出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・ケミカル・センシティビティ・ネットワーク(CSN)
2012年1月17日
店の香気が従業員と顧客の健康を脅かす
シルビア・ミューラ (CSN)
情報源:CSN Environmental Medicine Matters
Scented store environments, dangerous to the health of employees and customers
Author: Silvia K. Muller, CSN - Chemical Sensitivity Network, 17. Januar 2012
http://www.csn-deutschland.de/blog/en/
scented-store-environments-dangerous-to-the-health-of-employees-and-customers/
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma
Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年3月14日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/Germany/CSN_scentend_storet_environments.html
取引監視委員会と労働組合が店の香気を注視
客を引き留めて買い物をする気にさせるために香料を使用するビジネスが一般的になってきている。香料産業界は、小売販売店の展開強化をはかっている。店で見かける香料は、異なる種類の天然の芳香油(エッセンシャルオイル)又は化学成分の混合物である。どちらも従業員や顧客に無害ではない。デンマークでは取引監視委員会と労働組合がアメリカのファッション・チェーン店である”アバクロンビー&フィッチ”(訳注1)を注視している。
このファッション・チェーン店は、人の健康にに有害でアレルギーを引き起こす可能性が疑われている芳香油シトロネロールを使用することで知られている。
デンマーク取引監視委員会は現在、このファッション・チェーン店の従業員と顧客を保護するために、この香料の使用を止めさせようとしている。
当局と労働組合は店の香気に対して立ち上がる
デンマークでは、労働組合がアメリカのファッション・チェーン店”アバクロンビー&フィッチ”に対してして措置をとろうとしている。
これらの店では、香料の強い臭いがする。
強い香気が顧客を商品に引き寄せ販売高を上げている。
新聞”Politiken DK”は、いわゆる香料市場がデンマークでは過去3年間で非常に拡大していると報告している。これらの店を頻繁に訪れる人や、店の従業員はアレルギー反応を引き起こす可能性がある。それは従業員に不必要な負荷をかけていると取引監視委員会の委員長は述べている。
化学物質とアレルギーを引き起こす香料で屋内空気が汚染
香気環境を生成する香料は、しばしば空調機や換気装置を通じて店内に直接送り込まれている。
小さな店では、室内に香気を放出する木の棒を含む芳香油のボトルを置いている。
これらは、すでに香水アレルギーの被害を被っている人々だけでなく、ぜん息や化学物質過敏症(MCS)の人々にとっても問題がある。
健康な人にとってすら、長い間に過敏となりアレルギーを発症するかもしれない。
取引監視委員会は従業員と顧客を保護したいと望んでいる
我々は、店に導入されているアレルギー性物質に最も目を光らせていると同委員会の委員長は”Politiken DK”紙に述べた。
そのことが、昨年暮れに当局が”アバクロンビー&フィッチ”に接触しようと試みた理由である。当局は、不必要な負荷なので店内の高濃度の香気から従業員を守りたいという意志を経営者に伝えようとした。
労働組合は数多くの苦情を受けている
デンマーク労働組合は組合員から彼等の職場での香気についての苦情をますます多く受けるようになったと報告している。
したがって、”アバクロンビー&フィッチ”の事例に対する取引監視委員会の措置が注目されることになった。
これらの店の従業員にとって大きな健康問題であるが、それはまた顧客にとっても問題であるあると労働組合の報道担当は”Politiken DK”紙に述べた。
しかし、顧客は従業員とは異なり香気の漂う店から立ち去るという選択をすることができるが、従業員にとっては仕事続けることが重要なので、残念ながらこの選択は難しい。
このアメリカの会社がどのように振舞うのか、デンマーク取引監視委員会がどのように対処するのか、デンマーク労働組合がどくらい圧力をかけるのかを見極める必要がある。
もし”アバクロンビー&フィッチ”の経営幹部が利口なら、病気を引き起こすような物質を従業員や顧客に曝露させることを止めるであろう。
従業員が病気になれば会社に金がかかるし、顧客が店内で気分が悪くなれば店を離れるので、会社は多くの金を失うことになるであろう。
ドイツ連邦環境庁も長年、この問題について述べたいくつかの記者発表や背景説明文書発表を通じて、この様な目的での香料の使用に対して警告を発してきた。
香料:心地良いこともあるが、負担にもなることもある-2006年4月(ドイツ語) 香料で臭いをつけた店はドイツでも増えていることが報告されている。
現在までのところ、それを本気で防止しようとしている規制当局も組合もドイツにはない。
runより:日本もこういう流れになってくれんかなぁ(´・ω・`)