「自分の好きなことがわからないとき」 | ◆根本裕幸

◆根本裕幸

恋愛や結婚、性などのパートナーシップ・家族に関する問題からビジネス、対人関係、健康・病気・死など幅広いジャンルを扱う。感情・感覚をフルに使った“目からウロコ”な心理分析や、じんわりと心に響くハートフルな癒しには定評がある。

*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

だいぶ疲れているのかもしれませんね。
自分の心のために普段心がけている事、優しくしてあげてる事はありますか?
頑張りすぎていたり、自分に厳しく当たってしまってませんか?

何らかの事情で感情を押し殺し(抑圧し)、思考(理性)ばかりを使うようになると、「どうすべきか?」ばかりに意識が向かい、「どうしたいか?」という気持ちが見えなくなってしまいます。
自分の気持ちが見えないと、エンジンが活力をなくした車のように惰性で生きるようになり、人生に面白味や楽しみ、喜びが無くなっていきます。いわば、人生そのものが退屈したものになってしまうんですね。特に「好き」と感じられるものは私達の人生において大きな活力、動力があります。好きなことをしている人はいくつになっても元気なのはそのせいです。でも、大人になり理性が強くなったり、失敗したりして傷つく経験が増えていくと、好きなものを持つだけ無駄なような気がしてしまいます。影には失敗感や諦めだけでなく、自己評価の低さも大きな影響を与えます。もし、今食べるものでも何でも「これ好きだな~」と感じられるものが無かったら、少し危機感を持ってみたほうがいいかもしれません。そして、まずは自分がかつて好きだったものを思い出してみましょう。いくつくらい思い浮かびますか?今も魅力的に感じるものはありますか?思い浮かばなかったり、浮かんだものがとても味気なく感じたら、きっと知らないうちに心が麻痺してしまっているのかもしれません。日常の中で実践して行きたいことがあります。一つは心との対話。時々思い出したときだけでいいので、「今どんな気分?」って自分に聞いてみてください。「今何が欲しい?何か食べたいものがある?」と。答えが返ってこなくても問題ありません。そう問うことが大事なんですね。また、時々空を見上げてみてください。その雲や青い空を見て、どんな気持ちがするのかをチェックしてみます。何も感じなくてもいいのです。ただどんな感じかな?って見てみるんですね。そして、二つ目は人との会話。取り留めの無い話題でいいです。仕事や理性的な話だけでなく、誰かと話をすることを意識してみてください。話をすることで心を解放してあげることができ、その分、感情を感じやすくなるのです。そうして少しずつ自分の心との回路を開いていくことができます。あなたが生きている以上、心が死んでしまう事はありません。回線が麻痺しても、また繋げることは可能です。好きなものが分からなくなったら、まずはできるところから始めてみましょう。
心の処方箋