3:「農薬中毒の症状と治療法」について(ラウンドアップに解毒剤は無い) | 化学物質過敏症 runのブログ

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【2】農薬中毒の治療
1.農薬の排除のための処置
1)経口摂取の場合
⑴ 催吐;指またはスプーンの柄などを口中に入れ,咽頭後壁を刺激して吐かせます。

コップ一杯の水をのませた後に行うと吐きやすくなります。

現在,催吐薬として確実に有効なものは市販されていません。医療機関では一般に胃洗浄が行われますが,十分に太い胃管を使えない小児には胃洗浄よりも催吐の方が有効とされています。
 ただし,農薬を飲み込んでしまった患者を嘔吐させると,誤嚥により嘔吐物(農薬など)が肺に入り肺炎を引きおこす恐れがあります。

飲み込んだ農薬が液体状である場合には特に注意が必要です。
催吐の禁忌は次のとおりです
① 意識障害やけいれんのあるとき
② 石油系溶剤を含むものを飲んだとき
③ 粘膜腐食性のものを飲んだとき
⑵ 胃洗浄;1時間以内に実施しなければ効果は少ないとされていますが,原則として胃洗浄を行います。

4時間以上経過していても行えば効果のある場合もあります。

胃洗浄の禁忌は催吐の場合と同じです。

意識が無い場合には,気管挿管をしてカフをふくらませた後に行って下さい。

胃洗浄は左側臥位にして生理食塩水または微温湯(38℃程度)を,1回に成人で300㎖を限度として注入し,洗浄液がすっかりきれいになるまで行います(少なくとも数リットルを使う)。

5歳以下の小児では水道水を使うと低ナトリウム血症を来しますので,生理食塩水(1回10~20㎖⊘㎏)を用いるのが望ましいとされています。

粒剤を嚥下した場合,ときに胃壁に付着した粒が通常の洗浄では容易に取れず,中毒症状が遷延することがあります。

この場合,内視鏡的に観察しながら勢いよく洗うと取れることがあります。
 胃洗浄が終わったら,残存する洗浄液など胃内容物をできるだけ吸引した後,活性炭を投与します。
⑶ 活性炭の投与;活性炭で吸着出来ないひ素やふっ素化合物などを除き,ほとんど全ての中毒で活性炭による治療が推奨されています。

活性炭の投与で,静脈内投与した薬物でも血中濃度が低下することが知られています。

また活性炭と下剤を併用すると活性炭・薬毒物複合体の腸内滞在時間を短縮し,薬毒物の排泄を早めると考えられるため,活性炭と下剤の併用が推奨されています。

農薬中毒では活性炭の反復投与を有効とするエビデンスは得られていませんが,大量服用の重症例では活性炭の反復投与を考慮します。
 服用量の10倍量の活性炭投与が推奨されていますが,不明の時は50g(小児では1g⊘㎏)を500㎖の微温湯(38℃程度)(小児では10~20㎖⊘㎏の生理食塩水)に懸濁して,意識が清明な時は座位で服用させます。

嘔吐,誤嚥,消化管閉塞に注意が必要であると同時に,常用している治療薬の血中濃度低下にも注意が必要です。
 続いてソルビトール(35%程度の溶液に調整し,成人では1~2g/㎏,小児では0.5~1g/㎏)もしくは塩類下剤(硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウム)15~20g(小児では0.25g/㎏)を投与し,胃管を抜去します。

下剤は投与後6~8時間までに排便が見られない場合,初回量の半量を,活性炭の黒色下痢便が出るまで繰り返し投与します。

ヒマシ油のような油性下剤は禁忌です。
⑷ 腸洗浄;多量の洗浄液を上部消化管から投与して全腸管を洗い流し,未吸収毒物の排出を早める方法です。

通常,経鼻胃管や十二指腸チューブなどを用いて,体液異常をおこしにくいポリエチレングリコール電解質液(ニフレックⓇ)を1,500~2,000㎖⊘時(6歳以下は500㎖⊘時,学童1,000㎖⊘時)で投与し,少なくとも透明な水様便が排泄されるまで続けます。

通常は数時間以上を要します。
 適応は重篤な中毒を引きおこす物質,特にひ素や鉛など吸着剤が無効な金属中毒ですが,わが国ではもっぱら重篤な有機りん剤中毒の一部とパラコート中毒等に用いられています。
 腸洗浄の合併症として最も多いのは嘔吐で,これに伴う自律神経反射により,一過性の徐脈・頻脈・低血圧を生じることがあります。粘膜腐食性のものを飲んだとき,また体液・電解質異常や腎不全があるときは慎重に行って下さい。
2)皮膚,衣服に付着した場合
汚染した衣類をぬがせ,皮膚を多量の水と石けんでよく洗い,付着した農薬を除去します。

洗浄時間は最低15分は必要です。(有機りん剤はアルカリ性にすると分解しやすいので,石けんを用います。)
3)眼に入った場合
直ちに蛇口の水,やかんの水のような流水で(コンタクトレンズははずし)十分に洗浄を続けて下さい(大量の水で速やかに)。
4)経気道曝露により中毒をおこした場合速やかに新鮮な空気のあるところへつれて行き,深呼吸をさせて下さい。

現場においては,換気不十分な環境下では周囲の人が二次的に曝露される場合もあるので注意して下さい。
2.その他の必要な応急処置
1)安静,保温,誤嚥予防;衣服をゆるめて寝かせ,吐いているとき,またその恐れのあるときは体を横向きにして下さい。

 

runより:このPDFの原題は「農薬中毒の症状と治療法」について:です。

(ラウンドアップに解毒剤は無い)は私が付け足しました。
実はラウンドアップに解毒剤が無い事を調べていたのですがほぼ全ての農薬について書かれていたので全部掲載が良いだろうと思いました。
おかげで凄く長いですがお付き合いくださいませ((。´・ω・)。´_ _))ペコ