今回も例によって、心理学とはまったく関係ない、個人的なお話をさせていただこうと思う。
大阪のカウンセリングルームの近くにはコーヒーの名店「ヒロコーヒー」がある。
私をはじめ、カウンセラー皆がお気に入りで、店内でばったり出くわすことも少なくない。
さて、そのヒロコーヒー。半年に1度、大特価キャンペーンを開く。
例えば、300gのコーヒーが、200gの値段で買えたり、会員にはちょっとしたプレゼントが配られたりもする。
もちろん、その日は店の外まで商品が溢れ、行列が長々とできるため、商品を持ったまましばらくの間は待ちぼうけを覚悟しなければならない。
ところがその日は、いつも気軽に拉致してくる お世話になっているお姉さんが私の姿を見つけ、「今、こっちのレジ準備してますから、ここにいてください!」と威勢よく声をかけてくれた。時間がない身には、とてもありがたいことである。ふだんから、そのお姉さんの話し相手ならびに売上げに貢献してきた恩返しと思ったらいいだろうか。人生には無駄なことなどないなあ、とその隅っこのレジの前で大人しく待っていると、目の前のワゴンに「半額!」と書かれたポップがあり、その前にずらっと「電動ミル」が並んでいる。常々、ミルが欲しいと思いつつ、しかし、禁断の領域だと思いつつ手を伸ばさずにいたそれが「半額」で売られている。サンプルを取ってみた。すると、これまた顔見知りのお兄さんが忙しいにも関わらず、そんな私に気付いて「それ、いいですよ。お勧めなんですよ。お買い得ですよ」と言い残して店内に消えていった。そして、例のお姉さんがやってきて、いつものようにニッコリして「いいですよぉ~、それ、今回の一番の目玉なんですよ~」とセールストークをしてくる。私は父祖代々、押しに弱い性格をしている。それがために、大阪や沖縄の商店街ではおばちゃんたちの熱意(?)にやられて、不必要な品に手を出すことしばし、である。よって、そのお姉ちゃんのぐっと踏み込んでくる視線に石となり、コーヒー豆(予定よりも何故か一袋多い)とパックのアイスコーヒー(買う予定はなかった)に加えて、その電動ミルをレジに通すことになった。そのお姉ちゃんに押されたとはいえ、悪い買い物ではない。家に帰ると、奥さんに「なあに、これ?」と胡乱な目で見られるも、どこか気分は爽快である。なんせ、ずーっと欲しかったものであるからだ。以来、気が向けば、朝の一杯はこのミルで豆を挽いてからドリップするようにしている。挽きたての豆は炭酸ガスがたくさん含まれているので、ドリップしたときの膨らみがものすごく素敵なのである。この盛り上がりを見たくてコーヒーを飲むんじゃないか?というくらいの快感を伴う。もちろん、味だって全然違う。変な苦味やアクはなく、まろやかに、かつ、しっかりとした味わいが楽しめる。本気を出してネルで勝負しようかとも思うのだが、朝のひとときはついペーパードリップに流れてしまう。しかし、それでも十分美味い。購入後1ヵ月半が過ぎようとしているが、まだ飽きていない。ちゃんと使用後すぐに掃除をしているし、豆の管理もできるだけベストを尽くしている。すばらしくいいおもちゃを手に入れた気分である。