WHO とMCS/EHS患者・支援者団体との会議概要 :2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 ジャウメ・コルテス氏が多種化学物質過敏症(MCS)及び電磁波過敏症(EHS)に関するいくつかの基本的な問題点を提起することにより発言の口火を切った。


MCS と EHS は現実の健康問題である。
このことを確認する証拠がある。
医学的診断。
曝露と疾病の因果関係を明確にする検査記録。
その存在を確認する科学的研究がある。
これらの疾病についての欧州議会による認知と本日提出された文書一式中の証拠文書がある。
この証拠を支持するスペインにおける200の判例がある。
スペインで患者のための(経済的)補償を得ている。
私たちは、これらの疾病をWHO 国際疾病分類(ICD)に含める必要がある。それは、WHO 国際疾病分類(ICD)にこの疾病についてのコードがないために、この疾病の法的認知を難しくしているからである。
 続いてジュリアン・マルケス博士が発言し、患者が直面している問題のひとつは、これらの病理について、ほとんど、あるいは全く知られていないために、医療関係者の理解が不足していることであると説明した。

 MCSについては、発症の原因は、多くの場合に有機リン農薬である。

ほとんどの患者は中毒症状がないので、中毒ではない。

臨床的症状は曝露によって現れ、患者がその毒性源を回避すれば、症状は消える。

 MCSは、複数の器官(系)の疾病であり、約90%のケースで神経系に影響を与える。頭痛、まひ、筋力低下、めまいのような症状のある重要な認知神経科学的な疾病があり、全ては、気管支系、心臓血管系、ホルモン系など複数器官疾病である。

女性には一般的に生理周期の異常があり、かなりの割合で性欲の減退がある。

 マルケス博士は、低用量の物質であっても、それは単にうっとうしいというだけでなく、炎症、ほてり、頭痛などの臨床学的問題を引き起こすと述べて、環境不耐症(Environmental Intolerance)がWHO 自身によって認知されていることを想起させる。

 化学物質又は電磁界放射への有害な反応は、それぞれの患者によって期間が多様であり、症状もまた異なる。

患者が再び曝露すると、通常、症状は悪化し、新たな症状を示す結果となる。

 MCS 及び EHS のどちらの診断も臨床的である。

MCS の場合には臨床医に役立つテストである QEESI 問診票(訳注1)が使用できる。

このテストを通じて患者の症状を客観化することができる。

 しかし、これらの診断は予行(試運転)を要する手順書、完全な中枢及び末梢神経試験、神経生理学的な試験(脳波(EEG)、視覚誘発電位(Visual Evoked Potentials)、聴覚脳幹誘発電位(Acoustic Evoked Potentials of the brainstem)、体知覚電位(Somesthetic Potentials)、認識電位 P300(Cognitive Potential P.300)、神経画像(特に頭蓋及び脳下垂体 MRI 及び SPECT))、特定の分析研究、ホルモン研究などが必要である。

また、神経心理学的障害や前頭葉機能障害、前頭側頭葉などについての専門家による神経心理学的な研究を実施することにも大いに関心がある。

 これらの疾病(MCS と EHS)のプロセスは慢性的であり、もし患者らがタラゴナ(スペイン北東部)石油化学工業地域近辺のような有毒環境に住めば、あるいは携帯電話アンテナなどのあるところに住んで電磁界放射に曝されれば、彼らの状況は悪化する。患者らは曝露を避けなくてはならない。

 患者らが、疑いを解き、相談及び社会的職業的支援を受け、タイムリーに診療報告書を受け取れる臨床的診断センターを持つことが極めて重要である。