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化学物質過敏症患者の願い
2015年06月01日(月) 11時04分57秒
テーマ:化学物質過敏症
私は本態性環境不耐症(いわゆる化学物質過敏症)です。
この病気は平成二十一年に病名登録されたばかりで、まだあまり知られていません。
それまでは「化学物質による中枢神経、自律神経不調」と診断されていました。
体内に蓄積された化学物質によって主に神経系が乱される病気です。
そのため神経系の病気(自律神経失調症など)と間違えられることが多々あります。
私も長年自律神経の乱れによる不定愁訴で苦しみ、精神科でうつ病と誤診されました。
しかし抗うつ薬を飲んでも良くなるどころか副作用で苦しむばかり、十年ほど前にようやく北里研究所病院にて化学物質過敏症だと判明しました。
自律神経は生命に関わる機能を維持する重要な神経系です。
自律神経失調症は一般的に原因はストレスですが、化学物質の吸収でも同じように乱れます。
この辺は環境ホルモンと似ています。しかしまだ医者でも知らない人が多く、私のように対症療法を延々と続ける例もあります。
中枢神経の乱れとは、脳の機能障害です。私の場合は思考力や判断力、認識力などが低下します。
患者は体内に蓄積された化学物質によって慢性的な体調不良となり、大量に吸収したときは急性症状に襲われます。
目眩や頭痛、吐き気、下痢、呼吸困難などです。
駅のホームで目眩がしたら命に関わります。
そして有効な防止策はありません。
活性炭マスクも気休めでしかないのです。
治療法も「有害な化学物質を避け、体外へ排出する」だけで、肝臓の解毒作用を助ける酵素薬しか薬もありません。
私は高機能フィルターで空調する家を建てることでそれを実現しました。
今では空気の良い場所にさえいれば症状はほとんど出ません。
治療だけでなく日常の生活でも「汚れていない空気」が不可欠です。
しかし日本のどこにそんな場所があるでしょう?
先日、山へ行ったら大勢の登山客で空気が汚れていました。
彼らの衣服から発散する洗剤や柔軟剤の合成香料によって。
ダウニー上陸以来、洗濯用合成香料が爆発的に増えました。
本人たちは心地よいのでしょうが、患者にとっては煙草に匹敵する汚染源です。
煙草は煙さえ避ければ相当害を減らせます。吸っている人は遠くからでもわかります。
しかし服から出てくる合成香料は成分を吸い込むまで分かりません。
そして吸ってからでは遅いのです。はっきり言って煙草より困ります。
私のような軽症患者でも町中はリスクだらけです。
リスク=他人の服。誰が合成香料の発生源かはロシアンルーレットです。
電車や繁華街などの人混みは避けようがないので高リスクどころか100%アウトです。
都心へ行くときは数日動けなくなる覚悟が必要です。
軽症の私でさえこれだけ制約があります。
ましてや重症者は家どころか部屋から一歩も出られません。
なぜこんな障害が生まれたのですか?
私たちは何か悪いことをしたのですか?
普通に生活していただけなのに、突然日常生活に多大な制約を強いられるようになりました。
理不尽です!
私たち化学物質過敏症患者の願いはささやかです。
普通に生活したい。
常にマスクをして、周囲の人に注意して息をするのにも神経を使うのが普通の生活ですか?
電車に乗れば体調不良となり、映画館では隣に座った人の発する合成香料の為に席を移動、ふらふらになったら禁煙の店を捜して飛び込むのが普通の生活ですか?
しかし「臭いが好き」と合成香料入りの洗剤や柔軟剤を使う人がいる限り私たちは普通の生活ができません。
化学物質過敏症は公害病です。
きっかけは農薬や排気ガス、塗料などが多かったでしょう。
しかしこれらは生活空間にはあまり入ってきません。
煙草も禁煙の場所を選べばある程度避けられます。
避けられないのは、生活空間に入り込む合成香料です。
特に洗剤と柔軟剤!
臭いが好きな人にお願いします。
これ以上私たちの命を削ることはやめてください。
普通に生活させてください。