54;科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂版) | 化学物質過敏症 runのブログ

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c. 個人ばく露量(濃度) 

(1) 個人サンプラーの濃度 

個人サンプラーでは VOC の捕集が可能です。

一般的には拡散型のサンプラーを用いて捕集が 行われ、その捕集剤に吸着された有機化合物を分析します。

これを求めるには個々の有機化合 物が捕集剤に吸着される捕集速度や捕集剤から溶剤を用いて抽出する条件を検討しておく必 要があります。

ここでは測定事例として私共が開発したサンプラーを使用して測定された個人 ばく露濃度について示します。

なお、サンプラーの捕集、分析については巻末の引用参照文献 第 5 章参考ウェブ一覧 6)を参照してください。

 

 

表 5.1.11.には小学生の一日の行動(住居-通学-学校-塾や習い事-帰宅-自宅、食事- 睡眠)のばく露を測定しています。この測定事例の平均値から見ると比較的高いばく露はトル エン、2-エチル-1-ヘキサノール、リモネン、アセトン、ホルムアルデヒドが見られます。な お、2-エチル-1-ヘキサノールはビニルタイルなどの接着剤に使用されている DEHP の加水分解 物質だと言われています。

 

表 5.1.12.には 7~12 歳児とその両親のフタル酸ジエステル代謝物の平均値を示しました。 DEHP は沢山の代謝物質が知られていますがここでは 3 種類の代謝物質を調べています。

フタル 酸モノ-2-エチルヘキシル(MEHP)が一次代謝物でそこからさらに代謝物され、フタル酸-2-エ チル-5-モノオキシヘキシル(MEOHP)、フタル酸-2-エチル-5-モノカルボキシペンチル(MECPP) となります。