出張最終日の誘惑。そして、爆発の危機。 | ◆根本裕幸

◆根本裕幸

恋愛や結婚、性などのパートナーシップ・家族に関する問題からビジネス、対人関係、健康・病気・死など幅広いジャンルを扱う。感情・感覚をフルに使った“目からウロコ”な心理分析や、じんわりと心に響くハートフルな癒しには定評がある。

出張の最終日には敵が潜んでいるので注意が必要である。

最終のカウンセリングを終え、ふぉーっと雄たけびと共に深呼吸すると、私の頭の中には「さあ、打ち上げだ!」という言葉がいずこからか去来する。

すると、ここまで数日間保っていた緊張が解かれ、あたかも、お小遣いをもらって街に出てきた小学生のごとく、これからの時間をどう過ごそうか目を輝かせてしまう。
とはいえ、ゲーマーでも漫画オタクでもない私は、食もしくは酒に走る。

どの店で食事をしようか、どのバーで飲もうかを頭は勝手に検索し、その後のスケジューリングを綿密に組み立てるのである。ワークショップ中のスケジュール構成はとても苦手なくせに、飲食に関する予定表は小田急の踏切での待ち時間すら計算に入れつつ組み立てられる。我ながら、その才能は別の箇所で使いたいものだ。さて、そのスケジュールに従い、恒例の「カウンセリング後のひとっ風呂」に出かけた。この出張中、毎日石川湯に通っている。最寄であり、小奇麗であり、ちょうどいい混み具合だからである。しかも、近道を見つけたため、道程が2,3分ほど短縮された。この石川湯へは世田谷区北沢の高級住宅街を抜けていく。ここに住むには外車じゃないと契約してもらえないの?というくらい高級車が並ぶ界隈である。時に「おぉ、我が、かわいいヴィッツがいた!」と思えば、築数十年は経とうかという古いマンションの駐車場であった。メルセデス、BMW,アウディ等、見てるだけで気持ちいい、そんな街を、不審者とぎりぎりの様子で(だってきょろきょろしてるから)歩いて風呂に入る。そして、熱めの湯で冷えた体を温め、さくっと来た道を戻る。小田急の踏み切りで待たされる間に湯冷めに怯えつつ、いつも以上に早足でカウンセリングルームに戻る。夜のCafe Mardiで、その後は楽しみの夕食である。現在、最寄のカフェ、Mardi強化キャンペーン中につき、オーダーストップぎりぎりの時間に駆け込む。「まだ、大丈夫ですか?」と聞き、最近はまっているサッポロの生ビールをオーダーする。ビールの趣味も色々変わっているのであるが、現在はサッポロ・黒ラベルが一番美味しいと思っている。因みに、その前はキリン・クラシックラガー、さらにその前はエビスであった。因みに、なんでキャンペーン中かというと、寒いから遠いところには行きたくない、かつ、怖いので知らない店には入りにくい、という至って個人的な事情からである。さて、ここで最終日ゆえの注意を要する。明日は帰るだけなので気分は非常に開放的である。しかも、21時過ぎまで精一杯カウンセリングをさせてもらったから充足感もいっぱいである。そして、職業上も個人的趣味上も「おつかれさま!」と思い切り自己承認をしてあげたいと思うのである。よって、ここで、調子に乗ると3,4種類のメニューをオーダーしてしまいそうになる。そこで、まだ辛うじて生き残っていた理性を働かせて、サラダとスープリゾットを頂くことにした。ここがぎりぎりのラインと見た。ほんとうは・・・お肉・・・チーズ・・・カレー・・・ナン・・・食べたいものはたくさんあったんだけど・・・。もう一つはお酒の誘惑である。開放的かつ充足感があり、自分を褒めてあげたいときは、やはり祝杯をあげるべきであろう。イメージとしては、静かな狭いカウンターのみのバーにて、静かにシングルモルトのスコッチをTwice Upで頂きたいところである。しかし、おそらく、今、そんな暴挙に出たら、間違いなく4杯は行く。そして、バーテンさんの「これなんか合うと思いますけど」という提案に従って、更に3杯は飲んでしまう。そりゃあ、お金もかかるが、また体をいわしてしまう・・・と必死にこらえ、とりあえず、Mardiではビール2杯のあとはコーヒーを頂いて凌ぎきった。クローズの時間も近いので、心の中の葛藤は微塵も見せずに店を後にする。何となくお店の人が顔を覚えてくれてるっぽくて嬉しくなる。さて、この後はコンビニの誘惑にも勝ち、何とか部屋に戻ることができた。なんだか、最終日の解放感が、いつしか、ダイエットのための修行の場になってしまった・・・。とはいえ、葛藤の割りにカロリーはきちんと取得しており、成果は露ほども出ていない。