2:新たな研究がプラスチック手袋に有害化学物質を見つける | 化学物質過敏症 runのブログ

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塩ビ(PVC)は、手袋のような用途に柔軟性を与えるためにフタル酸エステル類のような可塑剤を必要とする硬質プラスチックであり、これらの化学物質は平均して PVC 手袋の 3分の1を優に占める。

乳製品中のフタル酸エステルに関する同連合の 2017年研究が確認したように、可塑剤は手袋に化学的に結合しておらず、我々の食品を汚染している。

ビニルの製造及び処分もまた、塩素ガス、二塩化エチレン、塩化ビニル、ダイオキシン、水銀、アスベスト、及びパーフルオロアルキルスルホン酸類(PFAS)を含む多くの他の有害化学物質を使用し、又は排出する。

 食品取扱用手袋中で発見されたフタル酸エステル類は DINP と DIDP (両方ともにカリフォルニア州プロポジション 65 の下では警告表示が求められる)、現在規制されていない DPHP 、及び世界的に最も規制対象になっているホルモンかく乱化学物質として知られる DEHP である。DINP、DIDP、及び DPHP は全て、 DEHP に似た有害な健康影響を示している。

これは DPHP が食品取扱用手袋の中で使用されていることを初めて報告した。

 同報告書はまた、7つのビニル手袋のうち6つがオルト・フタル酸エステル類を代替する意図を持った可塑剤化学物質である DEHT 又は DOTP を含んでいることを発見した。

新たな研究は、 DOTP はホルモンかく乱化学物質かもしれないこと、及び人間の暴露は広範であり増大していることを示唆している。

全ての可塑剤と同様に、 DOTP もまた手袋に化学的に結合しておらず、食品中に浸出することができるが、それがこの化学物質への主要な暴露源である。

これらの理由のために、同連合は DOTP をオルト・フタル酸エステル類の代替」として推奨しない。

 ポリエチレンは可塑剤化学物質を必要としないので、ビニルへのより安全な代替である。

 この報告書のために、エコロジー・センターの研究者らはアメリカへの輸入業務を行う 31の流通業者から入手した 60のビニル手袋、その多くはレストラン及び食品加工用の食品取扱用手袋、をテストした。

さらに、アメリカ人の食品に接触するかもしれない手袋をテストするために、追加の 12のビニル手袋をレストラン納入店から入手した。

12の組織が(様々な材質の)追加の 63の手袋を、14州、56か所で 15の人気のファーストフード店から入手した。

 これらのレストランは、2018年11月の Mind the Store による Retailer Report Card(小売業者カード)キャンペーンで彼らの化学物質安全方針と実施について成績不良と認定されており、また 2018年6月に健康推進団体がこれらの(手袋の)銘柄に、手袋を含んで食品接触材料からフタル酸エステル類をなくすための社会的行動をとるよう求める手紙を送った。

 101 のビニル手袋を含む合計 123の食品取扱用手袋がテストされ、これはかつて実施された食品取扱用手袋中フタル酸エステル類の調査の中で最大のものとなった。

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 安全な食品加工及び包装連合(Coalition for Safer Food Processing & Packaging)は、アメリカの食品供給からフタル酸エステル類と高い懸念のあるその他の化学物質を特定し廃絶させるよう主要な食品製造者を説得するたためともに活動する、人間の健康、食品の安全、及び社会正義について懸念する非営利組織の全国的連合である。

 同連合は、Environmental Health Strategy Center, Ecology Center, Healthy Babies Bright Futures, Safer Chemicals Healthy Families, WE ACT, Toxic-Free Future, Center for Food Safety, the Learning Disabilities Association of America, 及び その他の団体からなる。

訳注:当研究会が紹介した「フタル酸エステル類の問題と政策に関する情報」

訳注:関連情報
US NGOs push McDonald’s to end use of vinyl gloves (Chemical Watch 30 July 2019)

訳注:食品衛生法の規格(日本)/塩ビ工業・環境協会
 ラップフィルムなど食品に直接触れる容器・包装材料に関しては、食品衛生法に基づき、規格基準が定められています(厚生省告示370号)。
 原材料としての塩ビ樹脂に関して言えば、残存塩ビモノマーに対して濃度基準(1ppm以下)があり、また、食品中へ移行する可能性のある物質の量について基準(厚生省告示第20号、1982年2月)が定められています。
 可塑剤として使われるフタル酸エステル類については、厚生労働省告示267号(2002年8月)で、油性食品に触れる調理用手袋などの塩ビ製器具・容器包装へのフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)の使用を禁止(規格値0.1%以下、溶出試験規格量:1ppm以下)し、おもちゃへのDEHPを用いた塩ビ樹脂の使用禁止並びに乳幼児が口にすることを意図したおもちゃへのフタル酸ジイソノニル(DINP)の使用を禁止しています。