有機燐:トリクロルフォン(DEP・ディプテレックス) | 化学物質過敏症 runのブログ

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出典:私たちと子どもたちの未来のために

 

・農薬の種類
 
 有機燐系殺虫剤
 
 
その他の用途
 
● アルツハイマー病の治療薬[7]や寄生虫駆除薬[10]としても用いられ、メトリフォネートとよばれる。
 
● 治療薬として用いた場合、中毒事故が起きている[10]。
 
 
別名
 
 ディプテレックス・DEP・dimethyl 2,2,2-trichloro-1-hydroxyethyl phosphonate
 
商品[2]
 
● DEP粉剤DL(ディプテレックス粉剤DL;最初に会社名がつくこともある)
 
● DEP乳剤(ディプテレックス乳剤)
 
● DEP粉剤(ディプテレックス粉剤;最初に会社名がつくこともある)
 
● DEP水溶剤(ディプテレックス水溶剤80)
 
● DEP粒剤(ネキリトン)
 
● DEP粉粒剤(ディプテレックス微粒剤;最初に会社名がつくこともある)
 
● DEPとの混合剤(商品の一部のみ)
 DEP・PHC粉剤(ディプサンサイド粉剤)
 DEP・MTMC・EDDP粉剤
 
 
規制
 米国では食品生産への使用は取り消されている[10]。
 
 
毒性
 
 
急性毒性
 
● トリクロルフォンは、経口摂取や皮膚吸収で中程度に有毒であり、全有機隣剤と同様に、トリクロルフォンは皮膚から速やかに吸収される[1]。
 
● トリクロルフォンは、正常な神経系の機能に必要なコリンエステラーゼ酵素の活性を低下させる。
 
● 急性被ばく症状には次のものがある。頭痛・めまい・易興奮性・視力低下・衰弱・吐き気・痙攣(けいれん)・筋肉の調節や反射消失・激しい痙攣・昏睡(こんすい)[1]。
 
● 大量のトリクロルフォン経口摂取のためにおこるとされていた遅発性多発性神経症(神経細胞に対する障害)と、不純物あるいは添加物とが関係することが示されている[1]。

これらの遅延性症状は、最初の急性影響から回復後に起こる。
 
● 純粋のトリクロルフォンは、工業品質のものより毒性が少ないと報告されている[1]。
 
● トリクロルフォンの経口半数致死量LD50はラットで450-650 mg/kg、マウスで300-860 mg/kgである[1]。

ほかに報告されている経口LD50は、ネコで94 mg/kg、イヌで400 mg/kg及び460 mg/kg、ウサギで160 mg/kgである[1]。
 
● 経皮LD50はラットで2000-5000 mg/kg [1]、ウサギで1500から2100 mg/kg以上である[1]。
 
● 4時間吸入LC50はラットでは0.5 mg/Lより大きい[1]。
 
● 皮膚過敏性(アレルギー)が皮膚暴露により起こることがある[1]。
 
 
不活性成分の毒性
 
 農薬には目的とする生物を殺傷する成分(有効成分)以外に、有効成分を溶かしたり、働きを強めたりするために添加される成分(不活性成分)があります。

農薬の毒性については有効成分が注目されますが、不活性成分にも毒性があり、中毒を招く場合があります。
 
● ディプテレックス乳剤にはトリクロルホンと溶剤としてメタノール(メチルアルコール)が添加されているという。

自殺企図患者がディプテレックスを飲んだ。

治療として吸着カラムにより血液からトリクロルフォンを除去したが、メタノールは高濃度に残留していたことが 報告されている。

また、実験的に吸着カラムによるトリクロルフォンとメタノールの除去率を調べたが、トリクロルホンは50ー80分で完全に除去されたが、メタノールは3時間の吸着でも74-84%が残っているという[3]。 
 
 
慢性毒性
 
● 有機隣剤に対するくり返しあるいは長期被ばくは、急性被ばくと同じ影響をおこすだろう[1]。
 
● くり返し被ばくした労働者で報告されている急性中毒時以外の影響には、記憶と集中力障害・方向感覚喪失・重度の抑うつ・興奮性・混乱・頭痛・会話の困難・反応時間の遅延・悪夢・夢遊病・眠気・不眠がある。

頭痛や吐き気・衰弱・食欲低下・不快感を伴うインフルエンザ様状態も報告されている[1]。
 
● 3か月間イヌに45 mg/kg/日を投与した場合、血清コリンエステラーゼは正常の60%に下がった[1]。12週間食物に混ぜて約10.5 mg/kg/日のレベルを投与した場合、同じ影響が現れた[1]。トリクロルフォンを100 mg/kg/日を繰り返して投与した検査期間の間、ラットのコリンエステラーゼ活性は正常レベルの半分よりも低下した。

50 mg/kg日の投与量は正常レベルの50-75%に活性を低下させた[1]。1年間この殺虫剤を500 mg/kg/日経口投与したラットで、トリクロルフォンは病的変化を生じなかった[1]。
 
● 脳の浮腫(ふしゅ)(液体の過剰集積)や器官の充血・肝臓の様々な場所の変性・肺の炎症・心筋の変化が、工業品質トリクロルフォンの非常に高い経口量300 mg/kg/日を5日間投与したラットで観察された。
 
● 脳の障害と肝臓や腎臓(じんぞう)・膵臓(すいぞう)・肺・精巣の変化が、6か月間1又は2、5 mg/kgのトリクロルフォン製剤(クロロホス)を毎日、あるいは5 mg/kgを週ごとに経口投与したウシで見られた[1]。
 
 
生殖への影響
 
● トリクロルフォンは生殖へ負の影響を持つと思われている[1]。
 
● 胚死亡数増加と生存胎児数減少・胎児奇形数増加が、妊娠13日目に胃管によって80 mg/kg体重を1回経口投与されたラットで観察された[1]。
 
● ラットの生殖に関するトリクロルフォンの影響に関する3世代研究の間に、約150 mg/kg/日の投与量は、妊娠率の低下や出生時に発達の低下や、離乳まで生き残らないことを引き起こした。

50 mg/kg/日の投与量は、一腹の仔数と個々の仔の体重を減少させた。

15 mg/kg/日の投与量では、繁殖に関して検出できる影響はなかった[1]。
 
● 母体の血中に入ると、トリクロルフォンは胎盤を通ると思われる[1]。