ハートブレイクなとき・・・ | ◆根本裕幸

◆根本裕幸

恋愛や結婚、性などのパートナーシップ・家族に関する問題からビジネス、対人関係、健康・病気・死など幅広いジャンルを扱う。感情・感覚をフルに使った“目からウロコ”な心理分析や、じんわりと心に響くハートフルな癒しには定評がある。

「時が心の痛みを癒してくれる」って言葉がありますよね。
辛いことがあったとき、時間が過ぎていくことで、その辛さも軽くなり、元気になっていくことを言います。
こういう「癒し」に関わる仕事をさせてもらっている僕としても、その言葉は意味があるなあ・・・と思うんです。

例えば、失恋してしまってすぐに「そんな男のこと、すぐに忘れなよ」とか言われたら、優しさでその言葉をかけてくれたとしても、その人のことを「冷たい人」って感じてしまうものでしょう。

じっくりとそのショックな出来事を思い、悲しみ、憂い、そうした感情を流してあげる“時間”ってやっぱり大切なんだと思います。

そんな“時間”をどう過ごすか?というお話をさせていただきます。
*人が亡くなったときに49日の法要をして納骨したりしますよね。それまでは故人を偲びながら、一緒に過ごします。急にその人を「手放しなさい」とか言われても、感情はついていかないものです。心は目には見えないものだけど、ハートブレイクの度合いによってはまるで両足骨折なんて場合だってあると思うんですよね。そんな状態で、頑張って歩こう!とかしても・・・余計ややこしいことになってしまうだけでしょう。だから、ハートブレイクして間もない方とお会いするときは、まずは、その悲しみなり、痛みなり、怒りなどを、ただただ流していくようにしています。具体的にはじーっとお話を聴く、たくさん涙を流せるような雰囲気や場を作っていく、そんな感じでしょうか。その期間というのは1ヵ月半とか決まっているわけではなく、その方の状態を見ながら考えます。*「私のような悩みなんて良くあると思うんですけど」って謙遜される方も少なくないんですけど、同じ失恋でも、時と場合と人によって全然そのダメージが違うものでしょう?だから、“自分が辛い”と感じることは、何をさておいても“辛い”ことが現実で、間違いないんです。そして、それは“辛い”という感情を流してあげるチャンスでもあります。泣くことや怒ることを禁止している人も多いのかもしれません。一人の時は涙を流すけど、人前ではこらえてしまう、という方。本当は誰かの元で泣けたら、もっと楽になると思いませんか?相手に気を使ってしまって疲れるのならば、気を使わなくて済む誰か(すなわち、あなたが信頼し、あてにしている人)との出会いが求められています。思い切り泣けたら、思い切り暴れられたら、どれだけ楽になるでしょう?そんな場や人を探してみましょう。「いない」と思えば、やはりそれが現実になってしまいます。そして、その辛い気持ちが流れて、少しずつ余裕が生まれたときに、そのハートブレイクした出来事と改めて向き合ったり、手放したり、自分を見つめなおしたり、といった方向性を見ていくことができます。*こうしたプロセスにおいて、カウンセリングやセラピーというのは、時間を短縮する効果があると思うんですよね。普通にやっていれば見逃してしまうところに意識を向けたり、扱えない心の領域まで視野を広げたりします。そして、繋がりや親密感などを使いながら、結果的に1年かかるところを、半年、3ヶ月で、しかも安全にやり遂げてしまうような感じです。特に辛いことがあったりすると、その辛い出来事を乗り越えようと、いつも以上に頑張ってしまう人も少なく無いと思うんです。「早く何とかしなきゃ」「そんなに引きずっちゃダメ!早く立ち直らなければ!」と思って。あるいは、逆に感情に振り回されて自暴自棄になってしまうことだってあるでしょう。でも、結果的にそれが傷に塩を塗ることになってしまったら、なおさら、その痛みが癒えるのに時間を要してしまうんです。辛いときには、誰かに話を聴いてもらったり、甘えたり、頼ったりしながら、まずは辛い気持ちを流してあげましょう。頑張るのはその先でもできます。そんな時、忘れていた人の温かさに触れることも少なくないかもしれません。
心の処方箋