3.柔軟仕上げ剤のにおいの成分について
一般的に、製品のにおいの元となる香料成分は、数千種類あるとされ、事業者はそれらをブレ
ンドして特徴のある香りを作っています。
この香料成分を製品から逆にたどって、使用されているものを特定し、含有量を測定することは大変難しいものです。
2012 年に消費生活センターの依頼により実施した商品テストでは、柔軟仕上げ剤を使用した
洗濯物を干した際の室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の分析データから、成分の同定を試みました。
ほとんどの成分は同定できませんでしたが、いくつかの成分は香料原料や香料の溶剤等として使われる化学物質と推定されました。
さらに、洗濯物を干した際の室内空気質の状態をみるため、強い芳香のある柔軟仕上げ剤、微
香タイプの柔軟仕上げ剤を使用した場合、そして柔軟仕上げ剤を使用しない場合について、室内空気中の総揮発性有機化合物(TVOC(注 8):Total Volatile Organic Compounds)を調べました(注9)。
その結果、柔軟仕上げ剤を使用しない場合と微香タイプの柔軟仕上げ剤を使用した場合ではそ
れぞれ約 20μg/m3上昇しましたが、強い芳香のある柔軟仕上げ剤を使用した場合では約 70~140μg/m3上昇しました(注 10)。
(注 8)TVOC には、香料成分等のにおいのある成分も、においのない成分も含まれています。
(注 9)それぞれ標準使用量の柔軟仕上げ剤を使用した洗濯物約 2kg を、容積 35.0 ?(約 8.7 畳)、換気回数約 0.7 回の室内に 1 時間干した後の TVOC の室内空気中の値を調べました。なお、相談の多くは、隣家などの他人が使用した柔軟仕上げ剤のにおいについての相談であるので、屋外に干した洗濯物から放散され室内に入ってくるものについてテストするのが望ましいのですが、揮発性成分については、温度、風向き等により大きく異なることが予想されるため、テス
トの再現性を優先し、室内に干した場合についてテストしました。
(注10)厚生労働省が定める室内空気質のTVOC暫定目標値は400μg/m3とされています。
この数値は、国内家屋の室内VOC実態調査の結果から、合理的に達成可能な限り低い範囲で決定した値であり、室内空気質の状態の目安として利用されることが期待されています。
TVOC暫定目標値は、毒性学的知見から決定したものではなく、含まれる物質の全てに健康
影響が懸念されるわけではありません。
(厚生労働省:シックハウス対策「室内濃度指針値一覧表」
http://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/situnai/hyou.html より)
runより:ぶっちゃけ何の役にも立っていないですね。
せめて場罰則付きにしてもらいたいです。