(3) 病害虫や雑草による被害はどの位か
病害虫の有効な防除方法がなかった時代には、例えば我が国では、享保年間に稲にウンカによる大被害の発生によって多くの人が餓死したと記録があります。また、外国では1845年にアイルランドで人々の主食であるジャガイモの疫病が大発生し、悲惨な飢饉が生じました。
過去に行われた調査結果では、一般的な栽培を行っていて病害虫防除対策を行わなかった場合、農作物の収穫量が大幅に減少することを示しています(表1、2参照)
表1 日本の例
作物名
推定収穫減少率(平均)%
水稲(10)28
小麦(4)36
大豆(8)30
りんご(6)97
もも(1)100
キャベツ(10)63
だいこん(5)24
きゅうり(5)61
トマト(6)39
ばれいしょ(2)31
なす(1)21
とうもろこし(1)28
・作物名右( )は試験例数(1991-1992年に実施)
・社団法人日本植物防疫協会「農薬を使用しないで栽培した場合の病害虫等の被害に関する調査」(1993年)
表2 アメリカの例
作物名
収穫減少率(平均)%
とうもろこし32
わた39
ピーナッツ78
イネ57
ダイズ37
小麦24
ばれいしょ57
りんご100
ぶどう89
もも81
オレンジ55
レタス67
タマネギ64
トマト77
(Knuston, 1990-1993)