スマホ使用時間削減で斜視が改善か? | 化学物質過敏症 runのブログ

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スマホ使用時間削減で斜視が改善か?
前向き臨床研究の中間報告
 2021年01月08日 05:05
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 浜松医科大学眼科学教室病院教授の佐藤美保氏は第74回日本臨床眼科学会(2020年11月5日~12月6日、ウェブ開催)で、スマートフォンなどデジタルデバイス(DD)の過剰使用との関連が疑われる急性後天共同性内斜視(AACE)に関する前向き臨床研究ACE-DDスタディの中間結果を報告した。

2020年10月8日までにAACEを114例登録、DD使用の制限と適正な眼鏡装用を3カ月行ったところ約3割で眼位の改善が見られた。

同氏は「可能な限り多くの症例を収集したい」とし、AACEの症例を持つ医療機関に研究への参加を呼び掛けている。

DDの適正使用の指導後3カ月に再検査
 AACEの原因の1つとしてDDの過剰使用が指摘されており、2018年に日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会が行った医師へのアンケート結果〔臨眼紀2020; 13(1)〕では、AACEとDDの使用に関連があると回答したのは77.2%。

その根拠としては「長時間使用の背景があった」91.8%、「使用時間を短縮したら改善した」30.3%などだった。

佐藤氏は、AACEの発症にメカニズムには近視の低矯正、精神的ストレス、両眼視不良など複数原因がありその1つがDDの過剰使用だと考えられると述べ、日本弱視斜視学会と日本小児眼科学会が共同で進めているACE-DDスタディの中間報告を説明した。

 このスタディは、①AACEへのDDの関与はどの程度か②DDの使用時間の削減がAACEを改善させるか③DDの適正な使用時間-を明らかにすることが目的。

対象は、症状出現から1年以内の5~35歳の症例で、外転制限のないAACEが条件。屈折検査・調節検査による適正な眼鏡装用、DDの適正な使用方法を指導し、3カ月後に眼位を再び検査している。

「12歳以下」を除きDD時間有意減少できず
 7月31日までの登録では、登録症例は男性36例、女性31例の計67例(12歳以下:18例、13~18歳:10例、13~35歳:30例)。

年代別の1日当たりのDD使用時間は、DD全体では12歳以下が194.4分、13~18歳が248分、19~35歳が314.8分、スマホのみではそれぞれ、63分、208.7分、255.1分だった。

佐藤氏は、総務省調査(2019年度)のインターネット接続時間と比較し「ほぼ同じ程度だった」と位置付けた。

 全体のうち41.7%はAACEの症状とDDとの関連を自覚していた。

また、DD使用時間を削減したいとした患者は各年代とも50%以上だった。しかし指導を行った3カ月後の年代別DD使用時間は、12歳以下では有意に減少したものの、13~18歳では不変、19~35歳では減少傾向だった(図1)。

図1. 年代別のDD使用時間の推移

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 同氏は、10月8日までに登録された114例(除外。脱落5例を含む)のうち3カ月後の転帰を集計できた50例についても報告。不変が最も多いものの、治癒や改善もおり合わせて36%と3分の1以上で眼位の改善が見られた(図2)。

図2. 介入から3カ月後の転帰

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 (図1、2とも佐藤美保氏提供)

 10月8日現在の研究参加施設は103施設(患者登録のある施設は43)。佐藤氏は「本研究の対象に該当する患者を診察した場合は研究参加施設を紹介してほしい」とした。なお、研究参加施設は日本弱視斜視学会の公式サイトで公開している。