「自分のすべてを受け入れて欲しいと思うとき」 | ◆根本裕幸

◆根本裕幸

恋愛や結婚、性などのパートナーシップ・家族に関する問題からビジネス、対人関係、健康・病気・死など幅広いジャンルを扱う。感情・感覚をフルに使った“目からウロコ”な心理分析や、じんわりと心に響くハートフルな癒しには定評がある。

*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

私達はこの欲求を誰もが、少なからず持っているものです。

しかし、多くの人が「それはいけないこと」「求めても仕方がない」「それは間違っていること」などと、その気持ちを認められません。
しかし、この抑圧が強ければ強いほど、それが緩んだときにあふれ出てきます。
例えば、仕事をばりばりこなし、人間関係も上手に築き、趣味も充実している方が、ひとたび恋愛すると、そんな外の顔はどこへやら、強い依存心が出てきて、パートナーに「すべてを受け入れて欲しい」と強い思いを抱いてしまうことがあります。自分でも驚くほどの変化に振り回され、強い自己嫌悪と、その依存心に悩まされます。でも、これは、強くあろう、ちゃんとしよう、しっかりしようと、長らくその依存心を抑圧してきた証左なのです。パートナーができ、そのパートナーに心を許し、開き始めた途端、自立的に生きることで抑圧してきたその気持ちがあふれ出てきてしまうのです。いわば、ダムを作って我慢してきた気持ちが決壊してしまうような感覚です。中にはこうした感覚を権威を使って表現してしまう方もいます。風俗のように、お金を使って、その欲求を満たそうとすることもあります。だから、自分の中にこの感覚を見つけたときは、嫌悪したり、否定したりせずに、「それは普通のこと、当たり前のこと」と認めてあげることが大切です。もし、この気持ちが非常に強く出てきたとしたら、「それくらい私は何かを我慢してきたんだ」と受け入れてあげましょう。決して、自分は異常だとか、おかしいとか、そんな誤った判断で自分を苦しめる必要はありません。もちろん、それがうまく出来ないからといって、また自己嫌悪の悪循環にはまってしまってはいけませんね。そして、できるだけその気持ちが衝動的にならないうちに、近しい人に、その気持ちを伝えてみます。少し、いや、すごく勇気がいりますね。パートナーでも、友達でも、家族でも構いません。緊張しますけれど、まずは、その気持ちをありのままに誇張したり、強がったり、正当化したり、卑下したりすることなく、伝えてみます。そして、もう一つお願いをしてみます。「ぎゅっと抱きしめてもらえませんか?」と。押し付けではなく、お願いです。そして、その人にただぎゅっとハグをしてもらいましょう。優しいほうが好みだったら、優しくハグして下さい、でもOKです。そうして、相手に包み込んでもらうと、「受け入れて欲しい」という欲求の下にあった本当の感情が上がってきます。怖いのかもしれないし、不安なのかもしれない。悲しみを感じているのかもしれないし、すごく寂しいのかもしれない。そうした感情をただ、相手の腕の中で感じていきます。そうすると、間もなくふっと安心感がでてきます。遠慮が強いと、なかなか安心できません。だから、そのまま力を抜いてじっとしておきましょう。そうしたら、自然と「ありがとう」という言葉が口を付いて出てきます。それはあなたの心の中の不安で、寂しがりな自分が癒された証拠なんです。
心の処方箋