出典:化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
・CSN 2011年3月1日
ハンブルグの病院MCSと環境病の患者に特別な病室を提供
情報源:Chemical Sensitivity Network, March 1, 2011
Hamburg Hospital offers rooms for patientes with MCS and Environmental Illness
Author: Silvia K. Muller, CSN - Chemical Sensitivity Network, 1 March 2011
Translation: Christi Howarth
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma, Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年3月4日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/CSN/110301_MCS_Roomt_Hamburg_Hospita.html
多くの努力がなされた後に、ドイツ、ハンブルグにあるアガプレシオン・ダイアコニ病院は、MCSと多種アレルギーの人々のために二つの病室を設計した。
長年、現地の支援団体は、同病院に環境管理された病室を作るよう精力的に働きかけてきた。
今回初めて、環境病あるいはアレルギーなどから被害を受けている人々が病状にあった医療を受けるために入院することが可能となった。
MCS、環境病、多種アレルギー患者のための環境管理病室
2011年2月、新たに建設されたハンブルグのアガプレシオン・ダイアコニ医療センター(前オールド・オークス病院とベサニ・エリム病院)への引越しにともない、同センターは初めて、環境アレルギーとMCS患者のために作られた汚染物質のない特別病室を持つこととなった。
この環境対応病室は多くの配慮がなされている。
ひとつのシングル・ルームとひとつのダブル・ルームからなっている。二つの病室はそれぞれ他のステーションから分離されたひとつの入り口で結ばれており、化学物質に敏感な患者が通常の病院の化学物質や他の患者の香料に接触することがないようになっている。
医療、外科、産科
アガプレシオン診療所は下記診療科目を受ける患者への医療環境に特別に対応した二つの環境対応病室を提供する。
内科
老人科
糖尿病
外科、手の外科、プラスチック外科
婦人科、産科
整形外科
麻酔科、集中治療科
環境対応病室利用基準
医師又は緊急病室から説明が行なわれる。
最初の面会で、患者は環境対応病室の利用を申し出る。アガプレシオン診療所では、患者がMCS(多種化学物質過敏症)、環境アレルギー/環境不耐性(多種アレルギー)/慢性中毒であることを示す医学的証拠を持っていることが求められる。
MCS及び/又はアレルギーの”パスポート”もまたその環境対応特別病室使用の必要性を説明するために役に立つ。
環境対応病室の特徴
従来の病院の病室は化学物質過敏症患者には適切ではなかった。
一般的に病棟の床は塩ビで家具は合板である。
アガプレシオン診療所の環境対応病室はMCS被害者には清浄な空気が必要であることを認識して、計画立案に多くの努力をした。
二つの環境対応病室は、過敏な患者の安全を確保するために、大気汚染物質の放出が少ない安全な建材と家具で建設された。
環境対応病室の特別な配慮の例
Fermacell Green Lineの建材を使用した壁と天井
外壁材は石灰系漆喰
壁と天井の塗装は石灰系塗料
部屋は壁暖房
床材はセラミック・タイル
窓枠とドア枠は多重断熱
ドアはガラス製
電流ブレーカーの設置を含む電磁界曝露低減措置
家具はエナメル、金属、又はステンレス製
診療所職員は曝露最小を確実にすべき
患者の周辺に香料含有製品や患者に有害な製品がないかどうか注意を払う。
患者に、可能性ある食物アレルギー、薬剤、消毒剤、麻酔などについてたずる。
栄養士は患者の食物不耐性を考慮する。
医療ステーションでは情報が集約され、いつでも医療スタッフが見ることができる。
ステーションの職員は、環境病、MCS、CFSなどの支援団体と密接に連絡を取り合っている。
部屋は、香料を使用しない洗剤で掃除されるが、消毒洗浄は臭いを中和するのに重要である。
そこで患者は効果的な微生物(EM1)の使用を提供される。
必要な場合には、患者は自身の食物を持参して冷蔵庫に保管してもよい。
湯沸しが利用できる。
病院の全てのベッドは香料不使用であるが、これらの患者は自分用の寝具を持ち込むことができる。
環境対応患者のための特別措置
香料不使用で低汚染製品が患者及び訪問者に提供される。
このエリアでは携帯電話の使用と喫煙は禁止されている。
一緒に生活する環境対応病室の患者全てに理解、尊重、助け合いが求められる。
病院生活 余禄
環境病患者と彼らの医師にとって重要な情報は、アガプレシオン診療所は病院であり、環境診療所ではないということである。
病院内では、手順は決まっており、特別な要求には対応できない。
職員は、MCSや環境病について研修を受けているが、彼らは診療所の円滑な業務遂行を確保するために患者の協力を必要としている。
多分最初は、患者は十分な満足は得ることができないかもしれないが、これは病院内に環境対応の病室を設置する最初の試みなので、患者はそのことを理解し改善のための建設的な意見に貢献するとよい。
化学物質過敏症(MCS)の患者は、これは診療所における新たな展開であるということを認識することが重要である。
過敏症の人がこの病院に滞在すると、材料については注意深く選定しているにも関わらず、最初はガス放出や環境物質などのために、問題が生じるかもしれない。
化学物質過敏症関係者らは感謝
長年、病院内にMCS患者対応の病室を設置することを目標に掲げてきたハンブルグのMCS支援グループは、このプロジェクトに関与してきた医師、病院設計者、建築家、政府機関に心から感謝している。
アガプレシオン診療所の新しい病室の安全な環境が全てうまく行きますように!
著者:シルビア K.ミューラー、CSN 化学物質過敏症ネットワーク 2011年3月1日
英訳者:クリスティ・ハワース
情報源:Agaplesion Diakonie Hospital Hamburg, newsletter: environmental rooms for MCS patients and the environment / multiple allergies, January 2011 (ドイツ語)
連絡先:Agaplesion DIAKONIE Hospital Hamburg
Hohe Weide 17, 20259 Hamburg, Germany
E-mail: info@dkh.de
, Internet: www.dkh.de
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