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日本で「鼻戦争」が勃発―香り付き柔軟剤に苦情も

By
MAYUMI NEGISHI and PHRED DVORAK
 
2013 年 12 月 13 日 21:39 JST
原文 (英語) 
 【東京】日本の環境省は今夏、省エネ対策でエアコンのあまり効いていないオフィスで働く女性向けに、奇抜な暑さ対策を考え出した。

女性のクールビズのポイントについて説明したウェブサイトで、汗の臭いを抑えるために香り付きの柔軟剤を使うことを提案したのだ
香料好きな米国では柔軟剤の香りは数ある香りの1つにすぎないかもしれないが、さりげない香りを好む日本では、ちょっとした問題を引き起こした。

 バラ戦争ならぬ「鼻戦争」だ。
近年、多くの日本の消費者が、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の柔軟剤「ダウニー」をはじめとする香り付きの柔軟剤を使用し始めている。

そのため、1年を通して日本中至る所で物干しざおに春の花の香りが漂うようになった。

しかし、香り付きの製品の人気が高まるにつれ、それに異議を唱(とな)える人たちも出てきている。

そうした人たちはダウニーや日本の同様の製品を「近所迷惑」や「公害」、「ハラスメント」になぞらえ、自治体当局や規制当局に働きかけている。

結果、小さいものではあるが、いくつか勝利を収めている。

 環境省の香り付き柔軟剤の推奨を受け、化学物質過敏症支援センターや「香料自粛を求める会」などの団体が行動に乗り出した。

また、受動喫煙ならぬ「受動ダウニー」についてブログで怒りをあらわにする人も登場している。日本のメディアからは「スメル(臭い)」と「ハラスメント」と組み合わせた「スメハラ」という造語も飛び出した。

 反農薬東京グループは環境省宛てに要望書を提出した。

ネットに公開された要望書によると、その中で同グループの辻万千子代表は「『匂い対策となる香り付き柔軟剤』については、開いた口がふさがりませんでした。

貴省は、大勢の人たちが柔軟剤や香料で健康被害を受けていることをご存知なかったのですか」と述べている。
また、あるブロガーも「近所迷惑!ダウニー臭い!」と題したブログで、「環境省として、あまりにも、浅はかな提案が含まれているようです」と同様の意見を示した。

 辻氏の要望書に対し、環境省は文書で、柔軟剤は調査で女性が挙げた問題の解決策として提案したもので、健康被害との関連性を示す十分な証拠はないと回答した。

 しかし、環境省は数日後、物議を醸した提案を「元気に夏を乗り切るには旬の食材を―夏野菜で体の中からクールダウン」という文言に差し替えた。

 この件について、米オハイオ州シンシナティにあるP&G本社の広報担当者にコメントを求めたところ、東京オフィスに問い合わせるよう促された。

東京オフィスの広報担当者は、敏感な問題だとしてコメントを控えた。


 この香りをめぐる争いの一因は、日本の消費者文化の変化にある。

欧米人の好きな石けんからアフターシェーブローションに至るまであらゆるものに使用されている鼻を突くブーケの香りを、日本人は長年鼻であしらってきた。

香の煙の控えめな香りを良しとする日本文化の中で、香水やオーデコロンの売り上げは苦戦している。

調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、日本は美容・パーソナルケア製品に関しては世界第2位の市場だが、香水や芳香剤の消費に関しては19位だ。
奈良市の薬師寺と公益財団法人「お香の会」の事務局長を務める三井正昭氏は、香道では目覚めや異なる世界観を得るために「心で香りを聞く」とし、「欧米では、においは嫌な臭い、臭いものを隠すために用いられる。全然違う」と話す。

「お香の会」は日本文化と香の良さを伝えるために2009年に創設された。