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第III部 室内の環境に関わる要因の把握 と快適な環境の実現 

 

第 5 章 室内の環境に関わる要因の把握 

第5章 室内の環境に関わる要因の把握 5.1. 化学的要因 

世界保健機関(World Health Organization: WHO)は 2002 年世界保健報告「Children's Environmental Health」で子ども、住宅と健康に関して室内環境における重要な因子として、 気候と熱、騒音と光、多数の化学的、物理的および生物学的汚染物質と危険因子へのばく露が問題であるとしています。

この第 5 章では室内汚染の化学的要因について述べます。 

化学的要因には有機化合物と無機化合物があります。

有機化合物(Organic Compounds)は 炭素原子(C)を含んだ化合物で、無機化合物は炭素を含まない化合物の総称とされています。

 有機化合物は建築材料、日用品、工業製品、医薬製品などに広く用いられ、およそ 1000 万の 種類があるとされています。

WHO は大気中の放出される有機化合物を沸点範囲で分類しています。

高揮発性有機化合物(Very Volatile Organic Compound: VVOC)は氷点下(<0°C)から 50 ~100°C。

揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds: VOC)は 50~100°Cから 240~260°C。 

準揮発性有機化合物(Semi Volatile Organic Compounds: SVOC)は 240~260°Cから 380~400°C、 粒子状有機化合物(Particulate Organic Matter: POM)は 380°C以上としています。

表 5.1.1. に WHO の分類を示しました。ホルムアルデヒドは沸点では VVOC ですが WHO の分類では VOC に 示されています。 

WHO の分類ではありませんが細菌やカビなどの微生物が介在して生成する揮発性有機化合物 を総称して微生物由来揮発性有機化合物(Microbial Volatile Organic Compounds: MVOC)と 分類することが行われています。