16:「農薬中毒の症状と治療法」について(ラウンドアップに解毒剤は無い) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・15.石灰硫黄合剤(殺虫剤,殺菌剤,別表15参照)
農薬名 石灰硫黄合剤(石灰硫黄合剤)
症 状
本剤は強アルカリ性であり,腐食性がある
経口の場合:発生した硫化水素によるチトクロームオキシダーゼ阻害作用
•経口の場合,胃液と反応して,硫化水素を発生し,胃粘膜から吸収され,また食道を逆流
して肺から吸収され,硫化水素中毒を起こす
•粘膜直接刺激症状
咽頭痛,上部消化管刺激症状(嘔吐・心窩部痛),胃のびらん・潰瘍,瘢痕性胃萎縮,肺水腫
(註)呼気の硫黄臭と嘔吐物に硫黄様の黄白色の残渣混入
•全身症状
意識レベルの急激な低下,呼吸抑制,中程度の肝腎障害,代謝性アシドーシス,チアノーゼ,
スルフヘモグロビン血症
皮膚に付着した場合:化学熱傷
•発赤と浮腫,皮膚付着部の疼痛,皮膚・粘膜のびらん,下肢・手・腕など付着部に白色潰
瘍を伴う熱傷,真皮表層壊死,皮下組織の炎症,深達性皮膚潰瘍炎
眼に入った場合:
•眼痛,目の灼熱感,流涙,眼瞼けいれん,角膜びらん,角膜混濁,潰瘍形成,結膜穿孔,
後遺症を残しやすい
(註)取り扱う時は,眼にはいらないよう必ず保護メガネやゴーグルの着用が必要.

治療法
Ⅰ章【2】項 (P3~P5)に記した処置のうえ,とくに,
•下剤と吸着剤の繰り返し投与で,硫化水素発生源を除去
•発生する硫化水素を除去するため,胃洗浄後は胃管を留置
•意識レベルが低下している場合は気管挿管,酸素投与
 (註)強いチアノーゼが認められる場合には,ヘモグロビン分析を実施
皮膚に付着した場合:
•付着時は疼痛感はないが,本剤によるアルカリ熱傷が特徴であり,付着直後の大量の温水
(水でもよい)による洗浄・除染が最も重要
•早期のデブリードマンと植皮の施行
眼に入った場合
•流水で最低30分以上洗浄し,すぐに眼科医の診断を受ける
特記事項
◦硫化水素中毒に対しては,亜硝酸塩療法を考慮
◦発生する硫化水素による,医療従事者の二次的曝露に注意(隔離,防毒マスク着用,全面
型防毒マスクでない場合は念のためゴーグルや保護メガネも着用)
(註)禁忌:催吐
◦万一,本剤が身体に付着した場合は,迅速に洗浄する