・Women's Voices の報告書の著者である科学者のスクラントンは、香料協会(IFRA)のリストはそれぞれの化学物質がどのくらいの頻度で、またどのくらいの量で用いられているのかを何も示しておらず、そのことが綿密に調べるのを難しくしていると指摘した。
”香料中の化学物質のリストに(ヒトに対する発がん性が疑われる)スチレンがあるが、これはレッドカードである”と彼女述べている。
”それは非常に、非常にまれに、非常に少量だけが使われているのだろうか? ことによるそれは目にするすべての香料で使用されているのか? もしそうなら、それは問題である”。
ウェブサイトに掲示されている概要書の中で、香料協会は”最高レベルの安全性”を確保する産業側の能力をほめちぎり、異なる大陸における様々な国の多様な法律とは異なり、産業側は自主規制を通じて新たな発見に対してもっと迅速にそして効率的に対応すると主張している。同協会は、科学に基づくと称する基準を生成するために、その研究部門である香粧品香料原料安全性研究所(Research Institute for Fragrance Materials / RIFM)と共に働いている。
Women's Voices はこの仕組みについて、いくつかの問題点を例証している。第一に、香料の安全研究の大部分は香料研究所(RIFM)によって実施されている。香料協会は年間約800万ドル(約9.2億円)を製造者との共同研究又は香料会社自身による研究に費やしていると述べている。
しかし、産業側の研究はほとんど公開又はピアレビューされることはなく、その結果が操作されていないことを確実にするためのラボでの実施の日常的なレビューは行われていないと、Women's Voices は言う。
しかし過去1年で欧州委員会消費者安全科学委員会は、香料研究所による研究を検証し、不完全なデータと妥当でない手続きを含んで、その方法論に繰り返し誤りがあることを発見した。
産業側は安全データを綿密に調べ、”独立系の専門家”の委員会によるガイダンスをもった安全基準を作成したが、その委員会の審議は公開されていない。
香料協会のウェブサイトによれば、これらの基準は同協会が過去数年間、禁止又は制限している 186物質に達するが、Women's Voices は同協会はその基準を管理するためにほとんど何もしていないと主張している。
”この香粧品香料原料安全性研究所(RIFM)はブラックボックスのようなものである”とブレスト・キャンサー・ファンドの計画・政策ディレクターであり、安全な化粧品のためのキャンペーンのディレクターであるジャネット・ヌーデルマンは言う。
”彼らの安全研究はどれひとつ公的に入手することができない” 。
香料研究所(RIFM)は Women's Voices の発見について反論しなかったが、”産業界は、継続する健康と環境の安全レビューを通じて消費者の利益に目を向ける”ことを確認する声明をもって、簡単に応答した。
しかし産業界は使用している化学物質に関してもっと透明性を持たせることにまだ反対している。
例えば香料協会は、昨年2月にカリフォルニア州下院議員レジー・ジョーンズ=ソーヤー(民主党、ロスアンジェルス)によって提案された、洗浄製品の製造者に上位 20の成分をラベル表示させる法案に反対した。
同下院議員への書簡の中で同協会は模造品について懸念していると述べた。
香料過敏症のニューヨークの教授ミラーは、もし会社が製品中に何があるのかについて明らかにするなら、それは彼女のような人々にとって”非常に役に立つであろう”と述べた。
”香料は、なにか素敵という概念だけではなく、実際にはかなり汚い化学物質の組み合わせである”と彼女は言う。
この記事は、公衆の健康、安全及び環境に焦点を当てた非営利ニュース組織 FairWarning によって報告された。