柔軟剤から揮発する化学物質 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議

http://kokumin-kaigi.org/wp-content/uploads/2016/08/JEPA-news-098.pdf

・講演②
柔軟剤から揮発する化学物質
名城大学薬学部教授 神野透人氏 (報告者=会員・小椋和子)
この講演で興奮を憶えたのは、長らく「気のせい」と無視されてきた化学物質過敏症のメカニズムの科学的な解明が紹介されたことである。

化学物質によって被害を受けている人の苦しみを杉並病支援科学者たちが代弁してきたが、行政や一般の医師および科学者は全く理解しようとしなかった。
 神野先生によるとシックハウスの対象化学物質13項目の見直しが検討されているとのことであるが、化学物質過敏症の症状を引き起こす物質はシックハウスで規制される化学物質とは限らない。

被害が数百人にもおよぶ杉並病で環境から検出された化学物質は数百種あったという。

その中で被害の原因を物質と特定することが難しいにもかかわらず、被害者が提訴した公害等調整委員会の杉並病の裁定は「施設(注:東京都が杉並区に建設した不燃ゴミ圧縮施設)から排出された化学物質による被害である」と結論した。
 合成され、利用されている化学物質は数万種あるという。昔から人が接触してきた天然の化学物質とは異なり、合成化学物質とのつき合いは人類始まって以来まだ百年そこそこである。

基本的にはなじみが薄いのである。

個々の化学物質や混合物、変化物質の人への影響については解明が困難である。

それにもかかわらず大量の化学物質が合成され、利用されてきた。

人への健康影響はほとんど考慮されていないと考えるべきである。
 以下に神野先生の発表資料にしたがって講演内容について紹介したい。

 

室内濃度指針値見直しの動向
 厚生労働省シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会は、平成12年から14年にかけて、いわゆる「シックハウス問題」に対応するため、「室内濃度指針値」を設定した。

現在、約10年を経過したこと、指針値設定物質(クロロピリホス等)の代替として新たな化学物質が使用されているとの指摘があること、SVOC(準揮発性有機化合物)の概念がでてきたこと、細菌由来 VOC(揮発性有機化合物)類が検出されていること、世界保健機関(WHO)の室内空気質の基準値の動向と整合を検討する必要があること等から、改めて、当該指針値の超過実態を把握し、化学物質の発生源と室内濃度との関係に係る科学的知見を踏まえた必要な室内濃度指針値の設定の在り方を踏まえた見直しの方針についての検討が行われている。