・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
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・環境ホルモン問題は終わってない!
細胞や組織をかく乱する「シグナル毒性」とは
国立医薬品食品衛生研究所・安全性生物試験研究センター毒性部長 菅野 純先生
〈報告〉会員 小椋 和子
2015年7月26日、国民会議の総会後、中央大学駿河台記念館において開催された記念講演会では、国立医薬品食品衛生研究所・安全性生物試験研究センター毒性部(以下、毒性部)の菅野先生が「シグナル毒性」について話されました。
化学物質による健康影響については国民会議の全ての人が関心を持っていることでしょう。
筆者の周囲にも化学物質による被害で苦しんでいる人が大勢おり、筆者も少なからず関心を寄せてきました。
以前にも菅野先生の講演を聴いたこともあってうかつにも講演内容の報告を引き受けましたが、実際にレジメを拝見しそれが軽率だったことを思い知りました。
大学に在職中、地球化学の研究をしていた筆者は、分子生物学については門外漢です。
したがって今回の菅野先生生のお話を完全に理解できたわけではありません。
菅野先生は、毒性試験が従来のLD50(半数致死量)から遺伝子レベルの評価へ様変わりしていることを話されました。
最新の研究結果に基づく非常にエキサイティングな内容でした。しかし筆者の能力を超えるので、理解した範囲でレジメにしたがって講演内容を要約しご報告します。
毒性学の基本
毒性学は、物質が引き起こすヒトへの毒性(有害性)を予測して被害を未然に防ぐことが目的です。
有害影響として第一に挙げられるのが、致死的あるいは「死に至る毒性」です。
〈死に至る毒性〉
1.発がん
2.中毒死
次に「死には至らないが健康な生活に障害となる
毒性」として以下のような症状があげられます。
〈死には至らないが健康な生活に障害となる毒性〉
1.記憶が悪くなる
2.目が見えなくなる
3.耳が聞こえなくなる
4.貧血になる
5.感染しやすくなる
6.皮膚がただれる
7.疲れやすくなる
8.心臓・循環が悪くなる
9.肝臓や腎臓が悪くなる
10.早く老化する ほか