもであったのですが、

 

ひたすら母親の不満や愚痴を聞き、

 

「お母さんは辛いね、大変だね」

 

と、

母親の不満を肯定する役割を

果たし続けました。

 

 

母親は父親の愚痴を言い続け、

 

時にその父親の子どもである

彼女や兄弟のことまで

否定的に言う事がありましたが、

 

それでも彼女は母親の愚痴や不満を

否定せず、

 

聞き役を務めあげました。

 

 

 

ここに登場した「彼女」。

 

 

こういう「彼女」たちに、

 

私はカウンセリングの場で

沢山出会ってきました。

 

 

 

 

彼女たちは大人になってから、

 

「人間関係にいつも苦労する」

 

「自分の中の空虚感がすごい」

 

「生きている実感が無い」

 

「他者との距離感がうまく取れない」

 

「異性との関係に苦労している」

 

「他者に対し

ポジティブな感情が持てない」

 

「物事を何でも批判的に見る癖が

ついている気がする。しんどい」

 

等と自覚し

カウンセリングに来て下さることが

多いです。

 

 

 

 

私は彼女たちの過去を聞く度に、

ひとつの大きな疑問を抱きます。

 

 

「親の聞き役になり

親を肯定し続けてきた彼女、

 

その彼女の話は

誰が聞いてくれたのかな。

 

彼女の事を肯定してくれる人は

身近にいたのかな」

 

と。

 

 

子どもはとても賢くて、

そして親の顔色が読めてしまいます。

 

だから、

 

親から日常的に、

頻繁に愚痴や不満を聞き続けた子は、

 

「親には余裕がない」

 

と言う事に気付きます。

 

 

 

子どもは自分がしんどくても、

 

親の方がしんどそうだと思ったり

自分より先に親がしんどくなっていたら、

 

「自分がしんどい」と言うことを

言わなくなってしまいます。

 

 

たくさんカウンセリングの仕事を

してきて、

 

そういうものだと分かります。

 

 

 

 

親も、大人も、

支えや愛情を必要とします。

 

 

それは自然なことです。

 

 

 

もしも家庭内で

親が支えや愛情を感じられなかったと

したら。。

 

 

そんなとき

親の方にも何らかの、

 

「立ち戻れる拠り所」

 

の様なものがあればいいのだけれど、

 

子どもに支えて貰ったり

子どもから肯定される事を期待する親は

親自身も困難を抱えている事が少なくなくて、

 

残念ながらそう言った拠り所を

持っていない傾向を感じます。

 

 

立ち戻る拠り所が無い場合

親自身が漂流するか、

 

子どもに拠り所となることを求めるのか。。

 

 

いずれにしても、

 

幼い子どもが親の拠り所を

務めるのは、荷が重い。

 

 

 

家族である以上、

 

お互いが一定の依存を持って

支え合っている部分は否めません。

 

 

また、

子どもが親に依存する存在であることは

当然のことです。

 

 

 

重要なのは、

 

その支えや依存が一方通行に

なっていないか、

 

家族構成員の年齢や成熟度に

見合った役割を果たし、

 

過度の要求になっていないか、

 

そういうところだと思いますが。。

 

 

 

いかんともしがたい”生きづらさ”、

 

これを感じずにはいられません。